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大変な事になりました。

え?何が大変かって?あのね〜…


「断じて認めん!!」


「この分からず屋あああ!!」


ガッシャーン!

ドッカーン!


ひっくり返るテーブルに、割れる窓硝子。スゲー…ちゃぶ台返しだ。星一徹に勝るとも劣らない、見事なちゃぶ台返し。流石、天宮の親父さんだなあ。……なーんて言ってる場合じゃねーな。


「ちょっ…二人とも落ち着」


「認めん認めん認めんぞおおおぉぉぉ!!」


「うっさい腐れハゲ!!黙れョ!!」


壮絶な戦いを繰り広げる天宮と天宮の父。はぁ〜…、こんな事になるとは思わなかった…。

前話の流れからして、官能モードになるかな〜?なんて期待した読者!残念ながら、そういった展開にはならないみたい…。あっ、ちょっと、お色気やエロい要素がないからって、ブラウザバックしないで…。


〜1時間前〜

「お邪魔します。」


「どうぞ♪いらっしゃい。」


おほほほほ!

ついに天宮家に侵入成功!ひひひ…、天宮のお部屋はどこかな〜?

キョロキョロと辺りを見回していたら、天宮が


「谷川君、私の部屋はあそこの階段を上がって、一番奥だから…。そんなに目をぎょろつかせると、とっても恐いョ…。」


あらら?ばれてた!?だって興味あるんだもーん♪もうね、天宮家に足を踏み込んだ瞬間、鼻をくすぐるイイ匂い!なーんか、天宮の匂いがする。


「ちょっと待っててネッ!お菓子と飲み物でも持って来るから。」


じゃあ、遠慮なく天宮のお部屋のドアをオープン!

………んん?なんか、想像してたよりも凄い部屋だぞ!机の上に、一台のノートパソコン。シングルベッドとタンスが部屋の隅に配置してあり、本棚には綺麗に参考書が並べてある。………それ以外はなんもねえな。ここ、マジで天宮の部屋か?女の子らしい要素がゼロなんだけど…。


「お待たせ!……って、なんで入り口で突っ立てんの?」


「え?いや…。」


「座りなよ。」


とりあえず、腰を降ろして再び部屋を見回す。……が、趣味らしい物がマジでなんもねえ。ぶっちゃけると、ちょっとつまんない部屋かも…。


「なあ、この部屋は本当に結衣の部屋なのか?」


「うん、そうだけど?つまんない部屋だなぁ〜。なーんて思った?」


ゲゲゲッ!バレバレやん…。


「じゃあ、面白くしてあげるョ。」


おっ!なんだ?なんかあるのかな〜?

………ん?天宮が、机の引き出しから何かを取り出したぞ。んん?あれは、PS3ではないか!


「谷川君のテンションが絶対上がるヤツだョ。」


んんん!!!?あ、アレは…あのゲームソフトは、二ノ国!!!!!うっわーーー!!来た!キタコレ!!マジテンション上がる!!!一度ヤッてみたかったんだよな〜。流石天宮!俺のツボをわかってらっしゃる。


「ヨッシャー!レッツプレイ!!」













「……コレさ、難しいんだけど。」


戦闘システムがヤバイぜこれ。頭使わんと雑魚敵にもボコボコにされるじゃないか!


「アハハハッ!下手くそ〜。」


ぐぐぐっ、予想を超える難易度だ…。EARTH・PERIODよりも難しいし、おっかないぜ。


「こうヤるんだョ。」


天宮が寄り添って来て、コントローラを握っている俺の手の上に手を添える。………近いよ。うん、距離がめっちゃ近い。そんな無防備に近付かれると、レーダーが反応しちゃう♪


「こうヤッて……ぁっ、ちょっ……」


我慢できませーん!天宮を力任せに押し倒して、天宮の両腕を左腕で頭の上に押さえ付け、そのまま獣の如く跨がっちゃう♪うっひゃっひゃー!


「ぇっ?……んっ、ふぁっ。」


う〜ん、我慢できねーわ。それじゃ、いただきまー…


ガチャッ…


……あん?ガチャッ?って、なに?

……ん?ドアが開いて、誰か突っ立ってるぞ。誰だあれ?オッサン?…よくも邪魔してくれたな。


「なっ…何をしてるんだ?結衣、誰なんだその男は…」


「ちょっ、お父さん!ノックくらいしてョ…。」


………え?お父さん?

ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアイアアアアアアアアアアアアアアアア!!

ヤッ、ヤバイヤバイヤバイ!!

最悪なタイミングだよ!とんでもないシーンを目撃されたじゃん…。うわわわ!

速攻で天宮から離れ、天宮父にかなり引き攣った笑顔で、


「コ、コンニチハ…。ボク、タニカワヤマトデス…。」


……ヤバイ、動揺して片言な挨拶になってしまった。よし、気を取り直してもう一度挨拶をしよう!


