親衛隊長と王子様その1。
小ネタ。パリスとヘルメス。
ある日の昼下がり、突然罵声が王宮中に響き渡った。
パリス:てめぇいっぺん殺してやるーーーっ!!!!(ぶちギレ)
ヘルメス:殺すのに一度も二度もないと思うが。(平然と)
パリス:淡々と切り返すなーーーっ!!!!
ヘルメス:・・・・・・どうしろと。
自室で叫ぶパリスと、肩を竦めるヘルメス。
指を突きつけて怒鳴る第3王子を相手に、親衛隊長は平然としている。
今更である。限りなく今更だ。
だいたい、年齢差がありすぎるのだから、相手にするのはおかしい。
ちなみに、ヘルメスは200歳を超えているし、パリスは24歳だ。
パリス:だいたいお前は、俺に対して遠慮が無さすぎる!!
ヘルメス:俺は基本的に誰にも遠慮などしないが。
パリス:口調からして間違ってるだろうが!ついでにお前手が出るの早すぎる!!
ヘルメス:市井の言葉遣いで罵声ばかり浴びせる、手を出さないと止まらないのは誰だか。
パリス:俺が悪いんじゃねぇぇぇっ!!!
いつもの遣り取りを危機ながら、隣室で青年二人が肩を竦めた。
第1王太子と、その護衛となっている親友である。
限りなくのんびりとした口調なのが、パリスに知られていなくて良かっただろう。
イアソン:毎日毎日、良く飽きないな。
アドニス:仲が良いからだろう?
イアソン:その割に、本気で殺気を感じるが。
アドニス:最後の最後で武器を止めるから、意味がないと思う。
イアソン:なるほど。
妙に感心した風に呟くイアソンと、笑顔のアドニス。
隣室の殺気ばしった世界と裏腹に、のんびりだった。
とりあえず、コレもいつもの彼等の姿。




