だって大好きだから。
小ネタ。ライオス&イロスと双子とケイロン。
テバイ王宮名物、シーリン家5兄弟。だがしかし、一番名物的存在なのは、やはり次兄ライオスではなかろうか。
テセウス:何か騒々しいな。
メディア:あの怒声はイロスでは?
ケイロン:俺もそんな気がする・・・・・。
とりあえず近づいてみる、ある意味名物トリオ。そこにいたのは、案の定長兄イロスと次兄ライオス。
イロス:お前は!何で、そういうことばかり・・ッ!
ライオス:別に、死ぬわけで無し。
イロス:死なれてたまるか!!!!(怒)
ライオス:ほら、骨も繋がってるから、平気。
イロス:ぎりぎり繋がってるだけだろうが!!!!(怒)
見ればライオスの足下に血溜まり。右腕の二の腕辺りがザックリと切れて、骨が覗いている。ぼたぼたと血が落ち続けている。一応止血しているらしい布が赤く染まっている。
テセウス:・・・いったい、何があったんだ?
イロス:我が君?!
メディア:また派手にやったようですね、ライオス?
ライオス:派手というか、まぁ、それなりに深い傷だとは思いますが。
ケイロン:深くて当然です。とにかく傷口を見せて下さい。回復しますから。
テセウス:で、何があったんだ?
ライオス:どうって事ありません。あの鎧が、倒れてきただけです。
イロス:その鎧の持っていた槍で、ライオスが腕を切ったんです。
ライオス:まぁ、そういうところですか。
メディア:ドジですねぇ~・・・。(呆れ)
コロコロと笑いながら言うメディアに、そうじゃないだろうと突っ込むテセウス。とりあえず応急処置は終了して、何とか腕の傷も塞がる。とりあえず状況報告と呟いて去っていく双子。何となく、二人の兄をちらりと見てしまうケイロン。
イロス:・・・・・・・馬鹿者。
ライオス:あのまま直撃してたら、兄貴死んでただろうが。
イロス:私をそこまで鈍いと思うな。これでも武芸は嗜んでいる。
ライオス:仕方ないだろ?勝手に身体が動いたんだから。
イロス:だからって・・・・・ッ!!!!
怒り沸騰のまま、言葉にならないまま、立ち去るイロス。ちらりとライオスを見下ろすケイロン。悪戯少年のように笑うライオス。
ライオス:怪我されるよりは、よっぽどマシだし。
ケイロン:本当に、ライオス兄上はイロス兄上のこと好きですよねぇ・・・。
ライオス:そう。兄貴だけが解ってくれないんだよなぁ・・・・。
ケイロン:解ってても、何も嬉しくないと思いますけど。
やれやれと肩を竦めるケイロンと、笑うライオス。ある意味途方もなく解りやすい性格をした男、ライオス。だがしかし、多分非常に傍迷惑。
ほら、好きだから。ライオス兄上、イロス兄上好きだから。
怪我されるぐらいなら、自分が怪我する方がマシだって言うヒト。
でもまぁ、だからこそ喧嘩勃発するんでしょうが。
結局ここの兄弟も、仲が良いだけですな。