「娘さんとは、清純なお付き合いをし…」


そこまで言って、すかさず天宮父が突っ込んで来る。


「清純?下半身の立派なモノを、引っ込めてから言いたまえ!」


……それもそうダネッ♪


「結衣、それと…タニカワ君だっけか? ちょっと、居間に降りて来なさい。話がある。」


〜現在〜

「認めんからなああああ!こんな、どこの馬の骨かわからん輩と、付き合うだなんて!しかも、しばらくこの家に置いておく?断じて認めん!」


まあ、普通に考えればそうだよね。俺の父さんはもう死んでいないし、母さんは離婚して行方不明。どこの馬の骨かわからん奴と罵られても、しかたないな…。


バシッ!


あ……、天宮が天宮父に向かって、フルスイングかましちゃった。


「この馬鹿親父!なんて事言うのよ。言っていい事と悪い事の、区別も付かないの!?谷川だって、好きで両親がいない訳じゃないのよ?今の言葉は、人として最低だよ!!」


……ふと、思い出した。前に、天宮が悲しい事や辛い事を一緒に乗り越えようと言ってくれた。今の言葉は、じんっと心に来るモノがあった。ああ…、守られてる。なんだか嬉しいような、情けないような、複雑な気持ちだなあ。……なーんて言ってる場合じゃねえ!今の一撃で、ますます険悪な空気になったじゃないか!しかも、さりげなく天宮が、谷川だって〜…と呼び捨てにしちゃってる。作者が君を付け忘れて、編集するのがめんどくさいから、そのままにしてるのは内緒にしておこう♪


「ただいま〜。」


玄関から、女の人の声が聞こえてきた。多分、天宮母だろう。……どんな人なんだろ?ちょっと興味あるかも。

居間に買い物袋を持って、姿を現す天宮母。……マブい。とんでもない美人だ。モデルや女優と間違われても、不思議ではない。なーるほど、天宮が大人になると、こんな風になるのか。ウェーブがかかった綺麗な黒髪…。うん、素敵デス。


「あら?何なの、この騒ぎは?」


辺りをひとしきり見回すと、俺に気付く天宮母。なるほど、原因はコイツか!みたいな表情を浮かべ、話しかけてくる。


「……結衣ちゃんのカレシかな?うん、顔はかわいいわね。ちょっと頼りなさそうだけど、不思議なオーラを発してる。滅多に見ないタイプで、独特な感じ。」


「あっ、はじめまして。僕、谷川…」


「ちょっと、二人でお話しようか♪」


ぐいっ!と腕を引っ張り、天宮母に別室に連れていかれる。

…天宮のお母さん、あなたとってもマイペースだね。


「ねえねえ、二人はどこまでイッたの?もうヤッたのカナ?」


……あ〜、天宮って母親似なんだ。うん、喋り方もボケ方もそっくりだ。


「え?あの〜…」


……返答に超困るんだけど。


「アハハハ、冗談だョ。……結衣ちゃんをよろしくね。」


「あっ、はい!」


「ホラ、あの子ちょっと変わってるでしょ?それで、昔色々あってね〜…。」


……いじめられてたんだよな。確か。あんまり深く聞いた事ないけど。


「けどね、最近よく笑うようになったのよ〜。なんて言うか、明るくなったって感じカナ?なんでだろって思ってたけど、貴方のおかげなのね。」


ほー!それはよかった。嬉しい限りです。


「さて、ここからが本題です。貴方は、これから結衣ちゃんと、どうなっていきたいですか?」


……天宮と、どうなっていきたいか?そんなモン、決まってる!


「たとえ、この世界が滅びて、我が身が朽ち果てようとも、結衣だけは絶対に守り通してみせます!共に生き、共に果てる。残りの人生を、一緒に歩んで行くつもりです。」


き、決まった!カッコイイぜ、俺!


「…その言葉、結衣ちゃんにも言ってあげてね。あ〜ぁ、我が娘ながら、イイ男を捕まえたねえ。」


……義母さん。


瞬間、縦揺れの地震?が発生して、勢いよくひっくり返って転んでしまう。

痛いんだけど…、何事ですか!?


「あー、あー、こちらマイクのテスト中。よっしゃ、バッチリだな。オラアアアアアアア!

この街のどこかにいる、アダムを倒し勇者あああああ!出てこいやああああ!この前はよくもやってくれたなあああああ!」


外から大音量の声が聞こえてくるので、急いで玄関から外に向かって飛び出す。近所の皆さまも同じように、外に飛び出している。


「あ!この前の外人野郎!……じゃあ、あいつがRANK10か!」


遥か彼方に、50メートルはあろう巨大な水色の竜が暴れ狂い、街を破壊している。その竜の頭上にどっしりと構えながら叫んでいるのが、RANK10だな。つーか、竜というよりは、蛇?チクショウ、あいつも逆インストールしやがったな!天宮が言っていたが、逆インストールはよほどの事がないかぎり、やってはいけないみたい。違法行為とみなされ、後でペナルティーが与えられるらしい。


「谷川君!アレがRANK10・星海王よ。」


あ、やっぱり?

さーて、一丁ヤりますか!

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