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Episode20 オーロラとの対決

 「オーロラのジョブは、高等錬金術師よ!特殊魔法なら使えるけど。無からどんなものでも作り出せるわ!気を付けて!」

テーラは動けないながらも、そう忠告してくれた。だが、もう遅かった。僕は、剣を振ってしまったのだ。

 カーン!

剣を跳ね返され、僕は仰け反った。見ると、オーロラさんの前には分厚い金属板がある。僕はあれに跳ね返されたのか。

 「さようなら!」

「...!?」

と、今度はその金属板が丸くなり、さらに体積までが大幅に増加した。巨大な金属球が完成したのである。

「まさか...!」

僕は、剣に魔力を貯め始める。しかし、間に合うはずなどなかった。まもなく、金属球は僕に直撃した。いや、その前に、剣で防御の構えを取ることが出来たので、直撃というわけではなかった。僕は、ほんの少しだけ勢いが収まった金属球もろとも、家の壁に激突した。

 「フッ...。案外そっけなかったわね。あれが神宿しゴッド・ドウェルなんだ。」

オーロラさんはほくそ笑む。

「リドナー!」

みんなは絶望する。僕が死んだと思ったのだ。

 しかし、僕は生きていた。かなり血だらけだが、命に関わるほどの出血量ではない。軽い貧血状態ではあるが、大丈夫だろう。僕は、全身に「ヒール」をかけて傷口を閉じ、十分に魔力を貯め、ソードビームを何度も放った。

 「フフフ...次はアンタたちの番よ!」

オーロラさんはほくそ笑みながら、手を翳す。マリアが全体に「エンド」をかけて、テーラ以外の3人は武器を構えた。と、その時だった。

 金属球が粉々に砕かれ、中からは僕が出てくる。

「なっ...!?」

「やぁぁぁぁぁぁ!」

僕は、脚力強化魔法を唱えた足で、一気に距離を詰め、思いっきり剣を振った。すると、辺りの地面一帯に切り裂かれたような平たい跡が出来、周りの木や家屋には深い傷が出来た。

 「あんなの、まともにくらったらひとたまりもないわよ?全く、容赦ないわね。」

オーロラさんはバネを作り出して、それで空へ飛び上がった。

「ん?消えた...?はっ!?」

彼女は後ろを振り向く。僕はすでに、瞬間移動魔法を唱え、背中を取っていた。

 「やぁ!」

僕は剣を振る。しかし、かわされてしまう。

「ったく、なめないでよねっ!」

今度は、オーロラさんが僕の背中を取り、蹴りで地面に叩きつけてきた。

「ぐはっ!」

僕は、少し口から血を吐いた。

「さっさと、楽になりなさい!」

彼女はそんな僕に錬金術で作ったたくさんの刃を僕に向けて撃ってきた。全く、どっちが容赦ないんだよ!僕は、体を起こし、それを後ろ飛びでかわし続けた。

 「今度こそ、さよならよ。」

オーロラさんは杖を作り出した。柄の先には鏡が着いている。

「太陽光で僕の目を潰す気か!?」

と、聞いてみると、

「いいえ、それだけじゃないわ。この鏡は太陽光に加え、太陽の熱エネルギーも貯めることが出来る。あとは、わかるわよね?」

マズい!太陽光だと目が潰れるだけですむ。そんな軽い言い方では良いかはわからないが、とにかくそれだけで死ぬことはないだろう。ただ、太陽の熱は非常に膨大で、簡単に人を燃やし尽くしてしまうだろう。

 そして、太陽光が鏡に反射し、膨大な熱を含んだ状態でこちらに向かってきた。僕は一か八か、それを剣で斬り払おうとした。

「くっ!やはり、無理か!」

僕は諦めそうになりながらも、それを果たそうとする。ま、眩しい!本当に目が潰れそうだ。その熱で剣も火傷するほど熱く、服の一部にも引火している。でも、そんな中、僕は剣に魔力を貯め、ソードビームを放った。すると、神様が味方をしてくれた。なんと、反射した太陽光を斬り払うことが出来たのだ。

「何っ!?」

オーロラさんも動揺している。

 だが、このことでロンギヌスの刃の部分は砕け散ってしまった。

「でも、そるがどうしたっていうの!?壊れちゃったじゃない!」

彼女は、そう言って 、またたくさんの刃を撃ってきた。僕は、それを時には、魔法でさばき、時には後退した。ずっと、まあに集中していた、僕は後ろから刃が来ていることに気づかなかった。実際には、気づくのが遅かった。しかし、僕はそれを壊れたはずの防ぐことが出来たのだ。

 「なっ!?け、剣は壊れたはずよ!?」

確かに、そうだ。僕も初めは思った。しかし、バッファル3大伝説剣の1つが簡単に壊れてしまってはこまる。刃は壊れた部分から、徐々に復元されていき、最終的には元通りになった。

 それから、僕は脚力強化魔法をもう1度唱えて、オーロラさんとの距離を一気に詰める。剣を持って振る仕草をする。その瞬間、彼女は分厚い金属板を作り出した。しかし、剣はフェイクであって本当に斬るつもりはなかった。テーラにとやかく言われるかもしれないからだ。それは困る。

 「本命はこっちだ!キーピング!」

僕は、片手を天にかざし、オーロラさんの真上にゲートを作る。続いて、

「我が求むは、分厚い本っ!」

と唱えると、そこから何かの本が落ちてきて、彼女の頭を直撃した。すると、彼女は即気を失った。

 とっさに、思い付いた奇策だ。「キーピング」からアイテムを取り出すと言うのは、インターネットの検索機能と同じで条件を増やせば、増やすほど出るものを絞ることが出来る。今みたいに「本」や「道具」などと言うと、どんなものが出てくるかはわからない。だが、硬さがあればどんな本でも良かった。硬さがある本と言えば、分厚い本ぐらいしか思い付かない。だから、僕はそう言ったのだ。

 そして、僕は「モールディング」で土の杭を作り、そこに「ハーディー」をかけて、硬くしたした。続いて、そこに気絶したオーロラさんを座らせ、杭と一緒にマリアから借りた鞭でしっかりと拘束した(「バインダー」を使っても良かったのだか、うっかり魔力の調整を間違えると、大事になりかねないので止めておいた)。

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