Eprsode104 決着(中編)
ドゴォォォッッッ!
赤肌の斧が振り下ろされて、僕は後ろへ飛んでかわす。そこへ、また接触破壊がその手で触れようとしてくる。
「っ...!」
僕は力で以て体をグルグル回してかわし、空中で
「エレキスピア!」
と無数の紫電の矢で男を狙う。
「無駄なことをっ...!」
だが、男は物凄いスピードで矢を殴り全てその手で消してしまう。
「はぁぁぁっっっ!」
僕はその内に赤肌に切りかかるのだが、また男が間に入って防ぐ。しかも、剣に触れられ切っ先が折れてしまい、すかさずの斧。
「ぐっ...!?」
その勢いで僕は吹っ飛ばされ後ろの巨人の大群へ。
「シャイニングブレード!」
と唱えて、数多の光の刃で胸を突き刺して倒しきるがあの斧で吹っ飛ばされてはキリがないし、あの接触破壊も邪魔である。
「アレス、あの技だ!」
そう思い、そう言い、僕は剣に魔力を込める。それを見て何をする気かわかったらしく
「そうはさせん!」
と男がこちらへ突っ込んできた。
「そっちがそうくるならっ...!」
それを見て僕は機転を利かす。
「はっ!」
とまずは飛び上がって、真下に剣を伸ばす。そうやってさらに高く飛び上がり、奴はその根本を砕く。
「しまっ...!」
しかも、その先には巨人。彼はヤツの足を消し、倒れるその巨体を能力で消さざるを得ない。
「アレス!」
僕はそう叫んで再び魔力を剣へ。やがて、貯まりきれば赤肌に向けて一気に解き放つ。伸びた刃は空を裂き、巨人のコアその真上を一気に吹っ飛ばした。そこには、
「こ、殺す...。」
と憎悪の目でこちらを見るエフィスト。彼はこちらに斧を投げる。
「ぐぁぁぁっっっ!」
技を放った反動で少し怯んだ瞬間を狙われたためまともに食らってしまう。僕は血をドクドク流したたまま地面に激突する。咄嗟に受け身の体勢を取ったから即死は免れたが、
「リドナー!ぐっ...!?」
「リドナー!くはぁっ...!」
とバーロン、テーラがこちらに気を取られて重い拳を食らってしまう。
迫り来る頭を再生済の赤肌と接触破壊。僕は
「スーパーヒール!スーパーヒール!スーパーヒール!」
と何度も答えて内蔵や皮膚の傷口を1つ1つ直していくが、このペースでは間に合わない。僕は折れた剣に「フィックス」を唱え、アレスに呼び掛け自動制御に切り替えた。
シャキィィィッッッ!シュキィィィッッッン!シュキキキキキ...!
すると、こんな音を立てて剣は宙を舞いまずは赤肌の両目を斬り、首元を削ぎ、両腕を落とし、足を切り込む。次に接触破壊の両手首も切り落とす。もうこれて男は能力は使えまいとは思ったのだが。
男は血の滴る両手先に、同じく血の滴る断面を翳して、
「ネルースウィースフォルセダー!」
と唱える。すると、この2つがエネルギーの糸で繋がった。しかもまるで鞭かのように振り回す。手首が地面に触れると黒くなって消えたことから接触破壊は顕在である。
「なっ...!?」
と僕は大きく目を見開き、にわかには信じがたく、また驚きは隠しきれなかった。
「この程度で私の接触破壊を封じ込めたと思うなよ。」
彼はそう言って右手の鞭をこちらへ。僕はギリギリで全ての回復を終え、力を回転に変えて
ギュルルルルル...!
と横回転し、第二撃の左手の鞭を体を反らしてかわす。
赤肌は投げた斧を拾い、接触破壊は両手を鞭とする。かなり厄介で強力、彼も自信たっぷりな様子。おそらく、接触破壊ああなってからが本番なのだろう。
さぁ、第二ラウンドの幕開けだ。