Episode138 恐竜兵
★今回初めて登場する怪物★
ダイノニクス
群れで狩りを行う小型の肉食恐竜。恐竜随一の素早さと攻撃性を併せ持ち、特に半月状の鉤爪は恐竜界最強と言っても過言ではない。
アロサウルス
好戦的な中型の肉食恐竜。動きは素早く、意外と知能も高い。その凶暴性はT-レックスに負けるとも劣らない。鋭い鉤爪は獲物を引き裂くのに適している。
ケツァルコアトルス
魚類を主食とする巨大な翼竜。頭部は特に大きい。その巨大な嘴は特に強力で、特に空中では遭遇すると一溜りもない。天敵はモササウルスなどの大型魚竜だと考えられている。
トリケラトプス
3本の巨大な角を頭に携えた草食恐竜。主にこの角によって肉食恐竜などから身を守る。その体格の良さもあってか、しばしばT-レックスでさえ退けることがある。
パキケファロサウルス
厚く硬質な頭蓋骨を持った草食恐竜。特に果物などを好んで食べる。比較的温厚な性格だが、雄通しで行われる石頭対決は凄まじい。
モササウルス
海の王者とも呼ばれる超大型の肉食魚竜。食べるのは他の水生生物が主だが、獲物を取りに来た翼竜を丸呑みしたり、大型の恐竜を引きずり下ろして食したりとその巨体ゆえなのか、食性は非常に広い。
●今回初めて登場するアイテム●
麻酔魔力狙撃砲
麻酔魔力砲のスナイパー型。威力を十分に保つために、銃弾が大きい。これを高速で撃ち出すため、銃は常に充填形態のようなものである。形態変化の機能はない。スコープも常備されている。
リドナーたちの乱入の後、 DMRT計画の対象地は陰の森から陽の森へと移っていた。これは、あの乱入が原因ではなくて、この森に陣取る凶虫たちが陰の森よりも多いのではないか、との報告を受けたからである。
その情報に間違いは無かったようで、あるところで早速、そこでダイノニクスの群れを見つけた。彼らは兵士たちに鉤爪をギラつかせて襲いかかるも、その内に上からの麻酔弾でどんどん倒れる。
また、あるところではアロサウルスやケツァルコアトルス、トリケラトプスなども見つかる。
アロサウルスに飛び掛かられて陸上部隊は一溜りもなかったが、彼らを囮に空中部隊が
バシュ!バシュ!バシュ!
と麻酔弾を発射。アロサウルスは次々と倒れた。多くが逃げる中、トリケラトプスにもその巨大な角で突き刺し対抗するものがいたが、犠牲を払いつつも陸上部隊はこれを何とか黙らせた。
そして、空中部隊もケツァルコアトルスには歯が立たない。群れの1匹を撃った瞬間、一斉に飛びかかってきて、巨龍に乗る兵士たち足で叩き落とす。その様子を見て、リーマスは
「全グングニル乗組員に告ぐ!艦内よりあの怪鳥を撃ち抜け!!!」
と命じる。ヤツはこれに従い、スナイパー型の麻酔魔力砲を各地点から放っていく。
バシュ!バシュ!バシュ!バシュ!バシュ!
麻酔弾は雨のように降り注ぎ、ケツァルコアトルス瞬く間に落ちていく。流れ弾が巨龍や兵士に当たってそのまま落下ししることもあったが彼らは気にせず、銃撃を続けた。
地面に転がる恐竜たちは等しく「サルペンス」によって縛り上げられ、「カルケル」によって檻に囚われ、「フォーレス」によって神に引き取られ、そのままヘルの海へ落とされる。
そして、それから数日が経った。ドュンケルは泡立つヘルの海を見て、
「そろそろ出ても良いぞ、竜ども。」
と言う。すると、これに応えて恐竜たちが現れる。アンキロサウルス、T-レックス、ダイノニクス、アロサウルス、ケツァルコアトルス、トリケラトプスの7種に加え、ラプトルとパキケファロサウルスとが増えている。さらに、ユンケルの作り出したヘルの海からはモササウルスが現れて、海岸を襲った。
「大神示教っ!」
同時にドュンケルは神の権能を発動。すると、恐竜の兵団は光に包まれどこかへ消えていく。言わば、これは転移の上位互換で範囲に制限はなく、また邪神であれどこの世全てを見渡すことはでき、これは世界中のいかなる地にも直接転移させられることを意味していた。
「フハハハッ...!これでこの世界が終わるのも時間の問題となったな...。」
ドュンケルはその甚大な被害を想定し、高笑いを浮かべる。
そして、恐竜兵は世界各地の人々を襲い、これを機に巨龍や悪魔も放って、弱った所へ追い討ちを掛けようとした。