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Episode152 森の従者

◆今回初めて登場する人物◆

アルベロ(38)

樹海惑星・ユグドラシルの原住民族・トルンクスの1人。森の従者として森の加護を受けている。そのため、あらゆる植物を自分の意のままに操ることができ、木を武具や防具にして戦うことを得意とする。しかし、その真髄は木で城を作り出すことにある。

 「撃て...。」

ノワールの上からそんな声がしたかと思うと奴へ向かってアーミーウットゴーレムが一斉に光の弾を撃つ。

「ったく...。こんなのありかってんだ...!」

奴は黒剣を振り回し、空を交う。交いながら、

「スクロペトゥム!」

と言って黒の球を裏切りの木偶へと撃ち出す。だが、それらがウッドゴーレムの心臓を捉える前に何か衝突したように全て砕け散る。

 「何っ...!?」

と驚くノワール。そこへが1人の男が降りてきて、

「どうだ、悪魔サターン?私の力は?」

と奴に言う。

「何者だっ!?」

奴が誰何とともに見上げると、そこには1つの人影。

「私は森の従者・アルベロ。森よりユグドラシルの木々を操る力を賜ったユグドラシルの民である。」

「その力でドュンケル様が服従の邪力を上書きしたと言うか!」

「そもそも、ユグドラシルの木々はドュンケルが造化した時点でその支配の優勢は森にある。奴の力はあくまでも無理矢理に邪力で従わせているのみ。無論、私と奴とでは森の力を得る私の方が優先的に服従させられるのだ。まぁ、最も?その総量は圧倒的に劣るが故、一度に従える木偶は10体までだがな。それ以上は力が分散して、奴の邪力に負けてしまう。」

そう言葉を交わして、ノワールとアルベロは激突する。


 「はぁっ!」

勢いよく振り下ろされるノワールの剣。

「大樹の手甲よ。」

アルベロは両手を木で包み込みこれを防ぎ、奴が怯んだところで合図を送る。すると、アーミーウッドゴーレムが銃を撃つ。

ズドズドズドズドズドンッ!

全方向から光が奴を狙い、ノワールは空中回転をしながら何とか全てを防ぐ。

 それから再び奴が飛び出すと、そこへ近くのビルに忍んでいたハールグリフが邪動砲を放つ。それも、両脇からである。

「くっ...。」

ノワールは仕方なく距離を取り、続く銃撃も剣で弾いて防ぎきる。そこへ木で剣を作ったアルベロが斬りかかる。

ギィィィッッッン!

鉄と木であるとは裏腹に、鉄と鉄が衝突したような音がしてノワールが少し吹っ飛ばされる。

「はっ!」

アルベロはそこへ刃を鞭のように扱い、銃を放たせて奴の心臓を穿たんとする。

 だが、ノワールは諦めが悪いとは言い難い人間である。正直なところ、木偶をアルベロの手からこちら側に引きずり下ろして形勢逆転を図ろうと彼は思っていた。故に躊躇があったのだ。だが、よくよく考えてみれば木偶はこちら側にいくらでもいる。

 「スクロペトゥム・ムルトゥス!」

とノワールは言って、遥か上空へ大量の黒い球を出現させて、手を振り下ろす。

「くっ...!大樹の鎧よ!」

アルベロは咄嗟に自身を木の鎧で囲む。間もなく黒の雨が降り注ぎ、木偶含め敵味方構わず周辺全てを蹂躙した。アルベロの鎧も完全に砕かれて全身からドクドクと鮮血が垂れている。

「癒えよ。」

傷は修復力を持つ森の加護で簡単に完治するが、後ろ楯がいなくなってはいよいよ彼も余裕ではいられない。

 「悪かったな、森の従者。躊躇は消えた。俺の本気をしかと見るがよいっ!」

とノワールは叫ぶ。

「フッ...その本気、森の加護を受ける私にどこまで通じるかな?」

とアルベロは返して再び木の剣を生み出し、その右手に。

 そして、両者睨み合った後、勢いよく衝突した。両者本気の激突である。

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