Episode60 巨蝗
★今回初めて登場する怪物★
タイプⅥ
惑星・ユミルに住む巨大なバッタ。凶虫の一種。羽で飛ぶことは出来ないが、驚異的な跳躍力を持ち、上からの踏みつけ攻撃をする。正体はアバドン族と種族である。
ドゴーン!ドゴーン!ドゴーン!
たくさんの黒い柱が近くに落ちた。僕たちはそれぞれ武器を構え、戦闘体勢に入り、辺りを警戒しつつ見回す。
ヤツらは突如として現れた。緑の外骨格に黒い目、黄色い触覚にくすんだ色の羽。それが織り成すその巨体。そんな巨大なトノサマバッタのような凶虫が上から現れた。この不意討ちにみんなは対応することが出来ない。だが、僕は余裕を持って対応が出来た。なんと、僕の目には時間が遅れているように見えたのである。これが、新たな力なのだろうか。僕はそう思いつつ、みんなの腕をつかみ、
「モーメント!」
と唱えた。
その瞬間、僕たちは安全地帯へ移動。
ドシャァァァッッッン!
そんな轟音とともに先に立っていた場所には土煙が上がり、大きなクレーターまで出来ていた。おそらく、あそこで「モーメント」を唱えていなければ今頃はあの下敷きになって、最悪圧死、少なくとも大怪我を負っていっただろう。我ながらファインプレー!僕は自画自賛をしつつ、真っ先に地面を蹴った。
ギュゥゥゥッッッン!
相変わらずの激しい加速。心なしが前よりも速くなった気だってする。僕はそんな高速移動を活かして、ヤツらとの距離を一気に詰め、罪悪感に苛まれながらも縦へ横へ凪いで、凪いで、凪ぎまくる。そのあまりの速さにヤツらが避ける暇などほとんど無く、生き残ったのは数体のみ。その数体は空を貫くナイフと空を交う魔法によって地面に倒れる。案外、あっけなかったな。
そう思ったのも束の間。僕の真上には黒い影が指していた。そらに、僕が気付いたのは激突寸前であった。少しずつ近付くバッタ。僕は目利きでヤツらの核を探し、そこへ剣先を立て、
「モーメント!」
僕は瞬間移動でその場を離れた。と、
ドシャァァァッッッン!
響く轟音と上がる土煙。見ると、地面に鮮血が広がり、ヤツは動かなくなっていた。そこで、僕は「ドローイング」で突き刺された剣を引き寄せた。その時、ヤツの体は斬り裂かれた。
ズドドドドド...!
「シャインニングインパクト!」
ドガァァァッッッン!
「おりゃぁぁぁっっっ!」
ジャグッ!ドガシャァァァッッッン!
「やっ!やっ!やっ!」
シュンッ!シュンッ!シュンッ!
「おらっ!」
グショッ!
「食らえ!ソードビーム!」
ザクザクザク...!
空を交う様々な音。それと共に、バッタたちは落ちていき、あちこちで土煙を上げていく。
だが、まだまだ増える、増える。それを見て、僕は多機能型電磁砲を取り出し、ダイヤルを「電子機関砲」。みんなを遠くへ移動させた後、電磁砲のスイッチを入れ、
「食らえ!電子機関砲!」
すると、電磁砲の先から高速でエネルギー弾が打ち出され始まる。その場にいては踏み潰されるので僕は力を使って高起動でかわしつつつ、ヤツらを次々と蹴散らしていた。
そして、その末。僕たちはヤツらを全滅させることに成功。それは、何も僕の神宿しだけとは言い切れない。仲間の参戦があってこそ、また、ヤツらが比較的無計画に襲い掛かったこたが幸いして全員が無事にそれを成功させたのである。