Episode57 星光格闘者
◆今回初めて登場する人物◆
フレイア
バッファル島に住んでいたアストラルファイター。強大な魔力を持ち、溜め込んだ聖なる光を爆発させる切り札を持つ。数日前、レイカーの地下街から逃げ出して来た。
★今回初めて登場する怪物★
タイタン
惑星・ユミルに住む赤い巨人。巨人の通常種。格闘術に優れ、噛み付きや握り潰し、踏みつけなど様々な物理攻撃を行う。その正体は、ヘカトンケイルという民族である。
ドゴーン!ドゴーン!ドゴーン!
リヴァイアサンが海へ戻り、それから俺たちは森を進んでいた。すると、その少し先でいくつもの黒い柱が立つのを見た。
「凶虫!」
僕たちはその柱が落ちたところへと走っていった。そこにいたのは丸腰の男1人と溢れる凶虫たち。僕は出ようとするが、バーロンに近くの岩へと引き摺られた。
「何するんだ、バーロン!」
僕は暴れるがバーロンはそれを制す。
「良いから見てろ!」
と。
僕はとりあえずバーロンに言われた通り、しばし見ることにした。と、男の拳に光が集まった。そこへ、タイプⅡらが飛び掛かる。
「おらぁっ!」
男はソイツらに拳を向けて、空を殴る。すると、そこから聖なる光を帯びた拳のようなものが飛んでいった。それは見事、ヤツらの核を貫いた。次いで、回転蹴り。すると、今度は聖なる三日月が飛ぶ。それはタイプⅠたちの腹を進み、ヤツらを真っ二つに斬り裂いた。
と、蜘蛛たちの尻からたくさんの糸が放たれる。それは男に巻き付き、凶虫の元へと手繰り寄せられていった。
「マズイ!」
今度こそ僕は飛び出した。次いで、他の4人も出る。だが、それはすぐさま杞憂に終わった。
ズドゴォォォッッッン!
その瞬間、聖なる光が爆発を起こした。巻き込まれるとでも思ったのか、僕は
「プロテクト!」
と障壁を作り出す。と、それが攻を奏した。爆発が終わり障壁を解くと僕たちの周りを避けて広範囲に爆発跡が出来ていた。男の方を見ると、たくさんの糸が落ち、凶虫たちが遠くへ吹っ飛び地面に横たわっていた。見ると、見事にヤツらの核が潰れ、鮮血が垂れている。
だが、男も先の爆発で力を使い果たしたようだ。彼はバテたように息を荒くし、胸を押さえている。そこへ不運なことに空から敵勢が現れま、黒い柱を落とした。それは、人に当たると、黒い球を生み出した。そこから、腕部、脚部、頭部が生えてきて、巨人となって地面へと降り立つ。巨人の体はしばし全身が黒くて実態も内容だったが、やがてその黒い物が吹き飛び、中から赤肌の巨人が現れた。
僕はとっさの判断で飛び出した。神宿しの力を以ってして高く飛び上がり、巨人1体の首を跳ねる。さらに、ヤツの体を蹴って後ろへ飛び、 胸の後ろ辺りへソードビーム。核ごと斬り裂いた。
「ぐっ!」
と、男の悲鳴。見ると、さっきの男が巨人に握りつぶされようとしている。僕は目の前にいた巨人の首を斬り裂き、斬れ目を蹴って彼の元へ。その握る腕、その真上。俺は手に体重を掛けその腕を斬った。
ドゴォォォッッッン!
斬り落とされた腕が彼と共に地面に落ちた。
それに次いで、バーロンが剣を奮い、ニコラスが銃で皮膚をあがし、マリアが核を剥き出しにし、テーラがナイフを投げて核を貫く。そんな分業的な戦い方で巨人1体を倒す。それをよそに、僕は次々と剣を奮い、ソードビームで斬る。そうやって、僕たちは巨人の群れを全滅させた。地面を見てみればたくさんの鮮血が滴り、かなり気持ち悪かった。