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Episode144 陸から海へ

★今回初めて登場する怪物★

ブラキオサウルス

高木の草をも食せる長い首と鞭のように扱う長い尾が特徴の草食恐竜。歯は固く平らで、草を磨り潰すのに適している。

 野宿を終えると、僕たちは早朝、南の海へと再び馬車を出した。途中で数体の敵勢ラプトルにも出来わすのだが、僕が前に出て、

「魔力解放。」

その体を吹き飛ばして、そこへオーロラさんが

「小動物になんて構ってらんないのよ...!体内を爆薬で満たして着火、弾け飛んで!」

と言って、無惨にも体の内からその体を粉々にしてしまった。テーラからそんな彼女の性格を聞いていて、もちろん知っていたのだが改めて見てみると本当におっかない人である。

 しばらくすると、今度はティラノサウルスがこちらに気付くのだが何とヤツは今仕留めたばかりのブラキオサウルスを顎で掴んで、横から鞭のように叩きつけてきた。

バギィィィッッッ!

と音がしたかと思うとら馬車は右へ傾いた。どうやら、車輪をやられたようである。

 そして、次の攻撃。手段は同じ、僕たちは馬車を降りて、

「モーメント!」

と僕の詠唱で少し退避した。馬車の荷台はついに壊れてヤツは僕たちがもういないことを視認、続いて、こちらを見てその姿を視認。すると、

グググゥゥゥ...!

と唸り声をあげて回転を始めた。本来ならT-レックスがブラキオサウルスの巨体を振り回すなど不可能なはずだが、何せドュンケルか何かの手が加えられたであろう恐竜。

「おいおいおい、嘘だろ...!?」

とバーロンは驚きを露にし、僕は

「敵の頭は神そのものだ。僕たち人間の常識なんてものは通じない。」

と言い、向こうへ手を翳す。あれを止める魔法は思い付かないが、勢いを消すぐらいなら俺の魔力解放、最大出力で何とかなるかもきれない。

 そこで死体はこちらへ放り出される。その体は何と少し浮いて勢いを加え、その勢いのままにこちらへ凄まじいスピードで滑り迫ってきた。僕は

「魔力解放、最大出力!」

と唱えて、暴風に匹敵するほどの魔力派でその勢いを少し削ぐ。

「フランさん!」

続いて言うと、フランさんは剣を抜いてその手の剣で死体を輪切りにしてしまった。これで勢いはさらに下がって足で押さえられるというレベルへ。

 だが、もちろん戦いは今だ終わらない。アレクの合図でラプトルたちはヤツの体へ飛び乗り、顎攻撃の当たらない背中の奥へ。体を震わせるて落とそうとするも、ラプトルたちは爪を突き刺し、何とか堪える。それでも、堪え切れず1匹が落ちた場合は、他のラプトルが背を裂き、気を引いた。

 「エレキアロー!」

見事な連携だが僕たちもそをただ見ているだけではいけない。僕は紫電の矢を足や首に撃って動きを鈍化し、

「シャイニングインパクト!」

とマリアは光の爆発で上顎へかなりの傷を負わす。テーラも近くにあった花から毒を抽出、これをナイフに塗って、投げナイフで突き刺し毒を回らせた。ここにフレイアも負けじと、

「おらぁぁぁっっっ!」

かなり強めな聖なるパンチを放って、ヤツをかなり怯ませた。

 グォォォォォウンッ!

そこで、T-レックスは咆哮。しばらくすると、この咆哮に反応してやっきたのかアロサウルスの群れがやってきた。あちらも敵勢のようである。

「兄さん、どうする?この数ではギガントラプトルを呼んでも対処できない。」

「あぁ、僕も多分、そうだと思った。だから、『シャイニングインパクト』で行く。それも最大出力、最大範囲の。かなり魔力が持っていかれるだろうけど、神宿しゴッド・ドウェルの魔力回復速度ならおそらく付いていけるだろう。」

それを見てアレクは耳打ちし、僕はそう答えた。これに彼は頷き、まずは鈴を鳴らす。この音に反応したラプトルたちはすぐに攻撃を取り止め、ヤツの上顎へ。そこから飛び上がってこちらに来た。

 瞬間、僕は「ダイヤモンドプロテクション」を発動。周囲に関係ない恐竜とかがいないことを「エクステンダー」も使って確認し、

「シャイニングインパクト!ロンゲストリーチ!」

と魔力をたくさん託して光の爆発を出力を最大に、また最上の範囲強化で範囲も最大にして、障壁を爆心として強烈な爆破を起こしてみせた。

 もちろんこれを食らえば、流石のT-レックスも無傷ではいられない。むしろ、血を流したままにどこかへ消えていくのである。一方のアロサウルスの方は既に息絶えていた。


 そして、馬車をまたまた再生成、僕たちはこれに乗って2時間近く陸を進む。海に辿り着いたのその後のことで、やはりこの間にもいくつか恐竜と戦うことが多くあった。

 主にラプトルではあったが、アンキロサウルスが棍棒で馬車前方を破壊したり、ケツァルコアトルスが上から襲いかかろうとしたりと、かなりどたばだの時であった。僕たちは皆が恐竜たちの返り血を浴びせられ、ラプトル1体が同じラプトルにやられた。

「僕の...ラプトル...。大切な友達...だったのに...。」

それで、アレクは今かなり落胆の念に浸っている。

グルルル...クルッ、クルッ!

ただ、残ったラプトルが心配そうな目と声をしたのは彼にとって一番の気休めともなっていた。

 さて、馬車はいよいよ海へ。馬は足を動かし泳ぎ、車輪の水掻きでスピードを増加、スクリューで推進力強化。いくらオーロラさんの高等錬金術によるとは言えど、本来、陸専用の馬車が海を渡っているいうのは不思議な感じであった。

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