Q1 主人公は誰?
「あなた、クイズ王にならない?」
は?意味が分からん。いきなりそんなこと言われても。つかこいつなんだよ、なれなれしく話しかけやがって
「お前誰?」
「問題です!ちゃーらん!!私は誰でしょう?」
なにこのいきなりのクイズ。こいつコミュ障なのか?
「知るかボケ」
「…ぶっぶー!!私の名前は『知るかボケ』ではありませーん」
うぜえ。ただひたすらうぜえ。
「初対面だってのに名前知ってる訳ないでしょうが」
「ッチクタクチクタク…、残り10秒です」
「はいはい降参です、わかりません。答えを教えてください」
「…チーン、はい時間切れー。最後まであきらめちゃダメでしょうが!何か言ったら当たるのかもしれないのよ!?何もわからなくても何か答えは言う、これクイズの常識でしょうがっ!!」
なんか怒られた。理不尽だ。クイズの常識ってなんだよ、つかお前本当になんなんだよ。一般常識欠けすぎだろ、初対面からいったいなんだってんだよ…
「しょうがないなー。じゃあ正解言うね。私の名前はp」
「嘘つくな」
「…ふぇ!?」
「今お前嘘つこうとしただろ」
「…な、なんで分かるのよ!私まだ何にも言ってないじゃない!」
「だって今パ行の何かを言おうとしただろ?日本人の苗字でパ行から始まる苗字は無いからな」
「確かにパ行から始まる苗字は無いけれど、私まだ何にもしゃべってなかったのよ!?」
「普通の人には何も聞こえないだろうな…。だけど俺には分かるんだ、口の形とか唇からわずかに漏れる息の感じとか、あんま上手く言葉にはできないんだけどな…、なんか分かるんだ、音になる前の音が」
そう、俺は昔から、音になる前の音が分かる。聞くだけじゃ少しきついが話している人の顔を見ればすぐわかる。それはもう雰囲気としか言えないが。
「…す、すごいっ!!あなたなら本当にクイズ王になれるわ!!!嘘つこうとしてごめんなさい。私の名前は水森夏帆って言います、よろしくね、透くん!」
「だからさっきからクイズクイズってなんなんだよ。クイズ王って何?何なのお前?つかなんで俺の名前知ってんの?」
「だって名札に書いてあるんだもん」
ほんとだ…、今日は入学式だからみんな名札つけてるんだった…、気付かなかったわうかつだったな。
「そうだね、神野透です、よろしく。んで、さっきから言ってるクイズ王とかって何なん?」
「私ね、中学の時ずっとクイズやってたの!だからこの学校でもクイズやろうと思って。クイズ王になったら楽しいよ!だから透もやろうよ!!」
何だこのハイテンションは。つかいきなり名前呼びかよ、どんだけなれなれしいんだよ。
「いや、俺頭悪いからクイズとか無理だし。あれだろ?テレビでやってる高校生クイズとか目指すんだろ?あんなの絶対無理だよ、ガリ勉とか俺のキャラじゃねーし」
「ちがーうちがうちがうちがうちがう!クイズ=勉強、じゃあないんだよ君!!!!私だってクイズは出来るけど、この学校繰り上げ合格だし!」
そこ自慢するとこじゃねーし。
「そうなんだ…。でもやっぱ勉強じゃん、すごいよくわかんない暗号みたいな言葉覚えてさ…、俺とは住む世界が違う天才たちがやるんだろ、無理無理」
「だから違うって!!分かった、じゃあ今日の放課後教室に残ってなさい。面白いものみせてあげるから!!」
「やだ、たるい」
「少し見るだけ!それで気に入らないならもう一切勧誘しないから!!頼む!!!!」
「わかったよ、少しだけな…」
まあ今日は入学式だけだし午後は暇だからいいか…、放課後になったら行ってみよう。
初心者ですが、よろしくお願いします。更新は不定期です。