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Episode65 木遇と化す森

◆今回初めて登場する人物◆

ブリティッシュ(36)

ドュンケルの忠実な臣下の内の1人。他の者たちからの報告をドュンケルに伝える役割を持つ。

グレイエル(32)

ドュンケルの忠実な臣下の内の1人。攻撃時の助言や提案を役割とし、ドュンケルサイドの軍の副総裁を業とする。

★今回初めて登場する怪物★

アーミーウッドゴーレム

本来は黄昏界の樹海の星・ユグドラシルにすむ硬い幹で覆われた、木の姿をしたゴーレム。ドュンケルはこれを産み出すことが出来、それらは様々な種の武器を持ち、意のままに操られる。

 退散に成功したとは言え、安心してはいられない。時間の問題もあるが、一番はヤツらがこの地下通路の外で待ち伏せているかもしれないことである。そのため、僕たちは万全の状態で、かつすぐ戦闘に入れるよう警戒もしておかなければならない。

 走って切れた息も次第に戻ってきている。僕たちはゆっくりと立ち上がり、深呼吸で自らを落ち着かせてから、それぞれで武器の手入れに入る。僕とバーロン、テーラはマリアからの研磨剤で刃を削り、マリアは杖先の宝石に魔力を込めている。片や、フレイアは何やらしており、ニコラスはこちらへ話しかけてきた。

「すみません、僕が持ってきた銃弾なんですが、先の戦いでほとんど底を付いてしまって...。さっきの魔法で作ってほしいんですが...。」

と。無論、僕は承諾し、洞窟のあちらからこちらを聖なる力を帯びた剣で砕き、パラパラと落ち行く石の破片に手を翳す。

 思い浮かべるは銃弾。僕はそんな感じで、

「モールディング!」

と唱え、柔らかくては意味がないので、たくさん魔力を込めて硬化魔法「ハーダー」を唱えて、銃弾をいくつも作り出す。試しに内1つへ剣を打ちつけてみた所、剣の方が欠けてしまった。ちょっと、硬くしすぎたかな?僕はそう思いつつ、今度は

「パラレル!」

と唱えてかなりの数を複製する。そうやって、出来た無数の銃弾をニコラスに渡し、

「その弾は1つでも残っていれば僕がいつでも複製する。臨時ではマリアに『クローン』って言う魔法を掛けてもらっても良い。それに、硬くはしたものは元は石だから鉄のよりも軽いぞ。」

と説明を行う。それを聞き彼は、

「ありがとう。」

と礼を良い、それらを受け取った。

 そんなこんなをしてる内に地下通路内は暗がりに包まれ始めた。松明はあるものの、その明かりが足りていないのである。僕たちはマリアから渡された超小型収納箱スモール・キューブで寝袋を出し、そこに入って眠りにつく。先ほど「エクステンダー」で視覚を飛ばしたところ、既に月が昇っていたのである。


 そして、その頃、ドュンケルは地の深くで臣下らと共にいた。

「ドュンケル様。先程の報告によりますと、地下の書斎の書も破壊されたようです。」

「言われずとも、わかっておる。」

「どうやら、陽の森の地下通路へ逃げ込んだようで。ユミルの民どもには各出口で待ち伏せをさせております。」

「そうか御苦労であった。」

彼らの報告に対し、慈悲ある言葉を渡す邪神。

 「おそらくではありますが、次はあの洞窟内の施設へ向かうかと。」

今度は別の臣下がドュンケルに言葉を投げる。それに、対してドュンケルは言う。

「そうか。」

「そこで、提案がございます。あなた様の力を以ってして、陽の森の木々をアーミーウッドゴーレムへと変化させてはいかがでしょうか?さすれば、軍備も一層強まりましょう。」

そんな邪神に彼は提案を持ちかけた。それには、邪神も驚く。

「なるほど。貴様、冴えるではないではないか。」

さらに、そう賞賛し、早速陽の森の木々へと魔法をかけ、堅く、重く蠢く木遇・アーミーウッドゴーレムへと変形していった。

 ソイツらはドュンケルの思うがままに向かう先の古の洞窟へと歩いて行きた。そのそれぞれの手には、邪神の産み出す自動小銃に散弾銃にやらが握られていた。

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