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Episode42 陽の館

■今回初めて登場する書物■

『破壊の星』(スカーレル・著)

「破壊の星」と呼ばれる黒い星が地球に未曾有の大災害をもたらす物語。バッファル島への巨石落下が基となっている。

 陽の館は思ったより明るい場所であった。大きな窓それぞれから日が差しているのだ。僕は

「行くぞ。」

とみんなに言って、頷きを確認すると、5人で歩いていった。

 思った通り、館の中には邪気が漂っている様子であった。だが、1階には「分霊の書」らしきものは見つからない。だが、この館は3階建てで、まだ2階と3階が残っている。僕たちは手前の広間に戻り、そこにあった螺旋階段を上って2階へ行った。

 2階も意外と明るかった。広間の部分が吹き抜けになっており、部屋の数も作りも大きさもほぼ同じであった。2階にも「分零の書」らしきものは無い。

「ねぇ、ホントにここにあるのぉ?」

マリアが言う。まだ、3階も残っているが、僕は

「おそらくな。」

と答えるしかなかった。

 「おそらくって...。」

そうぼやくマリアをよそに吹き抜けに戻り、螺旋階段を上り、今度は3階を探し始めた。

 その末、僕たちは書斎を見つける。そこに漂う邪気は一番濃い。

「よし!」

僕は邪気の流れに沿って進んでいく。他の4人は僕を信じてついてくる。さっきまで、僕を疑っていたマリアもこの時は着いてきてくれたのだ。

 そのまま、邪気を辿って辿って、奥へ奥へ進む。そうやって、一番奥の本棚へ行った所でそれを見つけた。書名は「破壊の星」、著者はスカーレル。そこから尋常じゃないほどの邪気が漏れていた。

 僕はおそるおそるそれを手に取る。だが、何も起こらない。細工をしてるとしても、それはおそらく破壊した後だな。僕はそう予測しながら、ロンギヌスを抜く。

 そこで何を思ったのだろう。僕はふと後ろを向いた。そこには、こちらを覗く黒い影。ともかく、僕はそのことが幸いして、秘かに迫っていた危険にいち早く気付くことが出来た。僕は、

「あっちへ走れぇっ!」

と言う。4人は驚き、たじろいだ。

 だが、後ろの影に気付いた瞬間さらなる驚きを見せつつ、前へ走る。最後は受け身の体勢で倒れ、そのままの勢いで少し滑っていた。僕もさっきの本を持ちながらその様にして回避した。

 バッリィィィンッ!

その瞬間、けたたましい激音を発して窓が割れた。影の正体・ティラノサウルスの顔が書斎へと入ってきた。その先がさっきの本棚にあたり、それは前へ倒れる。見ると、皮膚の所々に傷があって、ソイツが先のT-レックスであることが分かる。だが、そんなことは関係無い。

 僕は抜いたままのロンギヌスを刃を下に振り上げ、そのまま本を突き刺した。それは真ん中を貫かれ、やがてバラバラに分解する。細工らしき物が発動したのはその瞬間のことだ。

 ボッゴォォォッッッン!

何か大きな物の崩れる音がした。T-レックスの方を見ると、ヤツは頭を外へ引きずり、やがて落ちていった。僕たちは螺旋階段へ戻り、下って下って外へ出る。そこで見たのは、館を囲む陥没した地面であった。しかも、あっちまで結構な距離がある。すると、マリアが「シャイニング・ビルド」を唱え、瞬時に光の橋が作り出された。

 僕は他の4人を先に行かせて自分もその後を追う。陥没した地面に架けられた長い光の橋の上を走り、4人が渡りきった。だが、そこで橋は割れた。マリアの魔力が切れたのである。流石の僕もすぐには反応できなかった。

「リドナー!」

と言うおそらくテーラの声を耳に、落ちる途中で壁に手を翳し、「モールディング」を唱える すると、そこに岩の分厚い板が完成し、僕はそこへ勢いのまま、落ちる。とっさに、受け身の体勢を取って衝撃を和らげたものの、痛みはある。

 「うっ...!?」

僕はその痛みに声にならない悲鳴を上げる。だが、今は痛がっている場合では無い。僕は背中を押さえながら、取り合えず無事を報告する。僕と魔力切れで倒れたマリアを除く3人がこちらを安心した様子で見た。

 それから、僕はバーロンから渡されたロープに捕まり、そのまま上へ上へと引かれ、やがて地面に着いた。僕は痛みで動けず、回復のため背中に手を翳すことすら出来なかった。そんに僕をテーラが持っていた傷薬で傷口を塞いでくれた。

「ありがとう。」

僕はそうお礼を言って、そのまま地面に倒れ伏せてしまった。

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