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Episode151 混沌の都市

★今回初めて登場する怪物★

ステルサー

古代のステルス用機械獣。自身を透明化する機構を持っており、この機構を発動すると音や魔力などステルサーが発するその他全てを外部から遮断することができる。その状態でも攻撃手段である口からの邪気を放つことができる。カメレオンのような姿の中型機械獣である。

フリージングバード

古代の空中戦用機械獣。胸の部分には魔力を氷塊に変換し撃ち出す装置があり主にこれを使って対空攻撃を行う。また、全身は高密度の魔力で覆われているため頑丈で、突進による直接攻撃も強力である。

 その日、怪物に完全支配されたニューヨークへヤドカリ型の機械獣・サポータルが降る。その固い鋼鉄が早速、アロサウルスの頭頂に激突し、そのまま意識を奪う。

 そして、地面に降り立ったサポータルはまず、オーロラの指示の元、たくさんサポータルを呼び出す。このサポータルたちもまた恐竜たちの意識をしばしば奪い、それからは大量に機械獣を召喚。オブザーブにブレイカー、ステルサーとターミネートルにバフィロス、さらにはハールグリフまで。空にはフリージングバードも現れて、街は混沌に包まれる。街を行くは恐竜の数々、それらを火球や光線が狙い、突進、噛み付き、邪球も狙う。空を交うケツァルコアトルスにも氷塊が衝突し、バランスを崩して次々落ちていくのである。


 「くっ...あの機械どもは何なのだ。煩わしい!」

空を飛ぶ悪魔サターン・ノワールは恐竜と戦う機械獣を見下ろしながら言う。そこへフリージングバードの氷塊。

「ニゲル・グラディウス!」

ノワールを剣を携えころを一閃、その延長線上にその元手も捕らえて真っ二つにした。だが、フリージングバードはケツァルコアトルスを蹴散らし、蹴散らし、彼を狙う。

「チッ...。ペルグランデ!」

これに今度は剣を巨大化、これを振り回して機械の巨鳥を一掃。

 が、今度は下からブレイカーの追尾弾がヤツを狙う。

「つ、次から次へと...!」

ノワールは怒りのまま巨剣を振り下ろし、機械の蠍を粉砕する。

 だが、機獣兵の猛襲は終わることを知らない。ノワールは黒剣を片手に次々湧いてくる機械にただただ処理をするのみであった。


 その一方、その様子を見ながら都市に出陣した戦闘機隊のパイロットたちも不思議がっていた。

 『絶滅したはじの恐竜が蹂躙の限りを尽くしているとは聞いていたが、まさか機械仕掛けの怪物までいるとはな...。』

『だが、グラッド。機械の方は我々と敵対するつもりはないようだぞ?むしろ、我々の敵対者と戦っているように見えるが...。』

『ほぅ、ならば都合が良い。我々も加勢するぞ!』

彼らは無線で言葉を交わし、まずはケツァルコアトルスに向けてミサイルを発射。

ドガガガガガァァァッッッン!

とその巨大な翼を爆砕。反撃にかかるケツァルコアトルスを柔軟にかわし、燕返しをして、

ズガガガガガ...!

と機関銃でまた数体を駆逐した。

 だが、天が常に1人を味方にするわけではない。突如、二号隊の戦闘機一機の前へ1体ケツァルコアトルスが滑降してくる。

『うわぁぁぁっっっ!』

と叫びを上げて、これに機の先が突き刺さる。彼は視界を奪われ、そのままなす術なく近くのビルに衝突。逃げ遅れた市民とともに爆死した。

 さらに、戦闘機隊はノワールに遭遇する。その剣は戦闘機の羽を次々断って機を落とす。

「な、何なんだ...あれは...!」

その惨劇に戦慄と驚愕を感じつつもミサイルや機関銃を発車。だが、それがヤツを捕らえることはない。それどころか、あっという間に距離を詰められてしまう。

 「マズい!」

それを見てグラッドは羽を取られまいときりもみしながら、急降下。彼は自他とも認める優秀なパイロットでこれを華麗にかわしてしまう。だが、周りは彼に比べて劣るところがある。

「くっ...。うぅぅぅっっっ!らぁぁぁっっっ!」

などと急上昇や急降下、燕返しや背面飛行を繰り返し、ヤツから逃げ回っている内に他は全て落とされてしまっていた。

 「くっ...あの戦闘機、何て腕のパイロットなんだっ!?」

ノワールは言いながら剣を片手に急降下。彼らドュンケル側としては戦闘機が空から一方的に陸上部隊を攻撃されては困るのである。だが、そこへ何者かの横槍が入るのである。

ズドンッ!

という音のあとにうなじを何かが掠める。

「何者だっ!?」

彼は怒り、音のする方を向く。すると、その先に見えたのは何とスナイパー装備のアーミーウッドゴーレムである。

 「何...?」

突然の裏切り行為に空中で固まるノワール。彼の戦闘能力は決して低いものではなかったが、まだ未熟でこういうこの世の黒い面には慣れていなかったのだろう。硬直している内にグラッドの戦闘機は逃げ、しかもいつの間にか無数のアーミーウッドゴーレムに囲まれていた。さらなる驚愕を前にノワールは目を丸くして、

「嘘...だろ...?」

と声を漏らすのみである。

 無数の怪物や機械やが街の陸や空で敵味方入り混じり、さらには味方だったものが敵となってノワールの前に現れる。いよいよ、都市は本当の混沌に包まれていた。

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