Episode101 奪還作戦の始まり
★今回初めて登場する怪物★
タイプⅧ
巨獣の星・ユミルにすむ巨大なカブト。背中にダイヤよりも固い殻を持ち、その中に羽を納めている。角で突き刺したり、羽で飛んで空から突進したりして攻撃する。その正体はスカサハ族と言う種族である。
タイプⅨ
巨獣の星・ユミルにすむ巨大なカブト。タイプⅧに同じく背中にダイヤよりも固い殻を持ち、その中に羽を納めている。鋏のような顎で挟んだり、羽で飛んで空から突進したりして攻撃する。その正体はアトロポス族と言う種族である。
「つい先程、バッファル島を囲んでいた結界の完全消滅を確認しました!」
シャインズ王国王室にて兵士が王様に報告を行う。すると、王は
「よし!各兵団を「ポート」でバッファルへ向かわせよ!その他の兵隊は諸島縦断鉄道にてアストラル諸島へと行き、増援とアルカディアを要請せよ!これより、バッファル奪還作戦を執り行う!」
と言う。兵士は
「はっ!」
とすぐさま王室を出、王に言われた通りを叫びつつ城を駆け回る。
「ポート!」
「ポート!」
「ポート!」
「ポート!」
「ポート!」
そして、"群青の聖戦団"に"紅玉の狙撃兵団"、"琥珀の騎士団"に"フルゴル魔導士団"に"シャインズ憲兵団"には転移魔法で一斉にバッファル島へと押し掛ける。と言っても、狙撃団だけは北東にある角笛の灯台に転移したのだが。無論、そこから狙撃するためである。
少し歩いていると、地上部隊の前に凶虫が現れる。ソイツらが部隊を次々と襲う。
「ギャァァァッッッ!」
「うわぁぁぁぁぁっっっっっ!」
「キャァァァッッッ!」
と断末魔が続く。それを見る指揮官は言う。
「落ち着け!落ち着いて見切...ぐふぅっ!?」
その途中で蠅が彼を吹っ飛ばす。
「ファイヤーボール!」
「ウォータージェット!」
「フォースストーム!」
「シャイニングブレード!」
「ダークサージ!」
魔導士団が炎弾だったり水の高速射出、風に光の刃や闇の波動。それらは凶虫たちを次々と倒すも、それより早いペースで戦士たちは倒れてゆく。
と、そこへ。
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ...
銃弾が雨のように降り注ぐ。それらを受けて、蟻も蜘蛛も蝦蛄も蝿も蝶も飛蝗も螳螂も倒れる、倒れる。おかげで、ほとんどが鎮圧された。
「この数なら行けるぞ!」
さっきとは別の指揮官が言う。聖戦団はその手の剣で切り刻み、騎士団は盾で防ぎつつ剣で突き刺す。魔導士団は
「クロスカリバー!」
「シャイニングスルー!」
「エレキスピア!」
と光属性の魔術で援護する。
そんなこんなで何とか凶虫たちを退けることに成功する。だが、その頃灯台ではとんでもないことが起こっていた。
「ギャァァァッッッ!」
断末魔の後の鈍い音。
「う、撃てぇっ!」
ズバババババ...
と銃は連射されるが全て弾いてまた鈍い音。灯台にはたくさんの巨大カブトと巨大クワガタがいた。おそらく凶虫である。
クワガタは角で突き刺し、クワガタは鋏で切る。あちらこちらに真っ二つの死体や胸に穴の空いた死体が転がり、灯台の外にまで血が滴っている。
「そこだぁぁぁっっっ!」
ズバババババ...!
仲間を突き刺した瞬間を狙って兵が腹に何発か銃弾をあてる。すると、奴は沈黙するのだがその死体がその兵を押し潰した。
それを見て指揮官は言う。
「そうか腹だ!腹を狙うんだ!」
ズバババババ...!
クワガタの動きを見切り、彼は腹に銃弾を食らわせる。
「らぁぁぁっっっ!」
ズバババババ...!
「くたばれぇぇぇっっっ!」
ズバババババ...!
「撃ち抜けぇっ!」
ズパン...!
指示に従って腹を狙う兵士。カブトとクワガタは次々と落ちていく。
それを見かねたか二種の凶虫は灯台から足を放つ。狙撃団は
「どうやら俺たちの力に怖じ気付いたようだぞっ!」
「臆病者どもめ!」
「俺たちは誰に負けないんだぁっ!」
と一斉に言い始める。
束の間。凶虫たちの背中から4枚の羽のようなものが現れた。
「なっ...。」
そして、突進する。
「ギャァァァッッッ!」
「うわぁぁぁっっっ...ぐっ!?」
「うわぁぁぁっっっ!」
「ぐふっ...!」
「ギャァッ...!」
角に突き刺される者多数、吹っ飛ばされて落下死する者たす、突進で頭を強打する者多数、鋏に挟まれる者多数、斬首される者多数。
そのせいで、一度はヤツらに一泡吹かせたものの、ものの十分で派遣された狙撃団の部隊は壊滅してしまった。