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「さあ、次話になったぞ!どういう訳か聞かせてもらおうか?」


「……あなた、EARTH・PERIODはどうやって動いているか……何を動力にして動いているか、知ってる?」


「裏にある、エネルギーによって稼動してるんじゃないか?そいつを目当てに、運営内部が争いを起こしてるって、俺は聞いた。」


「そう、正解♪」


「それと何の関係が…」


「………19年前になるかな?貴方がまだ産まれる一年前の時に、この世界とは別の時間軸にアダムとアダムが住まう、楽園が発見された。人類とアダムのファーストコンタクトは、衝撃的なものだった…。楽園から、一方的にこちらの世界へ来れるアダムに対し、人類は何もできない。指をくわえて、アダムがこちらに来るのを待つしか方法がなかったの。そこで、世界中の科学者達が集い、楽園に行ける装置を開発した。それが…」


「EARTH・PERIODか…。」


……前フリなげーよ。そこまで話を戻さなくてもいんじゃね?


「その科学者達の中に、私もいたのよ?EARTH・PERIOD開発に携わった研究員の一人なの。」


マジかよ!母さんスゲーな。


「EARTH・PERIODの動力、『リブジの秘石』。人類科学の最大級の発明品。未知なるパワーに、時空を歪める夢のようなエネルギーの開発に成功したの。そして、そのエネルギーは人体にどのような影響を及ぼすか?その実験台となったのが、貴方の父親。そして、私の夫だった、谷川竜彦。」


なんだってええええええ!?は、初知りなんですけど…。前作もそうだったけど、最終章になるといきなり急な展開になるよね。


「彼の肉体には、秘石が埋め込まれ、EARTH・PERIODを通さずに、直接人間をアダムの楽園に送り込めないか?と、科学者達は考えていたの。けど、実験は失敗。膨大なエネルギーは人体をぶち壊し、精神を蝕み、谷川竜彦という人間を破壊した。……その結果が、貴方の精神的障害に根付いている、あの事件を引き起こしたの。」


………。


「………私は、壊れていく竜彦の姿を見ていられなかった…。だから……竜彦が壊れるという事実から目を背け、貴方と竜彦から離れたの。……本当に、馬鹿。私も、竜彦も…。あれだけ実験台になるのは、やめろって言ったのに…。人類の為だと、竜彦は聞かなかった。……馬鹿な、男よね。ムカつくくらいに一直線で、なにより貴方に似ていたわ。」


……いつになったら、俺の質問に対する返答は返って来る訳?俺も読者も、一話跨いでずっと待ってんだけど。…母さん、あなたどんだけ引っ張るんですか?


「………ここからが、本題よ。」


お!ついにキタか…。う〜、緊張するぜ。


「人造人間・谷川大和。あなたの肉体は、半分人間で、半分秘石によって構築された、半人造人間なのよ。」


………はあ?半人造人間!?これまた中途半端な位置付けだな。……つーか、父さんは働かなくて母さんに見捨てられたんじゃなく、秘石の副作用で働けなかったんだな…。離婚した後、研究チームから外されて、ボロボロの身体に鞭打ちながら頑張ってたんだ…。ごめん、父さん。俺、今まで勘違いしてたよ。


「貴方の体に秘石が取り込まれた理由は………えっと、その……つまり、竜彦とピーーー(放送禁止用語)を勤しんでる最中に、何らかの刺激によって、秘石のエネルギーが私のピーーー(放送禁止用語)にピーーー(放送禁止用語)の中にたどり着き、そのまま秘石のパワーを宿した貴方が産まれた訳。」


oh!!人間って、神秘的だなぁ〜♪………って、ふざけるなああああああああ!一話跨いだ揚げ句、下ネタですか!?つまり、父さんは秘石を取り込んだまま母さんとチョメチョメしたら、秘石のパワーを宿した子供の出来上がり!?ふざけろ馬鹿やろーーー!!!そんな安易な理由で、読者は納得すると思ってんのか!?もう一度言おう。ふざけんああああああああああああああああ!!!!!


