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Episode124 城塞空中都市・アルカディア(後編)

 外を見れば深く黒い。時計は左に少し動いて、それに伴い宮殿と町が組み上がっていく。ソーリングフレアも元の形に収束し、回転も弱まっていく。

 やがて、その回転が完全に止まると、再びアルカディアは白い光に包まれ、10分前と同じ状態で、10分後と同じ場所に現れる。

 さて、東を見るとヤツらに襲われているアルカディアが見える。

「早急に道の脇へ移動する!アルカスは不可視を急げ!」

モーゼスはすぐに言って、手元のハンドルでこのアルカディアを脇へ逸らし始めた。同時に、アルカスはパネルを操作し、「invisible-full /Arcadia」と入力。すると、アルカディアは次第に溶け込みやがて、完全に見えなくなっていた。

 もちろん、彼らがこうしたのには訳がある。それは簡単に言えば「法律」である。このアルカディアはスカーレット魔法帝国の管轄下にあり、いついかなる場所においても、この国の法律が適応される。

 今回の場合はある時間軸における特定の物体とその他の時間軸おける同一物体との衝突を厳しく罰する「時間魔導管理刑法」の監査内である。

 いよいよ、そのアルカディアは横切り、そこにタイプⅣと死星飛機デスドローンも続く。しかも、前者はどんどんとやって来ていた。

 あちらの射程範囲外に出るのを確認すると、モーゼスはアルカディアを道に戻し、またアルカスは「cancel/invisible」と入力して不可視を解いた。

 「対空迎撃システム-01~05、オン!」

そして、モーゼスは5つのダイヤルを回す。この迎撃を受けて、どんどん落ちていく蝿。この異変に気付いたか、それを見つつ、モーゼスは

「あの光の柱は...恐らくアプロンの大弓...。」

と呟く。それから、アルカスの方を向いて、

「『外部接続器-05』だ。」

と言う。

 「了解!」

答えて、「create/exconnection<Apollon>」をアルカスは入力。すると、今度は5枚のランナーが組み上がって外部接続器「アポロン」が完成した。

「できたぞ、モーゼス!」

これを手に取ると、彼はモーゼスに投げて渡す。

 モーゼスはそれを取ると、まずは「クロノス」を抜いてその下の回収口に捨てる。次に受け取った「アポロン」を代わりに指してやった。スイッチをオンにすると、ソーリングフレアから魔力を吸収。みるみるゲージが貯まっていく。

 壁から円錐形のものが飛び出し、1枚、2枚、また1枚と赤い魔法陣が展開されて、それらが炎に包まれる。

 そこで映像を見ていた職員が、

「アルカディアの墜落を確認!」

と叫ぶ。これを受けて、モーゼスは

「『アポロンの大弓』、発射!」

と言ってパネルの「Enter」を押す。

 キュィィィッッッ!

と言う音ともに魔法陣は高速回転が始まる。円錐の先に雷電が集まり、限界に達すると一気にそのエネルギーは放たれた。

ギュゥゥゥンッッッ!

と言う音ともに長く巨大なエネルギー弾が魔法陣を過ぎて炎を纏う。そのエネルギーは凄まじく、あの死星飛機デスドローンでさえ焼き消して、あっちを襲っていたものもその都市を犠牲に消し飛ばした。

 それから、しばらくしてアルカディアが消えると、対空迎撃システムで残党を狩りつつ、徐々に警戒体制へと戻っていくのであった。

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