Episode3 バッファル崩落
神と思われる怪物が降臨してから、人々は恐怖に震えながら、生活していた。
町役場の人たちは何者かに皆殺しにされ、最新のニュースは見ることが出来ない。また、他の島へ自主避難をした者たちも殺されたという知らせが入ってきた。当たり前だか、それ以降、自主避難する人はいなくなり、深刻な食料不足が町を襲った。
喧嘩では、ついに武器を使い始める人が現れ、これを止めるとなると、武力行使をするしかない。僕は、ため息をついて、喧嘩をする人たちを眺めていた。
と、テーラが話しかけてくれた。
「どうしたの?ため息なんかついて。」
僕は、彼女に
「心配してくれてありがとう。」
と言ったから、悩みを打ち明けた。すると、
「リドナー。気にしすぎだよ。」
と言ってくれたので、僕は
「ありがとう。」
と半泣きになりながら、彼女に抱きついた。彼女は、そんな僕を、赤面しながらも、抱きつき返してくれた。
「あなたたち、人の目って言うものを考えなさいよ。」
後ろから怒りに染まった、マリアの声が聞こえた。僕たちは、抱きつくのをやめ、
「何?」
と聞く。彼女は
「あなたたち、気持ち悪いくらい息ピッタリね。」
とツッコんでから、
「それより、ルーカス君たちは大丈夫なの?」
と、聞かれた。僕は答えようとするが、代わりにテーラが
「えぇ。ジャック君に頼んであるから。」
と答えてくれた。彼女は
「そう。はい。あなたたちにも。」
と言って、2つの超小型収納箱を渡してくれた。僕たちは、それぞらの箱を地面に叩きつけた。すると、中から小さなチョコレートが現れた。僕たちは、
「ありがとう。」
と言って、チョコをかじった。
と、その瞬間だった。空からたくさんの轟音が聞こえてきたのだ。僕は何事かと思って、空を見上げる。すると、そこにあったのは、たくさんの隕石だった。1つの大きさはそこまでだが、とんでもない数だ。町人たちは、いち早くそれに気づいたようで、魔法使いが作ったと思われるゲートで、他の4つの島へ向かっていた。
僕たちも逃げないと!そう思った、僕は、
「家の転移鏡って、まだ割れていないか!?」
と、マリアに聞いた。彼女は、
「わからないわ。でも、逃げる時は割れていなかったわね。」
と答える。それを聞いた僕は、割れていないことを祈りながら、転移鏡の姿かたちを思い浮かべ、
「我が求む物よ、我が元に来たれ!デリバリー!」
と唱え、マリアの家にある転移鏡を取り寄せた。それから、僕たちは、シャインズ島の館を思い浮かべながら、鏡に入った。すると、無事、その館に転移出来た。
こうして、たくさんの島民が別の島に避難することが出来た。しかし、この時、僕たちは忘れていた。地下の町にもたくさんの人たちがいることを。そして、その中には、エリーナさんの姿もあった。