「まあ、嘘だけど♪」


………実の親に、うっすら殺意が芽生えた瞬間だネッ♪


「冗談はさておき、真実を話しましょうか…。EARTH・PERIOD運営の背後には、『影の三賢人』と呼ばれる、日本の裏社会とEARTH・FANTASYを牛耳る、とんでもない権力者がいるの。」


……やっべー。危険な匂いがプンプン漂ってきやがる。


「影の三賢人は、力と名の付く全てのモノを所有する、事実上日本の支配者と言っても、過言ではないわ。EARTH・PERIOD開発当初、彼らは理不尽な力を振りかざし、EARTH・PERIODを渡せと言ってきたの。だけど、EARTH・PERIODは当時には一台しか完成してなかったし、量産もされてなかった。それに、世界中の権力者もバックについて、研究員達を支援していたから、当然彼らにはEARTH・PERIODを手に入れられるはずがなかった。」


まあ、そうなるわな。


「しかし、彼らはアダムを倒した後の事を見越して、運営内部に、「アダムを倒した後に、秘石を譲れば我らの座をくれてやる。」と、言って運営を巧に操ったのよ。その座をめぐって、内部抗争が勃発したの。だって、アメリカ合衆国・中華人民共和国・ロシア・…etcの国々は、アダムの攻撃で滅んだからね。事実上、世界最大の権力を保有している国は、日本よ。アダムを倒したプレイヤーも日本にいるし、チャンピオンも日本人だしね。その日本のトップの座を譲る=世界最大の権力を秘石とトレードできるとなれば…。」


「待て、影の三賢人は、秘石の力で何を企んでいる?」


「彼らは、地球を支配したも同然なのよ?次は、EARTH・PERIODの世界に、アダムの楽園。全ての世界を、手中におさめる気なのよ。」


はあ〜…、やっぱりそうなるのね。


「けどね、アダムを倒した後の事は、私もある程度予想はしていたの。影の三賢人を撃ち破り、世界を正しい方向に導く人間が必要になる。その役目と希望を背負って産まれた半人造人間が、貴方なのよ?我が息子・谷川大和。」


「つーか、全ての世界を手に入れて、三賢人はどうするつもりなんだ?」


「……三世界の融合。全ての世界を統括し、その頂点に立った時、紛れも無い絶対神が生まれる。それが、奴らの狙い。そうなった時、間違いなく全ての世界が崩壊するわ。そうなったら、もはや地球一の権力など、不要でしょ?だから、三賢人は運営に座を譲るなんて言ったのよ。」


…影の三賢人、か。頭おかしいんじゃねーの?


「いい?大和。よく聞きなさい!こうなる事を、私は予想していたの。EARTH・PERIOD完成の段階で、不要となったリブジ秘石の試作品の一部を盗み、三賢人を撃ち破る人間を作り出す。IMPACT・OVER・PROJECTIONを実行した。三賢人や運営の人間にバレずに、EARTH・PERIODに適応・特化した人間を作り上げる必要があった。」


IMPACT・OVER・PROJECTION!?大袈裟なPROJECTの名前だなぁ〜♪


「そのため、優れた人間を探せば、必ず不穏な動きを見せる輩がいる。と、三賢人の耳に入る訳にはいかなかったの。……苦渋の決断だったわ。愛しき我が息子に、全世界と全生物の運命を背負わせるんですから…。自分の息子を危険な目に合わせるなんて、親としては失格よね?貴方が産まれて、秘石を体内に取り入れ、幼い頃から、秘石を身体に馴染ませれば…。その成長と覚醒を、今までずっと監視していたわ。だから、半人造人間なのよ。」


産まれてすぐ?手術か何らかの方法で、体内に秘石を入れた訳だね。


「……PROJECTは成功と言っていいわ。本来、超最弱ハズレ職業のニートが、秘石の力でここまで変貌したのだから…。」


「……監視?今までずっと、俺の事を見ていた訳?」


「ええ、必要に応じて、データを採取したり、いろいろね。」


「ああ!ひょっとして、暴虐魔獣とか言うヤツも、全部母さんが!?」


「ええ、もう時間がなかったからね。無理にでも、貴方のLVを底上げしないと、裏開放までに力を付けなければ殺されるから。奴らに常識は通用しないわ。EARTH・PERIODの最高責任者を殺したのも、三賢人の仕業よ。」


