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「…あぁ?」
ナニ訳わかんねー事言っちゃてんのコイツ?人間が何だって??
止よ……頭がイカレたか!
「ん?聞こえなかったのか?では、もう一度言おう。貴様にとって、人間とはなんだ?」
人間とはなんだ?ンな事、考えた事もねーよ。小学生の道徳の授業みたいな質問だな。
「猿が変化して生まれた生き物だ。それ以上も以下もねえ。」
クックッ…と微笑する止。マジでなんなのお前?顎が外れたままだし、変身するなら早くしてくれねえ?変な前フリとかいらないから。
「まあ、間違ってはないな。じゃあ、その猿は何の為に人間に変化したんだ?」
ああ……ウゼー!めんどくせえから、あいつが講釈タレてる隙にヤッちまうか!
〜そらとぶユパ様〜
秘石開放!
武器が自在に変化できるようになりました。
よし、隙だらけだからイイよね?攻撃してイイよね?大和、イキまーす!
〜止〜
そらとぶユパ様の攻撃!
ニートdeジブリ鳳凰剣!
刹那の煌めき!
CRITICALHIT!!
HP −\−
「……答える術を知らんか。哀れなり!!」
うわっ!?ナニあれ?止の両肩から、左右三本ずつ腕がにょきにょき生えてきたぞ!?しかも、新たに生えてきた腕は約三メートルはあろうデカさだ。止の変化は止まらない。歯が全て抜け落ち、新たに鋭利な……まるで鮫のような牙が生え変わる。体も倍以上大きくなり、筋肉も異様に膨れ上がって、体格もボリュームアップした。そのおかげで、纏っていた服はびりびりに破け、はち切れんばかりの筋肉が姿を現す。
「撃……さよならだ。完全体になるには、お前のエネルギーも必要だ。」
空中に捕らえていた撃を、そのまま大きく変化した顎と牙で噛み殺し、撃を文字通りバラバラにして自らの体内に放り込む。体を赤く染めながら、再び止の変化が始まった。
「ぐぐッ…ぐグぎギギギ」
もはや、言葉とは言い難い異音を発っしながら、ゆっくりと止は四つん這いの体制に移行していく。新たに生えた腕六本と、合わせて八本の腕が不規則に動き、不気味な事この上ない。さらに、止の尻の少し上のあたりから、突起物がにょきにょきと生えてきた。始めは尻尾かと思ったのだが、突起物の先端が二つに裂け、意思を持った生物のように動き始める。
「……げーっ、キモッ!」
ナニアレ?ケツから蛇が出てきたんですけど…。しかも、俺の身長の倍はあろう長さじゃね?
「ゴガおぉオおおオッ!」
………あのさあ、いつまで変身に時間をかける訳?もう、お前の変身シーンとか読者は見たくないと思うよ?
ぶっちゃけキモいし……
だいたい、お前の不気味な変身シーンを見るより、ヒロインetc…とか女の子のお着替え&お色気シーンを見たいんですけど。ああ、そうかぁ!だからこの作品人気が出ないんだ。もっとお色気シーン増やせよ刺身の野郎!
……なーんて事を考えてたら、いつの間にか止の変身は完了していたようだ。
「………フゥッ、待たせたね。さあ、始めようか!」
〜世界を創りし者〜
ステータス数値化不可
化け物だ……異業の化け物が、そこにいる。先程よりも、さらに一回り体が大きくなっており、額には某天津飯のような眼球が新たに出現していた。髪も首から尾の蛇にかけて、背中を縦にぶった切るように生えている。さらに、背中には蝙蝠のような形の巨大な真紅の翼が……。肌の色も褐色に変貌して、その姿はまさに化け物と呼ぶに相応しい。
「おい、勇者よ……」
「…あ?なん」
刹那、止の大口から、碧い色の業火が吹き出される。ハハッ!そんな攻撃、秘石の前では………って、アチチチチッ!?あ、熱い!ぐわあああああ!!なっ、なんでええぇ!?
「ふふふ……勇者よ、ここでおまえを倒して、リブジ秘石も手に入れる!」
も?もって、なんだよ?どういう事だ?秘石は複数存在するのか!?