表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
129/164

Episode128 ヘルの海

◆今回初めて登場する人物◆

マリー(26)

反乱軍第百七小隊の一グングニル艦長を務める、若々しく美しい女性。そのため、特に男性隊員からの信頼が厚い。邪神・ドュンケルについての知識量で言えば、反乱軍の中で第一位にあたる存在である。

ガレル(38)

その経験の豊富さから若いマリーの補佐役として、同グングニル副艦長を務める中年の美男。早くに妻を亡くしており、現在はマリーと遊びの恋人関係にある。

 場面は沖合の巨神に還る。破壊された首は既に元通りとなり、再び光線がこちらから交い、あちらから交い、また飛空艇のいくつかは海中へと落下していた。

 ちなみに、戦闘機に乗っていたパイロットは反乱軍第百七小隊が自身のグングニルへと回収していた。その艦長のマリーという女はランゲージダイヤリーを操作。30回ぐらいで運良く言語が英語に合わさり、色々な説明をした。皆、初めはにわかには信じられないとい顔であったが、少し経てば目の前にいる巨神の非現実性も腑に落ちたような表情へと変わっていった。

 それからジョブスは無線を米軍本局に繋いで、

「こちら、ファルコン第一分隊隊長ジョブス。海上に出現した巨大生物により機体は全滅、が、全パイロットが帰還。至急戦艦の出動を要求する。」

と言った。

『巨大生物はこちらかも確認している。故、我々はただちに海軍を出動させた。空母もそちらに向かっている。到着を待て。』

「了解。」

無線をしてみたところは海軍は既に出動してる模様。彼らにできるのは飛空艇の中から戦況を見、海軍を待つのみであった。

 

 そして、それからものの数分で飛空艇の下に空母と巡洋艦、駆逐艦による小さな艦隊が到着した。

「では、我々は再び戦闘機へ戻ります。」

ジョブスはそう言って、飛空艇の扉を開ける。彼はそこから飛び降り、ここに他のパイロットも続き、同時にパラシュートを再展開。今度は空母の方へと降りていった。

 と、そこでヤツが動きを見せた。

 海面に触れたかと思うと、そこに"闇"が発生。この"闇"は海を広がり、やがて艦隊全てをその中に収めてしまう。

自然操作マニュピレートによる"闇"の操作ね...。それもかなり規模が大きいわよ。」

とマリー。これを聞いて副艦長のガレルも

「ヘルの海、というわけか...。あの艦隊...もう終わったか...。よし!先程の軍人を連れ戻せ。少しでも犠牲者を減らすのだ。そして、彼らが戦えるよう戦闘機を死星飛機デスドローンの運搬形態で回収せよ。」

と言う。

 これに答えてまずは、

「セルペンス!」

と言って飛空艇の後ろに針付きの縄を射出。それを蛇にように操ってパラシュートで降りる彼らを掴む。その内に空母の方へ死星飛機デスドローンを忍ばせて、1機に6つずつで戦闘機を5機くすね、上にまで持ってきた。

 その頃には既にマリーやガレルの予期していたことが始まっていた。ユンケルは

「グォォォッッッ!」

と叫んで、思いっきり海底を踏みつける。その勢いが黒の大波を生み、空母でさえも傾けてしまった。こうなってしまえば、もうこの空母に後はない。3万tは優に超すであろう鉄の塊はいとも簡単にこの闇に呑まれて、徐々に海へと沈んでいく。ましてや、空母よりも遥かに固い巡洋艦や駆逐艦などはすぐに呑み込まれてしまう。

 そんな中でも海軍は意地を見せて、できるだけ多くの攻撃を当てていく。

 バシュバシュバシュゥッ...!ドガァァァッッッ!

空母からはミサイル。その爆炎が奴の横腹を削る。その中、戦闘機の何機かも何とか甲板から飛び立った。

ドガァッン!ドガァッン!ドガァッン!

さらに、駆逐艦や巡洋艦からは主砲。それぞれ1発ずつの砲弾はヤツの体の至るところに巨大な窪みを生む。

ズギャギャギャ...!ドガァァァッッッ!

辛うじて飛び立っていた戦闘機もミサイルと機関銃でこれに参戦した。

 一方、グングニルへとまた戻ってきてしまったジョブスたち。彼らは足掻いて足掻いて足掻いて、最後には闇へと沈んでいく数々の戦艦を、しばらく唖然と見下ろすのみであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