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TSしたから全力で満喫しようと思う  作者: 犬たろう
第4章~バイトを始めたり、そろそろ夏だったり、てことはテストがあったり………~
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動き出す5人

「なあ? いくらなんでもおかしくね?」

 いつもの屋上で昼飯を食べている時に優斗がそんな事を言い出す。

「やっぱり……おかしいよね」

 夏希もそれに便乗して俯かせていた顔を上げる。

「確かに、風邪にしては長引きすぎだね」

 晶也も弁当を片付け話に入る。

「あおちゃん、何かあったのかな……」

 日和はなかなか箸が進まず、とうとう弁当に蓋をしてしまった。

「色々聴き込んでみるかー。ま、ただの風邪なら問題ないし。……けど、なんかありそうだよなー」

 パンを口の中に放り込んだ遼が立ち上がる。







「う~ん……何人か葵を見たって人は居るんだけど、場所がバラバラだね」

 皆で聞いて回った内容をスマホにメモしていた夏希が唸る。

「でもさ、どうやら先生に頼まれごとしてたのは確からしいな」

 優斗がメモを眺めながらそう言う。

「じゃあ、先生に聞いてみようか」

 夏希はスマホを仕舞いながら歩き出す。






 運良く葵に頼み事をした近藤先生を発見し話を聞いてみる。

「ん? 月野瀬? ああ、確かに書類を運んでくれって頼んだが?」

「どこに運んで貰ったんですの?」

「えっと……確か、特別棟の3階、元コンピュータ室で今は物置になってる所だな」






「ここかー、スゲー人気ないなー」

 周りを見渡しながら遼が呟く。

「この当たりで何かないか探してみよう」

 晶也が取り仕切り、各人散らばっていく。





「とは言ったものの……何を探せばいいかわかんねーよなー……っと?」

 突き当たりの教室から声が聞こえた。

「うん? こんな所に人?」

 そーっと教室を覗き込む優斗。



「だっはははははは! マジで傑作だわ! アイツ、学校来てねーんだと!」

「うっわー、単位とか大丈夫なのかなー? ぷぷっ」

「あは、あはははははは! ざまあみろ!」


 3人の女が何やら爆笑している。

「なんだ?」

 少し気になって皆にメッセージを入れる。





「どうしたの優斗?」

 声をかけられ後ろを見ると夏希達が集まっていた。

「ああ、夏希か。いやさ、アイツら葵の事で何か言ってるんだよ」

 音を立てないように聞き耳を立てるとーー


「月野瀬のあの顔! 泣きすぎて自慢の可愛い顔がぐちゃぐちゃ! こんなの笑うしかないよね!」

 狐目の女が腹を抱えて床を転げ回っている。


「あいつら……絶対葵に何かしたよね?」

 怒りに震える夏希が今にも飛び出して行きそうだ。

「まぁ、待て! 葵に何をしたか分からないだろ?」

 優斗の言うことはもっともだ。何をしたか分からないのに、責めてもとぼけるに決まってる。

「ごめん、僕は無理だ」


 ガラッ

 晶也が勢いよくドアを開けて中に入っていく。

「あのバカ~!」

 日和が怒りながらも晶也に続いて教室へ入っていく。


「君たち! 葵ちゃんに何をした?」

 3人の女の前に仁王立ちする晶也。その後に他も続く。

「あ? って……鬼龍院君!?」

 狐目の女が晶也に気づき慌てて女の子らしく座り直す。

「ん? 君達は確か……エミ君、ヨウコ君、ナオミ君だったかな」

「え? なに? 知り合い?」

 遼が隣から晶也に聞く。

「いや、この大学の全員の名前と顔を覚えているだけで、別段知り合いでもない」

 サラッと凄いことを言う晶也に、日和と夏希はドン引きだ。


「えっと、鬼龍院君……その、アタシに何か用かな?」

 モジモジと顔を赤らめながら狐目のナオミが晶也を見る。

「月野瀬 葵の事で君達に聞きたいことがある」

 そんなナオミを諸共せず晶也は淡々と質問をする。

「え、えーっと、なんの事か分からないな~」

 ナオミは目線を泳がせはぐらかす。

「そんな筈ありませんわ! さっき教室の外で聞いていたら、あおちゃんの泣いた顔がどうと言ってましたわよ!」

 日和が我慢ならんとでも言いたげに床をダンッと足で踏む。

「え、えっと……」

 どうやら日和の言葉が聞いたのかタジタジになるナオミ。

「ちょっとさー、立ち聞きとかどーなのー?」

 ギャル風のヨウコがイライラしながらナオミの隣にくる。

「ねぇ!? もういいじゃん!? コイツらも同じようにしてやれば黙るよね!? そうだよね!?」

 おっとりした雰囲気のエミが半ば発狂気味に懐からカッターを取り出す。


「コイツっ!」

 身の危険を感じた優斗は夏希と日和を後ろに下げる。

「おー、なかなか手荒いねー」

 パキパキと指を鳴らす遼。お怒りモードだ。

「で、そのカッターで葵ちゃんに何をしたのかな?」

 ドスの効いた声で晶也が女3人に近づいていく。

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