皆で一緒に動物園!
夏希の提案により、残り半分となった夏休みを満喫するべく、私達は動物園に向かっていた。そしてーー
「ん~……着いたー!」
車から降りるなり、両手を広げる夏希。テンション高ぇ……さっきまで寝てたのが嘘みたいだ。
「よし! ゴリラ見ようぜゴリラ!」
優斗は何故かずっとゴリラではしゃいでいた。お前はゴリラになんのシンパシーを感じてるんだよ。
「私ゾウに乗りたいですわ!」
「日和……動物園はそういう所じゃないよ……」
晶也は呆れながらそう言うと、ひよりんは驚いていた。なんでも、全ての動物と触れ合えると思っていたとか。
「私はカピバラ見たい!」
あのつぶらな瞳が可愛いんだよなぁ。
「ふあぁ……ねみぃ……」
遼は頭を掻きながらいつも通り眠そうだ。
皆で色んな所を回る。
優斗がゴリラの檻の所で何故か威嚇され続けたり。
ゾウの檻で、ひよりんが餌やりをしていたら、ゾウがひよりんを捕まえて背中に乗せたり。
カピバラと触れ合える所に居ると、私の周りに大量にカピバラが寄ってきたり。
散歩中の猿が、遼の頭の上に乗って、遼共々ボケーッとしたり。
晶也がアルパカに唾を吐かれて、洗面所で顔が赤くなるまで洗い続けたり。
はしゃいで走り回っていた優斗と夏希が迷子になって、迷子センターに行ったり。
そんなこんなで、お昼になりました。
大きな広場では、家族連れやカップル、友達同士等など、沢山のお客さんで賑わっていた。
「腹減った~……」
「あおい~……めし~……」
「もうクタクタだよ~…」
はしゃいでいた優斗と夏希は分かる。遼……お前は朝からずっと言ってるじゃん……。
「はいはい。ほら、今日は張り切って作ったから、いつも以上に味わって食べること!」
私とひよりんが、今朝作った弁当を出す。弁当と言うより、重箱なんだけどさ。
「うまそー! いただきまーす!」
「おー、いつも以上に手が込んでるな。いただきまー」
早速、食べ始める優斗と遼。さっき味わって食えって言ったのに、既にガッツいてる。
「私もお手伝いしましたのよ!」
そう言って胸を張るひよりん。
「へぇ……どれを作ったんだい?」
晶也が興味津々でひよりんに聞いている。
「こ、これですわ」
ひよりんが指さしたのは卵焼き。ひよりん、腕は悪くないんだけど、普段作らないからか卵焼きを作っただけでギブアップしたのだ。まぁ、料理って案外疲れるしね。晶也の為に! って凄く頑張ってた。
「美味しそうじゃないか! いただきます」
そう言って卵焼きを食べる。
「美味しい!」
「あ、当たり前ですわ! その……隠し味に……愛情を入れましたし……」
後半はボソボソと何を言っているのか聞こえなかったが、顔を真っ赤にして俯いている。
「葵、葵。あ~ん……」
夏希に方をつつかれ、何事かと思うと、口を開けて待っていた。
「何してんの?」
「いや~、最近葵成分が不足してるから補充して貰おうと思って。だから、あ~ん……」
葵成分ってなんだよ……。そんな事を思いながら、仕方なく夏希の口にタコさんウインナーを入れてやる。
「美味しいー! 葵の愛があたしの中に入ってくるよぉ……」
何言ってんだコイツ……。
そんなこんなで、お昼を食べ終わり休憩中。
ポカポカ陽気な事もあり、だんだんと眠くなってきた。
「ふみぁ……眠い……」
あ~……ダメだ。ちょっとだけ寝よ……。
~遼side~
コイツ、実はわざとやってたりしないよな?
「すぅ……すぅ……」
葵は眠くなったのか、俺の肩に寄りかかって寝てしまった。
(はぁ……俺の気も知らないで、気持ち良さそうに寝やがって)
つんつんと、頬をつつくと擽ったいのか、少しだけ身をよじる。可愛過ぎるだろ……。
(あー……好きだなぁ…………)




