Episode63 邸宅書斎
★今回初めて登場する怪物★
ギヴール
小型の巨龍。高速で飛行し、小さな炎弾を放つ。小さな隙間にも入れる。大群はかなりの脅威となる。顎の力が強く、鉄をも砕く。正体はムスペルの住民である。
一斉にこちらを向く凶虫たち。その視線は四方八方から飛ぶ。その中に、タイタンや先程の龍はいないがその分、蟻と蜘蛛が増えているような気がする。僕は今まで蜘蛛の糸で動きを封じられたことは無いが、先に見たフレイアの様子を見るに、かなりの脅威を有するのだろう。
「さっきと同じく迎撃しつつ突破するぞ。」
僕はそう思いつつ、みんなに伝える。そして、先に僕が走り始めた。その最前線で右へ左へ上へと剣を振り、放たれるソードビームで凶虫を裂く。壁や天井が傷むだろうが結局、この館はボロボロでこの程度ちっぽけなものだ。
「シャイニングインパクト!」
と、後ろでマリア。それは遠くで爆発し、輝きを伴いヤツらを弾き飛ばす。
ズドドドドド...!
さらに、ニコラスの放つ銃弾が空を交い、ヤツらを撃ち落とし、
「やぁっ!」
テーラはナイフ片手に核の部分へ跳躍。そこにしがみつきつつ、彼女はナイフで幾度もそこを裂いて裂いて裂き続け、核を剥き出しに。そこで、彼女は別の凶虫へと移り、交代でバーロンがそこを上から砕く。それをフレイアが聖なる格闘技で補佐。
僕はそのペースに合わせて前へ進みつつ、ソードビームを放ち続ける。そのおかげで、前方の敵は次々と倒れていく。そんな迎撃と突進の最中。
バリィィィッッッン!バリィィィッッッン!バリィィィッッッン!バリィィィッッッン!バリィィィッッッン!
あちらこちらで窓ガラスが砕ける音がした。床に散らばるは破片、空に見えるは先の龍。その中に金に輝く龍がおり、割れた窓を通って館内へ。そして、そこから龍の放つ大きな炎弾、後ろからは高速で距離を詰め、小さな炎弾を放ってくる。
「プロテクト!ロングリーチ!」
僕はそれを見てとっさに障壁を生成。後ろは彼らに任せ、僕は前の敵々をソードビームで一掃。上から襲いかかる龍は跳ねて直接斬り裂き、目の前の凶虫を突く。後ろでは、
ズドドドドド...!
「シャイニングブレード!」
「やぁっ!」
「おらぁっ!」
「せいやっー!」
銃声に詠唱、3つの怒号。どうやらそちらでもしっかりと迎撃が続いているらしい。僕はその音を横耳に自らの迎撃を続けた。
その末、僕たちは地下への階段へとつく。思っていた通りそこには沢山の凶虫がおり、迎撃はより一層大変になった。だが、僕たちは諦めず迎撃を続け、地下の書斎に突入。ヤツらが扉へ押し寄せる中、バーロンとフレイアが2人で扉を無理矢理押し返し、鍵を掛ける。おそらく、鍵が傷むだろうがしばらくはヤツらを凌げる。僕たちはすぐ戦闘に入れるよう、念に念を入れて武器を片手に持ったままに。それに合わせ、僕は仲間を後ろに連れて漂う邪気の元を探し出した。