2/29
パンを焼く深夜
一人、悩む深夜です。
猫の背を撫でながら
どうやったら羞恥心を捨てられるか
悩む深夜に
品の無い音楽を聞いている
明日も私の愛を信じて疑わないこの子は
私がどんなに拙い小心者かを知らない
エンドレスする即物的なラブソング
一般常識と私的常識
つりあいなんて取れない
天秤にかけたらどちらかに傾くのが定めの理
被害妄想で勝手に暴走して受け取った悪意に
悲鳴を上げた
こんなことで、いちいち傷つきたく無い…!!
甘ったれた柔らかい心を悩みながらこねる
投げ出したいけど一心同体
寝返りを打つ猫
この子と一緒で愛を疑わない自分
悩んでいる割りに傍若無人
小心者なくせに
猫と一緒に丸まる心
自問自答に迫る日付の境界線
いつもは何でも無いミントティーが今は少し甘い
何のオチも無いけど
終わり良ければ全て良しな人生にしたい
明日もきっと似たり寄ったりのことを考えているんだろう
猫と一緒に柔らかい何かをこねる夜
焼き上がる朝には
何もかもが美味しい焼き色に染まっていればいいのに
平凡でもちゃんと生きるって難しい
「パンを焼く深夜」
因みに本当のパン作りは、なかなか成功したことがありません。