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第一章
ずっと道は続いていた。
その道は、時に分かれ、時に上り、時に下りになった。
僕はその道を進んでいった。
見えるか見えないか、そんな果ての彼方に人の姿が見えたりした。
僕が迷いそうになると、ある人がヒントを与えてくれた。
ある時、ある人のヒントを元に方位磁針を作った。
迷った時、方位磁針の指す方向へと進めば、また、その道に戻れた。
少し、お遊びをしようと思った。
今まで、進んできたその道を戻ってみた。
でも、ある人は何も言わなかった。
怖くなった。
だからまた、前と同じ様にした。
時々、同じ道を進む人に出会った。
毎回、その人達は僕を追い越す時少し困った顔で、こう言った。
「ごめんなさい」
だけど、僕は何も言わなかった。
ただ、少し笑みを浮かべたりした。