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Episode118 太平洋交戦(前編)

◆今回始めて登場する人物◆

マックス(46)

アメリカ海軍大将の一角。連合艦隊結成の提唱者であり、艦隊の指揮官、最主力艦の艦長も務める。判断力、決断力、立案力など必要な要素をほぼ全て併せ持つ、頼れるオールラウンドなリーダー。

 同じ頃、太平洋上のとある地点。そこには日本やアメリカなど資本主義国の連合艦隊があって、迫り来る凶虫ブルータル、押し寄せるヘビーエアフォースと交戦を繰り広げていた。

 「合図に合わせて全艦、主砲一斉照射!」

アメリカの最主力艦から指示が出る。

「了解!」

「了解した!」

「了解。ただちに、主砲用意!合図を待て!」

指示を無線で受け取った日本やイギリス、フランスなどの海軍は主砲を一斉に敵に合わせる。そして、アメリカの

「撃て!」

で一斉に主砲が遠くの蝦蛄に乗る蟻や蜘蛛を狙う。

 ガガガガガァァァッッッン!ザバババァッ!

砲弾の雨はヤツらをかなりの数沈めて、水飛沫を多く生む。凶虫ブルータルはその飛沫に紛れて戦艦に近付き、

ガゴガゴガゴォォォッッッン!

と集中攻撃。蝦蛄の高速突進を食らい、船もどんどん沈んでいく。

 「日第三駆逐艦大破!」

「仏第一駆逐艦大破!」

「英第二から第四駆逐艦中破!」

「米第一ミサイル艦大破!」

「続いて、日第二巡洋艦大破!」

ブツ、ブツ、ブツ、ブツ、ブツ...!

次々と艦隊が破壊されていく。そのほとんどが凶虫ブルータルによるもの。

 「この際、海上艦はいくつかくれてやる!潜水艦隊、ただちに魚雷攻撃を開始!」

「了解。魚雷による攻撃を開始する。」

次の指示は潜水艦による攻撃。海中艦が未だに大破していないことから出た指示である。

ギュゥゥゥン!ギュゥゥゥン!ギュゥゥゥン!

放たれる魚雷は様々な咆哮へ飛んでいき下からヤツらを爆砕する。

 一方、ヘビーエアフォースは空母から出た航空隊が相手をする。

 ギュィィィィィィッッッッッ!ドガガガァッン!

敵の放つレーザーは戦闘機をどんどん落とす。

バシュバシュゥゥゥッッッ!ドガァァァッッッ!ズガガガ...!

それてもミサイルやマシンガンで攻撃を続ける戦闘機たち。だが、無敵化の力で全て防がれ、さらにまた返り討ちに合う。

 やがて、ヤツらは戦闘機がある戦艦から発進していることに気付く。もちろんそれは空母である。

ギュィィィッッッ!

レーザーがその母艦を狙い、装甲を貫通。母艦は傾き乗っているだけの航空機は海に吸い込まれていく。転覆は防げたものの、航空機のない空母はもはや木偶の坊。図体だけでかい軍艦である。


 さて、ここにシルバたちのグングニルは来る。

 「ラディウス!」

ワイフが言うと、ヘビーエアフォースが放つのと同等のものが放たれる。その1つが無敵化する暇もなく気球を貫かれて落ちていった。

 「何事かは分からんが、敵の航空隊が落下してくるぞ!衝撃に備えぇぇぇっっっ!」

「備えぇぇぇぇぇっっっっっ!」

「衝撃来ます!」

瞬間、各艦ではこんな声が響き、海の中へ突っ込むとともに高い水飛沫と激しい波紋が艦隊を襲い、生まれた波が軍艦を軍艦に激突させたり、軍艦を転覆させたり。激突は部位の破壊を生み、転覆は艦の終焉を意味した。