……とんでもねー使命を背負って、俺は産まれてきたんだなぁ〜。


「秘石の副作用って、ない訳?18年間生きてきたけど、目立った変化はなかったぞ?」


「まあ、幼い頃からずっと埋め込まれてた訳だから、もうすっかり身体の一部となってるみたいね。………って、忘れてたわ。」


「は???何を?」


「さっきの、イレギュラー能力ってヤツ。アレ、秘石が覚醒した証拠よ。しいて言えば、アレが副作用なのかな?」


「あああああああああああああああああああああああ!!そうだ!おい、天宮は!?結衣はどうなったんだ?母さんならわかるだろ!!」


「………秘石の力によって取り込まれたのなら、おそらくこの世界にはいない。と、考えていいわね。多分、どこかの世界にランダムに転送されたか、秘石に吸収されて同化したかのどちらかよ。」


……なにいいいいいい!?ランダム転送ならまだいいけど、秘石と同化!?マズすぎる!天宮がいなくなったら、裏の開放権利書がパアだ!アノ計画が実行できなくなる…。な、なんとかしなければ!










〜EARTH・PERIOD開拓区、裏へのゲート〜

「…………うっ、……ん。………ん?え、ちょっと!なんでEARTH・PERIODの世界にログインしてるの!?」


あっれ〜?確か、谷川君と星海王が戦ってて……う〜ん、記憶が吹っ飛んでるわ。さて、どうしたものか……


〜AMAMIYA〜

現在肉体を共有中!

RANK統一戦で優勝しました。

裏開放権利書GET!!

プレイヤーRANK

RANK1位

称号獲得!

頂点に君臨する女神


……え?肉体を共有中!?しかも、ここは裏のゲート前じゃない!……開放権利書はあるけれど、今開放するわけにはいかないわね。準備を整えてそれから……


〜AMAMIYA〜

警告!警告!警告!

多数のプレイヤーに囲まれています!その数40!

高RANKプレイヤーを複数確認!


……チッ!目当ては権利書か。横取りする気だネッ!雑魚なら1000匹来ても余裕だけど、高RANKプレイヤーが混じっているとなると、キツイかも…。ログアウトして逃げるか?いや、逃げたところでまた襲ってくるだろうし、片付けるなら早い方がいい!運営内部のゴタゴタは、ここでまとめて消化しよう。


〜AMAMIYA〜


VS


〜謎の急襲勢力〜













「………ん?こ、これは!」


うぉい!どうした母さん!?なんでそんなに驚いてるんだ?


「……今、部下から連絡がきたわ。現在、裏のゲートの前で、運営の最大級の部隊が、チャンピオンと交戦してるみたい。どうやら、権利書を奪おうとしてるらしいわ。」


天宮!よかった…生きてた………のはいいんだけど、裏のゲート前で交戦中!?


「……始まったわね!裏開放を賭け、世界の支配者を決める、最後の争いが!大和、EARTH・FANTASYに着いたら、速攻でログインしなさい。そして、運営の連中を蹴散らすのよ!」


「……わかった。」


まあ、最大級だかなんだか知らんけど、天宮には絶対に勝てないだろうな。間違いなく、天宮は勝つ!俺も、信じないとな…。自分の彼女を!


「ドクター。私と這うシカは、何をすればいいの?這うシカは薬の副作用でおかしくなってるし、丹蛭陀は使い物にならないわ。」


「高燃費、貴女は好きに暴れていいわよ。もともとそういう条件で、貴女を雇っているんだから。這うシカは、じきに元に戻るはずよ。這うシカは、大和の援護をさせる。」


「ふぅ〜ん。まあ、私は奈々を完全に倒せれば、なんでもいいんだけど。」


「なあ?直秀はなんでここに?」


「丹蛭陀が連れてきたのよ。貴方のコピー、ユパ様二号を作る為にね。」


「………それだけは、許せない!直秀は、苦しんでいたんだ!俺と戦っていた時だって…」


「………なんとでも罵ればいいわ。」


ぐっ、この野郎〜!


「おい!母さ」


「ドクター!大変です!」


あん?高燃費が叫んでるけど、何かあったのか?


「……チャンピオンが、1DAMAGEも受けずに、運営の戦闘部隊を殲滅。わずか、30秒で40人を葬り去ったみたいです。」


………マジ?30秒で40人を倒した!?人間ワザじゃねーな!流石天宮!流石マイハニー♪愛してるぜ!

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