朗報だよ、葵ちゃん!
ある日、お昼ご飯を食べて自室でゆっくりしていた時、晶也からメッセージが届いた。
『葵ちゃん! 朗報だよ!』
何事かと思い、記憶を辿るが特に覚えはない。
「何が朗報? っと」
そうメッセージを送ると直ぐに返信が届く。
『やっと縁談が無くなったんだ! これで、心置き無く日和と一緒になれるんだよ! それに、葵ちゃんや遼君にも迷惑は掛けなくて済むようになる』
どうやら本当にもう少しだったようだ。思いの外早くて正直驚いている。私は、お祝いの言葉を直接伝えたかったから、晶也に電話をかける。
「もしもし? 晶也! おめでとう!」
『ありがとう葵ちゃん! 長かったけど、耐えたかいがあったよ。それと、ホントにごめんね?』
「だーかーらー! その話はこの間許しただろ? ウジウジ気にすんな! 男なら胸を張れ!」
『あっはは! まさか葵ちゃんにそんな事を言われるとはね。見た目は可愛いお嬢さんなのに』
「こ、このやろ! 誰が可愛いお嬢さん、だ!」
『あははっ! ごめんごめん!』
『誰と話してるんですの?』
「その声はひよりん?」
『あおちゃん! 私達やりましたわよ!』
「うん、おめでとう! 末永くお幸せにね」
『うう……改めてそう言われると照れますわね……』
『ごめん葵ちゃん! そろそろ僕達行かないと! 両親への報告があるからね。それじゃ!』
「おう! 気張ってこい!」
そう言って電話は切れた。
「そっかぁ……やっと成し遂げたんだなぁ……」
なんだかこっちまで嬉しくなってくる。
「末永くお幸せにね……か。いつかそんな事を私も言われる日が来るんだろうか……」
ふと、頭の中に遼が浮かぶ。
「って! なんで遼が浮かんでくるんだよ! べ、別に、遼はただの友達だし……好きとか……そんなのじゃ……」
ブツブツと独り言を呟いていると、急に電話が鳴り出す。
「うひゃうっ!? 電話か…………って遼!?」
音にビックリして、スマホの画面を見て更に驚く。
『もしもし? あのさーー』
「な、ななな、何!?」
『おー? 何慌ててんだ?』
「べべべ、別に慌ててねーし!?」
『まー、いいや。明日さ、新しく駅前に開店したケーキ屋があるんだけどさ! 一緒に行こうぜ!』
あ、今絶対目をキラキラさせてるんだろうな。
「ケーキ屋? 別に良いけど? 皆はもう誘ったの?」
『あー、いや、その事なんだけど……。実はカップル割引なるものがあってな? それは男女2人じゃないとダメなんだよ。団体はダメらしくて……その』
か、カップル!? り、遼と私が!?
「そ、そうなんだ! べ、別にフリだけすればいいんだろ!? なら……その……良いよ?」
『そ、そうか。じゃあ、明日朝10時頃に駅前で』
「う、うん。分かった」
電話を切って、私はボーッと天井を見る。
「こ、これって……でーと?」
枕に顔を埋めてジタバタする。
「違う違う! ただ! 一緒に! ケーキ屋に! 行くだけ! それだけだから!」
あーもー! なんでこんなに楽しみで、心臓がバクバクいってるんだよぉ!!!