 「やはり、こうなるか...。」

「どうする?今のをやればまた艦隊が被害を受けるぞ。」

それぞれ言うワイフとリゼット。そんな所へヘビーエアフォースのレーザーが飛んできた。だが、既に無敵化されているので何の心配もない。

 「あの巨躯が海を荒らすというなら落ちる前に粉々にやれば良い話だ。」

頭を抱える2人ではあったが、結局シルバ纏めあげる。彼は早速グングニルの扉を開ける。

「待て!本当に生身でアレとやるつもりか!?」

と言うワイフ。だが、彼にヘビーエアフォースの強さがどうなのは関係ない。ただ、それを斬り刻むだけでいいのだから。

「ワイフは下の凶虫ブルータルどもを『ラディアス』で狙撃してくれ。わかったな!」

とだけ言って、そこから飛び出した。ワイフはこれに黙って従うことにした。

 「ウォラートス!」

シルバは落ちながら浮遊魔法を発動。空中で魔剣を抜き、

ギュゥゥゥッッッン!

と加速を使って敵飛空艇に一気に詰め寄る。放たれるレーザーは黒の光線で相殺し、窓を割って銃を撃ってくればそれを華麗にかわして、合間に黒の光線その連写。全て正確にヤツらの急所を貫いた。

 そして、そのまま扉を蹴り飛ばしてその中へ。潜んでいたゴーレムはでソードビームで瞬殺した。

「乗っ取り完了っ...と!」

シルバは言って、浮遊魔法で操縦桿の上へ。方向転換のレバーはおよそ3m。とても人間の力だけでは動かせない。ので、シルバはそこに魔力を流して、

「ポテスタース!」

すると、念力でレバーが簡単に動き、後方のと向き合う。

 攻撃はなし。シルバはニヤリと笑って、手元にドュンケルサイドからくすねたランゲージダイヤリーの完全版、マスターダイヤリーを取り出し、

「言語をシルヴィスに設定。」

と言う。すると、勝手にダイヤルが高速回転し始めて言語名の書かれたスロットが高速で回転を始める。やがて、

チンッ!

とベルのような音がなれば、スロットには「silvis」が表示された。これはヤツらにアーミーウッドゴーレムの使う言語である。

 音声認識による言語の自動設定。それがランゲージダイヤリーとの大きな違いであった。

 「oqezve!」

「ラディウス」を唱えればこんな声が出る。だが、ヤツらの言語ために光線が発射。後ろのを破壊した。それを見て、シルバは飛空艇から飛び出し、言語を元に戻してから、

「アッスルトゥス!」

と詠唱。触れるだけで巨大な飛空艇が弾丸のように飛び、後ろのと衝突。その襲撃で両方瞑れて固まり、火花が気球の中のガスで爆発。粉々に砕けて破片が海に降り注いだ。

 凶虫ブルータルの方もワイフらの攻撃によりかなり減る。

 

 「な、何だ..あれは...。」

「まさか、フライングヒューマノイドか!?」

「あれはUMAでも何でもない。列記とした"人間"だぞ!」

魔法を知らない人々から見ればしの様はまさにオカルトである。最主力艦も驚きでしばらく指示を出せないでいた。

 その間も自らへの砲撃をかわし、艦隊への砲撃を相殺し、また1つ1つと敵飛空艇を落としていくシルバ。戦闘機が狙われた際は魔法で無理矢理脱出装置を発動させ、火のついたまま念力で気球にぶつけた。

 それを鑑みてか、やっと最主力艦から指示が出る。

 「浮遊した人間の正体は未だ不明!されど、艦隊の守護、敵勢の一致も確認!よって、かの者を本作線に限り、味方と見なす!各国艦隊にオペレーションARを要求!かの者を全力で援護しろ!」

オペレーションAR。ARとは「Activate Resistance(義勇活性)」の略であり、それは非軍事関係者による敵勢への攻撃に軍事関係者が責任を持って参戦する策を意味する。もちろん、この一番の目的は非軍事関係者の人命尊重。国際法に基づいたものであった。

 シルバが神宿しゴッドドウェルであることも、しもそもその概念も知らない彼らに、シルバがそう簡単には死なないということなど分からないのである。

 こうして、戦況は連合艦隊と邪神軍隊との交戦より連合艦隊及び邪神反乱者と邪神軍隊の交戦へと移行した。

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