変わらないもの 前編
若干シリアス?なのかな?
勢いで書いたので、皆さんも勢いで着いてきてくださいw
「おい!葵は見つかったか!?」
「ダメ…どこにもいない…」
「くそっ…葵…どこいっちまったんだよ…」
~3時間前~
「んでさー親父、俺の体どうなってんの?」
俺は最近身の回りで起きている違和感について親父達に調べてもらっていた。
「体には異常はないんだがなぁ…」
だけど、親父もどうやらお手上げのようだ。さっきからずっとこの調子でうんうんと唸っている。
「もしかしたら、精神的なものなんじゃない?」
母さんが俺のカルテを見ながら言う。精神的なもの…ねぇ?
「1度調べてみるか………もしもし?あー俺だ。ちょっと見てもらいたい患者がいるんだ」
「よく来たね。葵…ちゃん?」
目の前には白衣を来たメガネの30歳ぐらいの男がいる。
「あ、どっちでもいいですよ」
「そうか、初めまして。僕の名前は土井。精神科医だよ」
親父にこの土井先生を紹介して貰ったのだ。ここで、色々検査するらしい。
「それじゃ、さっそく始めようか」
「お疲れ様。気分はどうだい?」
土井先生が柔らかく微笑む。
「大丈夫です。なんともないです」
「そうか、今から検査の結果を言うが…心の準備は大丈夫かい?」
ん?心の準備って…なんか俺ヤバイのか?
「大丈夫です」
「わかった。それじゃあ…単刀直入に結果を言おう。君の心は女性のそれになりかけている」
は?ん?どゆこと?バカでも分かるように説明してくれませんかね?
「つまり、君の体が男性から女性になった時に置いてかれてしまった心が時間を掛けて、男性から女性にシフトしている。ということさ」
ごめんなさい、言ってる意味がよく分からないんですけど?心が?変化してる?そんな馬鹿げたことがあるってのか?
「そんなこと…有り得るんですか?だって、心って形も何もないじゃないですか!」
「そうだね…でも検査結果はそう言っている」
「心が変わったら…どうなるんですか?」
怖かったが聞かなければいけない事だと思った。
「簡単に言えば、性の対象の変化。感情の起伏の変化。思考及び行動の変化。と、いったところかな」
それって…つまり。
「俺が…俺じゃなくなるって…事か……?」
「いや、そうじゃない。君の性格なんかは変わらないよ。ただ心が変わるんだ」
いや…でも…考えも行動も変わるなら…それは…俺じゃないんじゃ……。
「……………けん………な…………………」
「ん?何か言ったかい?」
「ふざっけんなっ!性格は変わらないっ!?だからなんだってんだよ!考え方も行動も、感情も変わっちまうなら…それは俺じゃねぇだろ!?男だった俺じゃねぇだろ!?」
ふざけんな…俺が俺じゃなくなったら…ここにいるのは誰なんだよ!
「いや、だから君という人は変わらないんだよ」
「わかんねーよ!何が違うのかわかんねーよ!」
俺は先生に怒鳴りつけて部屋から飛び出した。




