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Episode145 王者の妨害

 しばらく馬車は海を渡り、バッファル-シーサーペントの間、いよいよその底も深く佇む沖合にまで来た。

 と、そこで僕たちの馬車の下を巨大な影が通り過ぎた。かと思うと、影はこちらに身を翻し、しかも、影はその巨体をより見せつけるようになる。その主はそのワニのような顎を大きく開き、こちらへ突っ込む。気付けば、その鎌首が水を散らして僕たちの場所を狙っていた。僕は、

「魔力解放!」

その巨体を使って反作用を生み、ヤツから距離を取る。その主、モササウルスは狙いが外れたのが分かると再び海に静んで、次なる攻撃への準備に入った。

 「オーロラさん、この馬車を飛ばすことはできますか?」

その内に僕はオーロラさんに聞く。これに彼女は、

「えぇ、できるわよ。馬を天馬に、荷台をソリとし浮遊の効果を。」

と答えて、馬車を再構築する。馬には翼が生えてソリとなった荷台ごと浮き上がる。そこへモササウルスは真下からの飛び上がり攻撃で狙ってくる。再び馬車を狙う鎌首、僕は荷台から身を乗りだしその筋に沿って、

「クロスカリバー!」

と十字の聖剣で裂かんとする。だが、モササウルスはこの十字の聖剣に強く噛みつき、へし折った後は海へと戻る。

ザバァァァッッッン!

と高く水飛沫があがる。

 それから、外を見てみるとなんと巨大な影が4つ程さらに迫って来ているのが見えた。

「おい、モササウルスってのは肉食だけど人を襲うことは滅多にないんじゃなかったか?」

バーロンは言うが、やはりあのT-レックスに同じく軍用化された我々の常識など通用しないようだ。

「ヤツらもT-レックスと同じ感じだな、多分。今度はどの常識を覆してくるのか分かったもんじゃない。」

僕はそう言い、同時にモササウルス1体が飛び上がって脚に噛みつく。この脚はその重みに耐え切れずに砕け散り、ヤツは水飛沫をあげて海へと戻っていった。

 ザバァッ!ザバァッ!ザバァァァッッッン!

そして、続け様にヤツらは馬車を狙う。その度に馬の足が砕かれたり、荷台に穴が空いたりとボロボロになり、高くあがる水飛沫が馬車を濡らす。だが、ヤツらが馬車を本格的に破壊するようなことはなかった。


 さて、それからしばらくモササウルスの飛び上がる攻撃は続き、しかも、空から巨大な翼竜の群れがやってきた。

ゴァァァァァ...!ゴァッ!ゴァッ!

と汚れきった鳴き声を響かせ、近付いてくる。

 「ねぇ、あの大きさって...。」

とテーラは話を振り、

「あれはおそらく、ケツァルコアトルスですね。」

とアレクが答える。

「もしかして、あれもドュンケルの指金か!?」

「あぁ、恐らく。アイツらが相手ならラプトルたちを全力で守り切らなければダメだ。あの巨体だ、ラプトルを海に叩き落とすことなど造作もないだろう。」

次にバーロンが言って、僕はそう答える。

 その間、ヤツの巨体はいよいよ迫り、僕たちは海と空からの挟み撃ちに見舞われることとなった。 

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