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Episode106 悪魔の乱入

 接触破壊タッチブレイクは一旦巨人タイタンを集める。そのおかげで、バーロンにテーラにニコラスにフレイアにの手も開き、またマリアが起き上がってきた。

 「な、何?私の車は壊れてるし、あっちに手首を鞭のように回してるしだけど。」

マリアが本気でわけのわかってなさそうな顔をする。僕は

「マリア、病み上がりで悪いが今は戦闘中だ。いつものように援護を頼む。」

と彼女に言う。

 「それは良いけど...私眠ってたのかしら?その間に何があったのかしら?何かそこに双剣使いの死体まであるし。」

マリアは快く引き受けてくれたが、疑問が多すぎるらしい。僕は

「あぁ、マリアはエンジンの爆発をまともに食らって眠っていたんだ。その間に、俺たちは巨人ジャイアントの軍団とそこの接触破壊タッチブレイクを有した能力者と戦っていたんだ。巨人ジャイアントの首領と思しき赤肌の巨人は既に倒してる。その中身がそこの死体...俺たちに二度ほどつっかかってきた...エフィストだ。」

と説明してやる。マリアは心配そうな顔で

「そう。あいつは悪人だけど殺してしまうのは少し後ろめたかったわね。」

と言ってくれた。本当にそうである。少しどころかかなり後ろめたかった。だが、仲間を守るためだったから仕方のないことだ。僕はそう自分に言い聞かせて、罪悪感を和らげていた。

 

 そして、ヤツらは一斉に襲いかかってくる。

「行け!」

接触破壊タッチブレイクが右手の鞭で

バシン!

地面を強く叩くという合図で。

 まずは突進で制圧を試みてくる。どうやら、あちらは玉砕覚悟である。あの量がそれとなればかなり厄介なこととなる。

ギュゥゥゥン!

「はぁ!はぁぁぁっっっ!はぁぁぁぁぁっっっっっ!」

僕は飛び出して、殴る拳を抜けて抜けて首を斬り裂き、斬り裂く。そんな僕をマリアが、

「シャイニングブレード!」

と唱えて光の刃で援護し、フレイア、ニコラスも

「らぁっ!らぁっ!らぁっ!」

ズドドドドド...!

とそれぞれ拳と銃で援護する。おかげで巨人ジャイアントはどんどんダウンする。俺はそんなヤツらの首元へ剣を突き刺すたげでよかった。

 そんな感じで僕は次々とヤツに距離を詰め、次のヤツの手の鞭がくる。

「くっ!」

僕は後ろに下がってそれをかわす。ともに僕は

「エレキスピア!」

と唱えて、無数の紫電の矢。それをヤツは右手で払い、左手で払う。次々矢が消えていって全て無に帰す。

 「はぁぁぁっっっ!」

そこから僕はヤツの巨体を後ろ足で蹴り飛ばし、加えて神宿しゴッドドウェルの力を以て

ギュゥゥゥン!

超加速した僕を敵は捉えられず、

「は、速っ...!?」

と目を大きく見開き大きくかわしてしまう。その一撃は地面を剣が掠めるが大きな隙の生まれた今がチャンス。

 ギュゥゥゥン!

僕は突進し、ヤツの目の前で剣を横凪ぎ。それを敵はまたかわして、その勢いで後方回転。その最中の蹴り上げ。

「ぐっ!」

僕はまともに食らって、鳩尾をおさえて倒れ込む。

 「リドナー、今助ける!はっ!はっ!はっ!はっ!はっ!はぁぁぁっっっ!」

そんな僕を守るべく、回転蹴りでヤツの足を吹っ飛ばしたり、聖なる拳でぶっ倒したりで突っ込み、最後はその死体をバネに飛び上がり、斜め上からありったけの魔力を込めた拳を

「はぁぁぁぁぁっっっっっ!」

それをヤツはまともに暗い地に強く叩きつけられた。

「ぐふぅっ!?」

と響く声にならぬ悲鳴。

 ヤツは根性ですぐ立ち上がるがもうこちらを立ち上がっている。僕は一気に飛び出し、

「遅いっ!」

と超高速で連斬を繰り出して手を切り刻む。その際、少し刃がかけたが、僕はすぐに

「フィックス!フィックス!フィックス!」

と所々を直して、縦の回転斬り。

 かわされれば、地に降り立ち今度は横の回転切り。

「くっ...!」

その切っ先がヤツに当たる。さらに畳み掛けようとは思ったが、鞭がそれを阻む。僕は後ろには一度下がる。

 ヒュンッ!ヒュンッ!ヒュンッ!

そこへまた鞭が襲いかかる。

「だから、遅いって言ってるだろ!」

僕はそう言ってまずは小さく振られた右手をかわし、大きく右から左へ振られた左手の動きに乗って、木から木へ移って移って後ろに回る。

 からの、突進付き。だがそれを足を使って防がれる。

「つ、捕まえたぞ。」

彼はそう言い、右と左の鞭で挟みうち。だが、もう関係ない。

「はぁぁぁっっっ!」

という怒号とともに僕は剣を外側にしての後方回転で背中を斬りまた手もかわす。

 「らぁぁぁぁぁっっっっっ!」

さらに、僕は怒号を挙げ今度こそ畳み掛ける。まずは足を斬り、まだ使い物になってる手の鞭を「フィックス」をかけつつ、また斬って、またまた斬って、またまた斬りまくる。

 そんなこんなで、ついにヤツの脅威は消える。そこへ、マリアが

「シャイニングブレード!」

と唱えて光の刃を振り回しつつこちらへ来る。最後は

「スタン!」

とヤツに間近で失神魔法を繰り出して、気絶させた。マリアは

「正義感の強いリドナーにこう言うのは酷だし、何度もこういうのとをさせるのは気が引けるけど...。。もう...やるしかないわ。」

と言う。それは正しいことであった。

 こうなればこの男はただの無抵抗な人間だ。つまり、僕は敵とは言えどそんな人間を殺さねばならない。エフィストを殺す時に感じた罪悪感が今度はヤツに。

 後ろめたさで震える全身。殺す以外の方法があるんじゃないかと訴える良心とアイツは僕が倒すべきだと説く使命感との葛藤。 

 それでも、僕はマリアの言う通り、剣を一思いにやるしかなかった。腹をくくり、歯を食い縛り剣を大きく振りかぶり突っ込む。狙うは男の首。

「くっ...頼むから死んでくれっ!」

僕はそう懇願し、急ブレーキ剣を前にずらしていく。


 と、そこへ。

 シュ、シュ、シュ、シュ、シュ...!

オーラを纏った黒の短剣がその行く手を阻む。せっかく、決心できたところにとんだ邪魔が入ったものだ。いや、そうじゃない...僕が決心するのが遅かったからこうなった可能性が高いのだ。

 「誰だ!」

そう思うも僕はまず邪魔者に誰何し、短剣の飛んできた方を向く。すると、そこには背中に黒い羽の散る黒い翼を広げた伯爵っぽい姿の男がいる。

その男は地面に降りてきて気絶した接触破壊タッチブレイクを肩に乗せてから、

「私はディアブロ。悪魔サターンの一角である。それでは、また会おう。」

と言ってそのまま空へ飛んでいく。ヤツに攻撃しようと思ったが、溢れ出る強大なオーラに負けて飛び出せなかった。

 それもこれもほとんど全部僕が判断を遅れたせいである。僕は虚空へと消えていくディアブロの後ろ姿を見上げ、酷く落胆していた。

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