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「ふぅッ!」


強く息を吐き、呼吸を整えながら自堕落剣を振るい、止の肉体を切り刻んでいく。昇華と秘石の力は強大で、あの止を力押しでじわじわと攻め込む………のだが。


フッ……


文字通り、一瞬で視界から消えた止。

チッ!瞬間移動か。マジで厄介だ!めんどくせえ……


「くッ、どこに……グハッ!!」


背中に鈍い痛みを感じた。衝撃で体が海老のように反り返り、俯せに倒れ込む。


蹴り。それも、瞬間移動からの不意を付いた渾身の一撃。強い圧迫感が纏わり付き、思うように呼吸ができない。


どん、どん、どん。


俯せに倒れた俺の背中を、コレでもか!と、いうくらいめちゃくちゃに踏み付ける止。


「かッ…はァッ!……ごぶぅッ」


肺が片方潰され、盛大に吐血してそれでもなお、蹴りを止めない止。秘石が自己再生を繰り返し、なんとか命を繋いでいるが、止の激しい攻撃に再生が追い付かない。止は業火を吹き出し、さらに地面からは巨大な氷柱を出現させ、容赦なくDAMAGEを与えていく。炎が俺の体を包み込んで、氷柱は脇腹をえぐり取る。必死に立ち上がろうとすれば、嵐のような打撃が降り注ぎ、立ち上がる事もままならない。止は、ある程度俺をいたぶると、複数の腕を伸ばし、首を絞めながら体を持ち上げ、絞め殺しにかかる。当然、止のような巨大な体格の化け物に持ち上げられたら、地面に足など着く筈もなく、呼吸も困難な状況に陥ってしまった。


「……そろそろ逝け。貴様の息の根を止め、秘石を我が肉体に取り込み完全な存在へと私は昇華しなくてはならん。」


……クソッ、まだ………死ぬかよおおオオオオオオオオオオッ!


腹筋に力を込め、下半身を無理矢理起こし、両足を止の顔面の真正面まで持ち上げる。そのまま、両足に渾身の力を入れ、止の顔面をおもいっきり踏み抜く!


ドンッッッ!


………首が吹っ飛んだ。

そう、秘石で肉体強化された力は完全に、常識の枠から外れていた。俺の放った蹴りは止の生首を容赦なくぶっ飛ばし、止の体から力が一気に抜ける。と、同時に、それは止の絞殺地獄から抜け出せた事を意味するのであって…


「ゴホッ、ゴホッ……かっはぁッ!し、死ぬかと思ったぜ。」


……お、終わった…のか?倒した?……と、ホッと一息付いたその時だった。


「ぬははははははははッ!!見事、見事だぞアダムを倒し勇者!まさか三賢人の融合形態をこうも簡単に葬るとは……」


コワッ!!

止の生首が、カッと目を見開き、喋りながらゴロゴロと地面を転がってこっちに接近してくる。

……………血まみれの生首が喋りながら転がっている光景は、不気味の一言に尽きる。


「げッ……気持ち悪い。」


「ふふん。我が秘石は右側の眼球に埋め込まれているのだよぉ。だから、首を跳ね飛ばされても平気なのだ。」


………お前はどこぞのペガサスですか?頼むから消えてくれ。某遊ぶ王様に粉砕されろ!不気味過ぎて吐き気がする。


「オイ、オイ、オイ……ぬははははははあ〜!千と千尋のアレの真似♪どうだ?似てるだろ?ギャハハハハハハハ…」


………似てねーし。つーか、止のキャラが崩壊しとる。


「………ふぅ〜ッ、遊びは終わりだ。」


〜世界を創りし者〜

秘石の能力開放!

創造世界!

能力発動!

無能力!

相手のアバターは人間界の身体と同等の力しか発揮できません。秘石の力でカバー・半減効果・無効化は不可能です。


〜空とぶユパ様〜

LEVEL DOWN!!

・−→0.5

ステータスALL最下位

EARTH・PERIODに設定されている全ての行動が選択不可!


……は?と、頭にクエスチョンマークが浮かんだ瞬間、最初の異変に気付く。


………ズシッ!


「お?ちょっ、ぐぬううううううう!?」


お、重い!自堕落剣が、死ぬ程重い!!つーか、持てない!


「クックック……当然だ。お前、現実世界でそんな巨大の剣がまともに振り回せると思っているのか?普通の人間の筋力じゃ、持つ事もままならないだろ?」


う、嘘だろ!?人間界の肉体と同等の力しか出せない?……って事は、なにもかもまともにできないって事か?それどころか、超貧弱魔法一発でも喰らったら、100%死ぬじゃん!!

む、無理だろ……こんな状態じゃ、開拓エリアのポンキキ(EARTH・PERIOD内でぶっちぎりの超最弱モンスター。)にも勝てないぞ。


「くっ、くそがあああ!」


もはや、ただの重りでしかなくなった防具を脱ぎ捨て、死への恐怖を振り払うように叫ぶ。


やべえ、これは……今世紀最大のピンチだ!

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