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Epsode99 結界解除(後編)

◆今回初めて登場する人物◆

リゼット(24)

硬派な短髪の銃使い。黄昏界の住人であり、クロスサイドに所属。かつて、シルバと同じ軍の分隊にも所属し、彼とは幼い頃からの付き合いである。実は腹筋が割れている。また若干、恐ろしい一面もあるようだ。

●今回初めて登場するアイテム●

フォースマグナム

リゼットの扱う銃。彼女の扱う銃は元々ハンドガンであったが、腕を鍛えたことでこの銃も扱えるようになった。魔力による補正も入りかなりの高威力と射速を誇るが、その分反動も大きい。

アンクリアードマーブル

バッファル島に結界を築くためにドュンケルが作り出した神の創造物。合計で3つある。淀んだ紫色をしており、形は球形。非常に硬く簡単には砕くことが出来ないが、1つずつ別で作ったためにその硬さには差がある。

 ギュィンッ!ギュゥッン!ギュォォォッッッン!

身体変化リモデラーにより背中に生やした翼で空を交いながら、上から次々と暗黒砲台ダークガンによる黒の光線を放つ。

「くっ...。」

シルバは近付くことも出来ず、ただ左に右にかわしてかわし、たまにソードビームを放つのみである。しかも、そのソードビームも黒い円盤を盾のように使われて防がれる。

 ギュギィィィッッッン!

それでも隙を見て飛び上がり上から斬りかかるのだが、腕を剣とし、黒光が刃を覆うで擬似的な魔剣を生成しシルバの魔剣は簡単に防がれる。

「フンッ!」

からの鳩尾へ拳を飛ばして壁に叩きつける。

「ぐぅっ...。」

シルバは苦悶の表情で地に落ちた。

 「フフフ...終わりだ、シルバ。最後は貴様の肉体ごと消してやる!」

敵はそう言って力を貯め始めた。

「くっ...。」

シルバの力を振り絞るが、意識が遠のいていく中のそれは拙いものである。

 ズゴンッ!ズゴンッ!ズゴンッ!

そこへ重厚な3つの銃声。マグナム持ちの女が短い金髪を若干たなびかせて敵を撃ち抜いたのであった。一発目と二発目は両翼、三発目は心臓。

「ぐふぅっ...!」

彼は先のシルバよりも苦しそうな表情を浮かべ、生成された黒の球体はあらぬ方向へと飛んで行き、壁に激突するとそこに風穴を作ってしまう。

 その隙にシルバは地面を這って魔剣を掴み、それを杖にして立ち上がり、それを便りにヤツの元へと寄り、

「ぐぁっ...」

と底力で放たれた光線を紙一重でかわし、最後は頸動脈へ剣を突き刺してトドメを差した。

 すると、融合は解除されて死体は2つとなった。ザグレスは即死であったが、トロントは死ぬ直前、肌から心臓を作り出して甦り何処かへと消えていってしまった。

 さて、シルバの視線はマグナム弾を放った金髪の女の方へ向く。

「久しぶりだな、リゼット。」

彼が言うと、リゼットとかいうその女は

「あぁ、久しぶり。」

と硬派な態度を見せる。

「確かお前はマグナム銃ではなく、ハンドガンを使っていたはずだが...?だって、マグナムなんて反動の大きいものは...。」

と言うと、彼女には

「そんなのも察せないのか。鍛えたんだよ、腕をね。」

と言われる。

「また鍛えたのか。となると、腹筋はさらに割れているのではないか?」

「鍛えたのは腕と言っただろう。それに腹筋が割れているとは言え、数は貴様と同じではないか。」

「女であるお前が男である私と同じ数腹筋が割れてるってのが異常なんだよ。腹筋の割れた女など...」

お嫁に行けんな、だとかを言うつもりだったが続けられなかった。

 「それ以上、私の腹筋について触れてみろ。ヤツと同じ目に合わせるぞ。」

とリゼットが睨み付けつつ、銃口をシルバへ向けたのである。

「冗談だよ、冗談。相変わらず恐ろしい女だ。」

「お前も相変わらず冗談の甚だしい男だ。」

彼女が言うと、2人は自分たちのやり取りに思わず吹き出してしまう。

 ここまで仲睦まじいのはリゼットが同じクロスサイドの軍に属した幼馴染みであり、竹馬の友であるからだ。

 そして、シルバは目を瞑り

「レーダルアルカ!」

と唱えて「無神論(Ⅰ)」をタロットを探し当てる。場所は奥の壁の中。彼は剣を叩きつけて

「はぁぁぁっっっ!」

と叫んで、そこを砕く。すると、そのカードは現れた。

「やぁっ!」

すぐさま穿つ。その刹那、力が戻るような感覚を覚える。


 それから、再び霊源へ。シルバはそこに手を触れ、複雑な回路を掻き分け掻き分けついにその中心を見てける。彼はそこに意識を向けて、

「ディスペーレ!」

と言って細工を崩壊させる。

 と、地面から淀だ色の球体が現れた。

「もしかして、それを探していたのか?」

リゼットが言うと、シルバは

「あぁ。これを破壊しようと思ってな。はぁぁぁっっっ!」

と思いっきり剣を打つ。だが、傷一つ入らずに弾かれた。

「くっ、やはりそう上手くは行かんか...。」

 その様を見て、石にマグナムを向け

「待て、私が壊す。」

ズゴンッ!ズゴンッ!ズゴンッ!ズゴンッ...!

と同じ場所へ正確に10発ほど銃を撃つ。だが、全て弾かれた。

「ならば...!デストルクティオ!」

続いて、シルバは崩壊の魔術。だが、あの扉のように上手くはいかない。

 その後も魔剣を叩きつけたり、ゼロ距離からマグナムを撃ったり、はたまた

「ヌクレアル!」

とライジンの所の石を破壊するのに使って成功したのを試すも未だに傷一つなし。

 「だったら...これを使うしかないか...。」

それを見てシルバは手元に黒い球を作り出す。ザグレスを殺したことで、暗黒砲台ダークガンを継承したのある。これで、クロスサイドの保有する能力は6となる。

 と、そんなこんなでシルバは石へ黒の光線を十数放つ。すると、やっとのことで

ピキッ!ピキピキピキ...

と亀裂が走った。

 リゼットはそれを見てすぐにマグナムを放つ。

ズゴンッ!ズゴンッ!ズゴンッ!

重厚な音が響いたかと思うと先程まで嘘であるかのように、あっさり砕け散った。

 残りの結界石はツチガミ像の地下に眠るもののみである。

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