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Episode25 山麓の図書館

★今回初めて登場する人物★

グリモワーズ

山麓の図書館に仮死状態で眠る古代生物。火炎放射や体の変形が可能である。

グリモワール

本の形をした怪物。攻撃手段は紙の刺突攻撃のみである。

■今回初めて登場する書物■

『黄昏』(トリル・著)

黄昏時に関する、神話と伝承が書かれた本。『バッファルの書』や『バッファル書記』との関連性は見られない。

 やがて、僕たちは森の奥。そこにある山麓の図書館に辿り着いていた。テーラの服は「フィックス」で既に直してある。

 壁は黒ずみ、苔も生えている。窓には亀裂が走り、屋根の一部は剥がれ落ちている。さらに、周りは雑草だらけであった。

 この図書館からは、あの時と同じ量、あるいはそれ以上の邪気を感じる。間違いない。ここにも、『分霊の書』がある。  

 キィィィィィン!

軋むような音を立てながら、ドアが開く。そこはやけに暗く、白い蜘蛛の巣が所々に張ってあった。随分と長い間使われていないのだろう。僕は、その蜘蛛の巣を剣で切りながら、邪気を辿っていく。その途中、ある物を見た。

 それは球状で所々に針が生え、首をその中に入れているように見える。その姿は、まるでアルマジロとハリネズミを合わせたような姿であった。それは、石のように固まっている。なのに、剣で叩くと、響きが生まれた。中は空洞になっているのだろう。僕はそう予想した後、再び作業に戻った。

 僕は蜘蛛の巣を斬っては邪気の確認をし、蜘蛛の巣を斬っては邪気の確認をしを繰り返す。後ろを見ると、剣を持っているバーロンも僕と同じことをしている。しかし、テーラはナイフを持っているのにも関わらずそれを構えてすらいなかった。おそらく、巣が触れるのが嫌なのだろう。これまで、たくさんの血で汚れてきたのに、何故だろうか?と、思ったが。

 「ここか。」

やがて、辿り着いた。この周辺のはずだ。はずだ、と言うのは邪気を感じるのは1つだけでは無かったのである。僕はみんなに、

「手分けして探すぞ!」

と言った。みんなは頷き、探し始めた。バーロンは下の方を、テーラはマリアと協力して上の方を、ニコラスは片っ端から本を撃ち貫いていた。一方の僕は、魔法と剣を駆使して、1つずつ潰していった。

 そして、見つけた。この図書館の中では一番邪気を感じるその本はより多くの埃を纏い、張られた蜘蛛の巣も多い。背表紙には『黄昏』と書かれている。これはトリルが著した黄昏時に関する神話と伝承の書である。

 「ドローイング!」

僕はそう唱えて、その本を手元に引き寄せた。それから、僕は剣を抜き、それを刺そうとした。

 と、その瞬間であった。

ドーン!

と、遠くで轟音がし、続いて、

バタァァァン!バタァァァン!バタァァァン!

と、何かが倒れていく音がした。それに、その音はどんどん近づいてきている。

 そして、僕たちの目の前の本棚が揺らいだ。それは、僕以外の全員がいる本棚であった。リスクはあるが、怪我をしたとしても、打ち傷ぐらい。本棚の下敷きになるよりはましだ。僕は今度は、

「ロングリーチ!ドローイング!」

と、唱えて彼らを引き寄せた。さらに、魔力の約半分を使って「魔力開放」で本棚を奥へ倒した。

 その上に現れたのは、さっきのアルマジロとハリネズミを合わせたような怪物であった。腹のあたりには穴が空き、牙まである。さりに、その後ろには、生き物のような動きをする本が4、5冊ほど浮いていた。

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