間話~優斗の憂鬱~
前話のちょっとした続きです。
今回は優斗の視点です。
~優斗side~
「大丈夫か葵!?とうとうおかしくなったか!?」
俺は急いで葵の部屋のドアを開けた。
「うぅ……………!」
「ぷっ………ぷぷっ………」
目の前には顔を真っ赤にしながら床を転がる葵の姿と笑いを堪えるのに必死な夏希の姿があった。
「いや~傑作傑作!さっきの優斗のマヌケな顔!ぷっ………思い出すだけでも……ぷぷっ………笑いが…………」
「うーあー……」
未だに顔を真っ赤にした葵と、ある意味顔を赤くさせた夏希が座っている。
「もう分かったっての!んで?なんであんな電話掛けてきたんだよ?」
時間は遡る事10分前…。
「おにーちゃーん!葵さんから電話ー!」
妹の皐月が、俺のケータイを持って来た。
「おー、サンキュー。もしもし?」
「ゆ、優斗?あ…あのね?今から…その…会えないかな?その……優斗の顔が…見たくなって…………ダメ?」
とうとう葵がおかしくなったと思った俺は急いで葵の家に向かった。
~現在~
「あぅ…その…夏希と女の子の喋り方を練習してて……それで試しに優斗に電話を掛けてみたら?って夏希が言うから……」
葵は真っ赤な顔を更に赤くさせ俯いた。
「はぁ…そーゆー事か…。俺はてっきり葵がおかしくなったと思ったよ…」
急いで来た苦労と俺の心配を返してくれ…。
「で!どうだった?葵の迫真の演技は!」
夏希が身を乗り出し目をキラキラさせて聞いてくる。こいつは昔から変なスイッチが入るとめんどくさいんだよな…。
「あー、俺に掛けたのは失敗だろ。事情知ってるし、だけどまぁ…俺以外の男ならイチコロだな」
電話越しでも照れてるのが分かるぐらいの声であんな事言われたら、間違いなく落ちる。
「なーんだー、つまんないのー」
唇を尖らせて元の位置に戻る夏希。
「うぅ…ごめんね…優斗…」
「気にしてないからいいって!」
葵も、葵で早く立ち直ってくれ。いつまで顔赤くしてるんだよ…。
「それにしても…すげー女っぽい喋り方になったな~」
「ほ、ホントか!?」
葵の顔がパァっと明るくなり嬉しそうにする。
「いや~すげー練習したんだよ!まぁ、でも割と簡単だったな!男と女の喋り方がごちゃまぜになってるから、ちょっと意識すれば喋れるんだよ!」
葵が得意気に話してるけど、男口調に戻ってるぞ…。普段の葵になってるぞ。
「葵!戻ってる!戻ってる!」
夏希がハッとして葵の肩を叩く。これは…まだまだ時間がかかりそうだな…。
夏希は意外とイタズラ好きです。
葵は可愛いです。
優斗はバカだけどそれなりにしっかり者です。




