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「何が愛する人だ!くだらん!!貴様のお遊びに付き合ってら……」


ミリミリッ!ブチブチブチブチッ!!


異質な音と共に、体を貫通させていた止の腕は不自然な方向に激しく揺さ振られ、手から肘にかけて捩切られる形で裂けていく。


「なっ、なぁっ!?」


突然捩切れた腕に、痛みと驚きで顔を歪める止。

秘石を通して、力が溢れる!漲る!不思議と、気分がいい。この血にまみれた空間ですら、心地よく感じる。


「ぬがあああああッ!こ、こんな……こんな事認められるかあああああ!!!」


絶叫。まるで、お母さんと一緒に買い物に行って、欲しい物を買ってもらえず駄々をこねる子供のように、叫び散らす止。


「……もう、止めろ。これ以上の争いは、意味がない。」


「なんだと!?意味がない?………馬鹿にするなああああああ!!!」


〜空とぶユパ様〜

止の攻撃!

波動砲!


止が大きく口を開き、ドラゴンボールにでてくるサイヤ人・ナッパの如く、口から怪しげな光線を吐き出す。………が、止の放った光線は俺の体に触れる直前に、キレイさっぱり消え失せる。


「無駄だ。秘石がないお前の攻撃なんて、俺には通用しない。」


「ぐぐぐッ……ちくしょう。チクショーー!!世界を牛耳るのは、この私だ!貴様ごときに……」


すさまじい形相で、悔し泣きしながらめちゃくちゃに泣き叫ぶ止。ぶるぶると体を震わせ、顔を真っ赤にしながら俺を睨みつける。すると、突然ハッっとナニかに気付いたような表情を浮かべた後に、一直線に突っ込んで来る止。

………無駄な事を。トドメをさして、終わりにするしかねえか。

身構え、止の攻撃に備える。だが、止は俺をガン無視して、奇声をあげながらナニかに向かって突っ込んで行く。その先には…


「うひゃひゃひゃッ!」


「あッ!し、しまったああああ!」


そう、止が向かって行った先には、ご丁寧に開け放たれた裏への扉が!


「アーーーーーッハッハッッハッ!マヌケめ!貴様の失敗は、さっさと私にトドメをさすべきだったのだ!だが、もう遅い!!」


止は、扉の向こう側へ足を踏み入れた。正確には、下半身はちぎれ飛んでいるため、体を踏み入れた?なのだろうか。なんか、日本語がおかしいがそれどころではない。直ぐさま、止の後を追って裏EARTH・PERIODの世界に足を踏み入れる。


「おわっ!?」


そこには、例えようのない、独特で異質な空間が支配していた。


一瞬だが、永遠。

狭いが、広大な空間。

真っ暗だが、真っ白。

説明不可能な世界。

嘘だらけだが、真実。

天国だが、地獄。

快楽であり、苦痛でもある。

自分が自分じゃない世界。

生と死が絡み合う。


「あ?あれは……止!」


少し進んだ場所に、止が呆然と漂っている。距離にして、およそ10メートル程だろうか?とにかく、そこに止がいた。近付いてみると……


「う、嘘だろ?死んでる……一体、何が?」


既に、生物から物へと変わり果てていた止。……ラスボスなのに、ひどい扱いで死んだな。ちょっぴり同情するぜ。


〜空とぶユパ様〜

裏EARTH・PERIOD

生存判定!

・アダム討伐

・秘石所有

・Ranking上位者多数撃破

生存可能!


生存判定!?スンゲーおっかない世界だなぁ。初心者が何も知らずに来たら、即死コースじゃないか。じゃあ、止は生存判定にひっかかって死んだのか。ラスボスですら即死するこの世界……鬼畜ですか?


〜裏EARTH・PERIOD〜

・秘石を使いGAMESTART

・秘石を使い自害

・秘石を使い人間蘇生

・秘石を使い帰還


……は?秘石を使わないと何もできない訳?つーか、帰還ってそこに出入り口が………って、ねえじゃん!扉自体が無くなってるよ…

成る程……一度この世界に入ったら、簡単には出られないという事か。

そんな事を考えていると、いつの間にか光り輝く物体が目の前に浮遊している。

………まさかコレは、秘石!?EARTH・PERIODのエネルギー源、EARTH・ENERGYだろコレ!!

ここに秘石が保管されているとなると、最低一回は裏のメニューから行動を選択できる訳か。………ん?このEARTH・ENERGYを使ったら、EARTH・PERIODはどうなるんだろう?まあ、今のEARTH・PERIODは争いを招く根源でしかないし、今回の戦いもソレが原因だったしなあ。もともと潰すつもりで来た訳だし、まあいいか。………んんん!?ちょっ、ちょっと待て!俺の胸に埋め込まれてる秘石を使ったら、俺はどうなる訳??これは、「まあ、いいか。」では済まされない問題だぞ!……う〜ん、これはマジでどうなるんだろう?死ぬのかな?それとも、ただの人間に戻るのかな?…………んんんん!!??ちょっと、ちょっとちょっとちょっとおおおお!!!人間の蘇生!?こ、これさえあれば、天宮と直秀生き返るじゃん!どれ、早速EARTH・ENERGYを使って二人を蘇生させよう。えい、ポチッとな。


〜裏EARTH・PERIOD〜

人間の蘇生!

秘石一個につき、一人を蘇生できます。


……一人?え?一個につき一人?駄目じゃん!二人生き返ったら、帰れなくなるじゃん!しかも、ここで生き返る訳?生存判定にひっかかったらどうすんだよ?














「……………よし、決めた。腹括ったぞ!」


考えに考え抜いた。まず、EARTH・ENERGYを使用して、天宮を生き返らせる。


〜裏EARTH・PERIOD〜

人間蘇生!

秘石使用!

EARTH・ENERGY!!

AMAMIYA蘇生!


パッ!っと人間のシルエットが浮かび上がったと思ったら、目の前に天宮が立っていた。


「………え?谷川君?」


「ハハッ、結衣……結衣!!」


「ここは、どこ?一体、どうなってるのカナ?」


今までのいきさつを説明すると、天宮は納得したようで周囲をぐるりと見ます。


「裏EARTH・PERIODって、ヘンなトコだネッ!」


うん、激しく同感です。

さて、ここからが本題だ。


「結衣、ちょっと聞いてくれないか?」

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