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「止さん、あんたは私の後に控えてなさい。」
「申し訳ない…。」
「どぅっおっりゃああああああああああ!」
〜止〜
AMAMIYAの攻撃!
超絶長刀・竜輝!
能力発動!
女神の翼!
対象に高速接近!
突き刺し!
一気に止に向かって突っ込んで行き、スピードと勢いをプラスした攻撃で止を強襲する。能力特化プレイヤーが能力を使えなくなったら、ただの雑魚!やっかいなプレイヤーから潰していくのが、私のセオリーでもある。止を倒して、射と一騎打ちに持ち込めば…。勝利へのシナリオが頭を駆け巡り、あとはソレに従って攻めるのみ!
〜AMAMIYA〜
状態異変!
大盾の効力が切れた!
行動鈍化!
肉体不調!
「チィッ!こんな大事な時に……」
「隙あり!まだまだ甘いの、お嬢さん♪」
〜AMAMIYA〜
射の攻撃!
COUNTERATTACK!!
至近距離散弾発砲!
HIT!!
HIT!!
HIT!!
HIT!!
HIT!!
HP 390541238712/257410853669
ぐっ、しまった!結構なDAMAGEを受けたわね。う〜ん、この状況はマズイかも。
〜EARTH・FANTASY〜
「……大和、高燃費に這うシカ。…頼んだわよ。」
「……母さん、一つだけ言っておくよ。俺は、人類の為に戦おうなんて思っちゃいない。彼女……愛する人間・天宮の為に、俺は戦うんだ。」
「うっわ…。あんた、よくそんな臭い台詞をぺらぺらと…。マジで言ってるんだったら、キモいわ。」
……せっかく格好よくキメたのに、高燃費のせいでぶち壊し。くっそー!なんなんだこの扱いは!俺は主人公だぞー!
「どうせ心の中じゃ、格好よくキメるぜ!…とか思ってたんでしょ?バレバレだし。つーか、やっぱりそらユパはキモいわ。この不細工ナルシストめ!」
ひーん……。高燃費がイジメるよ〜。ママ〜!!………なんて言ってる場合じゃない。さっさとログインして、天宮と一緒に敵を倒さないと…。
「座標セット。目的地、裏の扉前!」
母さんの言葉を聞き終えた瞬間、意識が一瞬途切れ、気が付くとEARTH・PERIODの世界にログイン……って、あれ?ここどこ!?
『みんな、聞こえる?』
うお!?ヘッドスコープから、母さんの声が!なーるほど、無線機能を使ったのね。だから、丹蛭陀と戦ってる時、あいつが時々独り言を呟いていたのは、無線機能を使って母さんと喋っていたからなのか。納得!
『やられたわ。EARTH・FANTASYの転送システムが、ハッキングされてた…。多分、三賢人の仕業よ。』
なにいいいいいいい!?おいおい、どこぞの漫画のパクりみてーな展開だぞ!?
『裏の扉から、かなりの距離があるわ。最短距離のルートを教えるから、ソレにそって裏の扉を目指して!』
了解で〜す。さて、行くか!って、なんじゃこりゃああああああああああ!!!
〜そらとぶユパ様〜
ペナルティー!
ペナルティー!
ペナルティー!
大型アップデート後の、許可なく現実世界での逆インストールは、違法行為です。
全ステータス弱体化!
アイテム使用禁止!
げっ…ヤバイよ。これからとんでもねー化け物と一戦やらかそうって時に、このペナルティーはシャレにならん…。
「………裏切り者。」
ん?前方に誰か立ってるけど、誰だろう?
「………まさか、オメーと戦う事になるとは。」
「ほっほっほ!小僧、ワシと戦え。」
「師匠、ここは俺が…」
……嘘でしょ?
「…奈々。ガルデ・ゾーラにあああ。それに、ゆうちゃん!」
「わりーな。こっちも、命がかかってんだ。」
「はいはーい!質問ですゆうちゃん。なんで最終章のクライマックスに、いっつもでてきて主人公の俺よりデカイ顔する訳?」
「ばっ、馬鹿野郎!影の三賢人に逆らえる訳ねーだろ!お前を倒さないと、俺達が殺される!」
「………変わったなゆうちゃん。前は、そんな事絶対言わない人間だった。味方じゃなくて、敵になるんだな?」
「………お前、そんな事言ってる場合じゃねーぞ。EARTH・PERIODの凄腕プレイヤー達に、たったの三人で挑む気か?」
え?どゆこと??
「…はあ〜、ドクターの言う通り、やられたわ。周りを見回してみな。」
は?周り??
〜そらとぶユパ様〜
総勢300名の敵プレイヤーに狙われています。注意して下さい。
「わかったか?私達は、三賢人の罠にかかったんだよ。強制的に、敵プレイヤーが待ち構えるこの区域に転送されたんだ。」
………ヤバイヤバイヤバイヤバイ!!!下手したら、俺死ぬんじゃないか?
「奈々は私がヤるから、残りの299人はあんたと這うシカが倒しな。」
………どうしよう?マジでピンチだよ。つーか、ゆうちゃんと戦う訳!?
〜そらとぶユパ様〜
〜高燃費少女・ハジイ〜
〜地を這うナウシカ〜
VS
〜奈々〜
〜優柔不断〜
〜ガルデ・ゾーラ〜
〜あああ〜
〜その他大勢×296〜
「じいさん達まで、敵にまわるのか?」
「俺・ワシは強いヤツと戦えれば、なんでもいいんだ。」
……お前らは戦闘民族ですかい!?サイヤ人みてーな事言ってんじゃねーよ!
「……裏切り者!最低の男だわ、アンタは。」
「奈々、聞いてくれ。お前の…」
「言い訳なんか、どーでもいいわ。私を裏切り、そのクソ女とつるんでる事が気に入らない!」
……戦うしかないのか。……うし、腹くくった。この先で、天宮が戦ってるんだ。コイツら全員、薙ぎ倒してでも進んでやる!