気になるアイツ
さてさて、前回ひよりんを事後に処した訳ですがwww
自分に絵心があれば書いていたんですけどねぇ……
文才もそうだけど、絵心も欲しい(切実)
「葵~暇だから遊びに来たぞ~」
「みょっーす!」
朝起きて、お兄ちゃんの朝ご飯を作って、洗濯して、掃除をして、家の家事を一通り済ませた所に遼と優斗が遊びに来た。ちなみに、急に来たのだ。
「来るなら連絡ぐらいしろよな」
私は、いつも通り部屋で寛いでる2人にお茶を持っていく。
「悪い悪い! 暇すぎて死にそうだったからつい」
「おー、サンキュー」
テヘッと舌を出して頭を下げる小突く優斗。お前がやると殺意しか湧かないんだが?
遼はお茶を1口飲んで、その場に寝転がる。くそぉ……この間ひよりんに、「遼君の事好きなんでしょ?」みたいな事言われたから、変に意識しちゃうな……。
各々が好きな事をして寛いでる。時たま、コップの中の氷が溶けてカランッと音を立てる。窓には夏らしく風鈴も付けてあるから、風が吹く度にその涼し気な音を奏でる。
(うわー! なんだよ! いつもならこんな沈黙気にした事ないのに! ひよりんのせいだー!)
変に意識してしまって、正直漫画の内容が入ってこない。1人心の中で葛藤していると、ふと遼が私を見ている事に気づく。
「な、なんだよ? 私の顔に何かついてるのか?」
そんな在り来りな言葉を発するのが精一杯な私に、遼は何も言わずに近づいてくる。その距離、僅か数センチ。
数センチまで近づいた遼は、私の前髪へと手を伸ばし何かを見せてくる。
「あー、やっぱ糸くずだ。ほれ、付いてたぞ」
「あ、ありがと……」
マトモに遼を見ることが出来ずに目を逸らしてしまう。
(なんなんだよー! お前もしかしてワザとやってる!?)
顔が熱くなる。鼓動もいつもより早くなる。
「……………………………………」
遼は何故か離れずに、じっと私を見ている。そして、私のおでこに手を当ててーー
「んー? 熱は無いみたいだな。顔が赤いけど大丈夫か?」
「だ、だだだ、大丈夫! ちょっと暑いだけだから!」
必死に言い訳を言うが、内心それどころではない。さっきよりも鼓動は早くなり、耳まで熱く感じる。
~遼side~
俺は今何をやっているんだ?
「んー? 熱は無いみたいだな。顔が赤いけど大丈夫か?」
なんで、こんな事してるんだ?
「だ、だだだ、大丈夫! ちょっと暑いだけだから!」
葵が耳まで真っ赤にして慌てている。
最近、変だ。いや、最近というよりもっと前から……。そう、葵が女になってから……俺は……。
~葵side~
「ぐごー……ぐごー……待て夏希! 話せば分かる! だからそれを食べるのはー!!! ……ぐごー……ぐごー……」
いつの間にか優斗は寝ていた。それにしても凄い寝言だ。ワンシーンだけなのに、どんな夢なのかが手に取る様に分かる。なんでこいつは夢の中でまで夏希の料理食わされてるんだ……。
そんなことより、遼を変に意識し過ぎて上手く会話が出来ない。さっきから、一言の返事での会話になっているから妙に気まずくなる。
(それもこれも、全部ひよりんが……って、もういいや……。今更ひよりんのせいにしても、この現状が打破されることはないし……)
「葵ー」
急に遼に名前を呼ばれてビクッと肩が跳ねる。
「ど、どうした?」
「腹減った」
その一言で、私は冷静さを取り戻せた。さっきまで意識してたのが馬鹿らしく思える。
(遼はいつも通りだな。変に意識し過ぎか……)
「はいはい、じゃあ優斗を起こして何か食べに行くか」
そう言って出掛ける準備をしようとするとーー
「やだ。葵の飯が食いたい。葵が作るって言うまで俺はここから動かないし、空腹も我慢する」
そんな駄々っ子みたいな事を言い出す。前言撤回、やっぱ意識しちゃうわ。
「ほら、出来たぞ」
そう言って机の上にお皿を並べる。
今日のお昼は、鯖とブロッコリーのパスタ、トマトのコンソメスープだ。まぁ、全部余ってた食材で作ったわけだ。
「おぉ! 美味そう! いっただきまーす!」
早速優斗が料理に手をつける。そして口いっぱいに頬張る。美味そうに食うなコイツは。
「うめー! やっぱ葵は料理の天才だな!」
「褒めても何も出ないぞ~」
「うめぇ……これは外で食うよりも何倍も美味い」
遼は遼で、私の料理とお店の料理を比べて、私に軍配が上がったようだ。
「流石にお店には負けるだろ」
「そんな事ねぇよ! むしろ店を出せるぐらいだ……」
そう言って無心で食べ始める。なんだよ……嬉しい事言ってくれるじゃん。
「慌てなくても、おかわりは有るからゆっくり食べろよな。てか、味わって食え!」
そんなこんなで、結局おかわり分も食べた2人は満足そうだ。
「あー、食った食った! ご馳走様でした!」
「ごちそうさまー」
「はい、お粗末さまでした」
作った料理を美味しいって言ってもらえるうえに、完食して貰えるとスゲー嬉しいんだよな。作ったかいがあるってもんだ。
「ほら、食器洗っちゃうから持って来て」
私がそう言うと素直に食器を持ってキッチンに来る2人。素直で、少しだけ2人の事を可愛いと思ってしまった。これって、母性本能ってやつ?
お昼を食べた後は休憩がてら3人でテレビを見る。
「あれ? この芸人まだ居たんだ」
「その言い方は流石に可哀想だろ……」
「美味そう……」
料理番組を見ながらそんな取り留めのない会話をする。遼……お前はまだ食えるのか……。
なんでもない日常。それが少しづつ変わり始めている事に、葵はまだ気付いていない。
葵ママ……(((ボソ




