Episode2 神
★今回初めて登場する怪物★
朱雀
別名・赤き鳥。シーサーペント島の守り神。口から、高温の炎を放つ。
青龍
別名・青き龍。シャインズ島の守り神。水中を超高速で移動できる。
玄武
別名・緑の亀蛇。スターロック島の守り神。森を作り出す、力を持つ。
白虎
別名・白き獣。オーディン島の守り神。最強クラスの攻撃力を持つ。
麒麟
別名・黒き獣。他の4体の守り神は、年に1度、この怪物の元にやって来る。
ドュンケル
黄昏界を創造者であり、最強の邪神。光以外のあらゆるものを一瞬にして、消し去ることができる。しかし、光に対して致命的な弱点があるわけではない。
あれから、もう1ヶ月が経ち、食料も少なくなってきた。そのためか、ちょっとした揉め合いが増えてきた。しかし、そんなちょっとしたことが大きな争いを招く。だから、見かけたら、僕は、
「やめてください。」
と言い、自分の食料を少し分け、それでも、聞かなければ「スタンニング」で気絶させた。
そんな生活をしながら、僕はある日、とんでもない物を見た。それは、巨大な隕石。この前の、巨人などではない。その質感、色、窪みをみる限り本物の岩だ。そして、その岩はどこかへ落ち、ここにまで震動が伝わってきた。その直後、空には、町役場の人たちが小型ヘリに乗っているのが見える。僕は、急いで族長の家にお邪魔し、テレビをつける。と、思った通り、臨時ニュースが行われていた。
「見てください!5体の守り神が1箇所に集まっています。いったい何事でしょうか?」
ニュースキャスターがそう言って、運転手にヘリを近づける。と、突然、その5体が力をため始めた。それに応じて、
「守り神たちが力をため始めました。何かいるのでしょうか?」
と言う。本当にそうだ。僕はそう思いながら、画面を見つめた。
「なっ...!?」
すると、岩の中から邪気に包まれた黒色の巨人が現れたのだ。ソイツは、守り神を見るやいなや、手を伸ばした。そして、その中の内、亀のような姿をした守り神を一瞬で消し去ったのだ。それを見たニュースキャスターは、驚きでしばらく黙っていたが、
「あれは、神様かもしれません!いいえ、神様です!断言します、神様です!神様でなければ守り神を消せるはずがありません!」
とニュースを続ける。そんな話をしている内にも、守り神は1体、1体と消されていき、またたく間に全滅した。
続いて、標的になったのは...。ニュースキャスターのヘリコプター。今度は、手が伸ばされる。それを見たニュースキャスターは、
「キャーーー!」
と叫んで、運転手に退散を命じた。運転手はそれに応じるが、間に合うはずが無かった。その手は、おそらく、後ろのプロペラを消し去ったのだろう。カメラからヘリが回転しながら、失速し、そのまま、落ちていくのが見えた。そして、
ドカーン!
遠くの方から、爆発音が聞こえ、その後、テレビ画面を見ると、ボロボロのレンズに映る血だらけの死体が...。僕は、その映像が見ていられなくて、テレビの電源を切った。
神とも言うべき存在、それは突如として降臨し、人々に恐怖を与えた。それは、今まで味わったことのない最大の恐怖であった。