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「ふふっ、はじめまして。僕はRANK2・T=10000と申します。よろしくお願いしますね、アダムを倒し勇者・そらとぶユパ様。」
げげげっ!明らか俺狙いじゃねーか!勘弁してくれよ…。
「ああ…、はじめまして。」
「そんなにビビらなくてもいいじゃん。意外と気が弱いんだね。」
う、うるせー!ビビリなのは、連載一話目からなんだよ!ほっといてくれ!
「……どんな人かと思ったら、たいした事なさそうだなぁ。」
正直、初対面の人間にそういう事言われると、ヘタレな俺でも腹立つぞ…。RANK2だかしらねーが、調子こいてんじゃねーぞこの野郎!………なーんて言えたらどんなに気持ちいいか。そんな事、口が裂けても絶対言えない。
「まあ、落ち着いてよ。僕は戦いに来たんじゃない。」
……はあ?じゃあ、何する為に来たんだよ?
「え?どういう事なんだ!?」
「僕は、派閥とか三賢人なんて、正直どーでもいいんだ。事実、僕はどこの派閥にも属してないしね。チャンピオンと同じ、一匹狼さ。……ここに来たのは、ちょっと気になる事があるからなんだ。」
「……気になる、事?」
「なんだか、裏にとんでもない化け物が居るみたいなんだよ。それも、三賢人より遥かに強力なヤツが。」
はあ!?マ、マジっすか!?
「ば、化け物!?一体ソイツは……つーか、なんでそんな事がわかるんだよ。」
「……君は、感じないのか!?この凄まじい闘気の嵐を!約ニキロ先に、巨大なパワーが四つ。多分、三賢人とチャンピオンだ。さらにその先、裏から途方もないパワーが一つ。その一つのパワーが、今まで感じた事のない異様な気を放出していてね、気になってここまで足を運んでみたんだ。」
「じっ、じゃあ、おまえは、俺達の敵じゃないんだな?」
「まあ、こんな争い、僕にはどーでもいい。単純に裏に居るヤツの正体が知りたいだけ。……けど」
けど?けどなんだよ?
「せっかくアダムを倒し勇者に出会えたんだし、ついでに勝負してみるのも悪くないかな!」
や、やっぱりそうなるんかい!一瞬ホッとした俺が馬鹿だったよ…
〜そらとぶユパ様〜
VS
〜T=10000〜
「……師匠、どっちが勝つと思いますか?」
「ワシは小僧が勝つと見た!」
「俺はRANK2が勝つと思いますが?どう見たって、今のユパ様には勝ち目がない。」
「そんなモンかの〜。」
あ、あいつら〜!気楽に観戦ときたもんだ。
〜T=10000〜
そらとぶユパ様の攻撃!
滅亡ニート!
天宮LOVE世界!
久しぶりに…
偽AMAMIYA召喚!×10
滅亡のアロー!×10
……すっげー懐かしい攻撃に、技を繰り出した俺がびっくりだよ。あの頃は、防具のオート能力で偽○○を出してたんだよな。う〜ん…、懐かしい!
〜T=10000〜
激レアアイテム使用!
ムッダエボリューション!
一定時間あらゆる物を無効化します。
滅亡のアロー!×10
無効!
滅亡ニート!
強制キャンセル!
昇華!
強制キャンセル!
ペナルティー!
強制キャンセル!
なっ、なんじゃあのアイテムは!凄まじい効果だな。昇華までキャンセルされたら、勝ち目が………って、ん!?最後の、ペナルティーキャンセルって、ひょっとして!
「あっ、アイテム選択ミスったな…。」
あ、RANK2が動揺してる。
〜そらとぶユパ様〜
ペナルティーキャンセルの為、ステータスが元に戻りました。
アイテムが使用可能になりました。
いよっしゃあああああああああああああああああ!!!RANK2でも、アホみたいなミスはするんだな!まあ、そのおかげでこっちにも勝機が見えてきたが…
〜そらとぶユパ様〜
アイテム使用!
タイリョクミナギール!
HP全回復!
HP 60000000/60000000
イキカエーレ!
パーティー蘇生!
〜地を這うナウシカ〜
蘇生!
特殊能力発動!
開幕即死!からの〜
その者朱き衣を纏いて、金色の野を駆け巡る!
覚醒!
DAMAGE無効!
不死効果付属!
能力無制限発動!
フィールド全てのプレイヤーの能力が使用可能!
よし、直秀と二人で戦えば、RANK2どころか、コイツら全員倒せるぞ!
「直秀!行けるか?」
「大和!愚問だぜ!!」
〜谷川大和〜
ペナルティー解除!
テンションアップ!
〜松森直秀〜
蘇生!
テンションアップ!
「……たいした男じゃの、RANK2は。」
「どういう意味です?」
「ガルデ。お前は、RANK2がミスをしたと思っているか?」
「ええ、そう見えました。」
「あれは、わざとじゃ。RANK2は、いい男っぷりをしておる。器がデカイ!不完全な状態の小僧と戦っても、満足しないのだろう…。完全な状態でたたきのめしてこそ、ヤツは初めて、『勝った』と言えるのだろうな。見ろ!RANK2の顔を……」
「……笑ってますね。」
「本当の強者という者は、RANK2のような男を指す言葉じゃ。お前も、ああゆう男になれ。」
「………。」
「さっきの言葉は取り消す!ワシも、RANK2が勝つと思うぞ。」