表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地上の楽園番外編  作者: 港瀬つかさ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/36

親衛隊長と王子様その5。

小ネタ。パリスとヘルメス。


 その無意識さに救われている事を、君は知らない。



パリス:ヘルメスー。

ヘルメス:はい?

パリス:屈んで、屈んで。

ヘルメス:・・・・何ですか?(周囲にヒトがいるので一応敬語)

パリス:えーい!(わしゃわしゃとヘルメスの髪を混ぜる。)

ヘルメス:う、わ、ちょっ?!!!


 混ぜ回されて、ぐちゃぐちゃになる髪。思わず、その場にへたり込む。何がしたいんだこの子供はと言いたげな、ヘルメス。対してニコニコ笑っているパリス。


ヘルメス:何が、したいんですか・・・・。

パリス:きれい。

ヘルメス:は?

パリス:ヘルメスの髪は、すっごくきれいだから。だから、さわってみたかった。

ヘルメス:・・・・・それは、どうも・・・。


 にこっと笑う幼い第3王子。白銀の髪も蒼の双眸も持たない子供。金の髪も翡翠の双眸も持たない彼と、同じように。まるで異端である事の証のような色彩を宿して生まれた、子供。


ヘルメス:・・・・・俺の髪は、好きですか?

パリス:うん、好きーvきれいだもん。

ヘルメス:そう、ですか・・・・。

パリス:だめ?

ヘルメス:いいえ。光栄ですよ、パリス王子。


 パリスをひょいっと抱きかかえて歩き出すヘルメス。楽しそうにヘルメスの髪を掴んで遊ぶパリス。多少痛みを感じながら、ヘルメスは微笑んでいる。無邪気な子供の言葉が、ひどく嬉しかった。


ヘルメス:という、非常に可愛い時期もあったのですが。

パリス:・・・・俺は今、猛烈にお前の脳味噌をかち割りたくなった。

ヘルメス:お断りです。

パリス:だったら、せめて俺の目の前でそういう話をするなーーーっ!!!!

ヘルメス:本人の前でやらないと意味がないだろうが。

パリス:確信犯か、この性悪ーーーっ!!!


 ぎゃーぎゃーと叫ぶパリス。楽しそうに笑っているヘルメス。そんな二人を眺めて、アドニスはアレスを見る。その顔に浮かぶのは、楽しそうな笑顔だった。


アドニス:あの二人、本当に仲良いよな。

アレス:えぇ。本当に。

アドニス:言うと否定しそうだけどな。パリスが。

アレス:意地っ張りな方ですからね、王子は。

アドニス:だな。



 幼かった子供の笑顔に救われたのは、本当の事。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