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〜T=10000〜
衛星兵器・SOLE発動!
TARGETROCKON!!
フィールド外からレーザー光線が降り注ぎます。
発射!
……ん〜?なんか、空からとんでもない大きさの光が降ってくるんだけど。それも、一つや二つじゃなく、数え切れないくらい…。
HIT!!
HIT!!
HIT!!
HIT!!
HIT!!
HIT!!
…〜略、HIT!!×1500
「ふぅっ、これだけやれば、いくらチャンピオンでも……。」
「残念♪これくらいじゃ、私は倒せないョ。」
……あ、危なかったあああぁぁぁ!!!禁断奥義のおかげで、DAMAGEは0だったけど、普通の状態だったら確実に即死してた…。それにしても、凄い威力ね。フィールド全域がLOSTしちゃって、観客がア然としてるわ。
「な、なんであんな攻撃喰らって、無傷なんだ!?」
「ヤバイな……強すぎるだろ、チャンピオン!」
「ばっ、化け物だ…。」
あ、RANK2の攻撃じゃなく、私のタフさに驚いたわけね。あ〜あ、アダムを倒しても、化け物扱いはかわらないのか…。
「くそっ、僕の最強の技が、なんで通じない!」
RANK2がくやしがってる…。答えは簡単、私が強すぎるから♪さ〜て、そろそろ終わらそうカナ?
〜AMAMIYA〜
究極奥義発動!
慈愛と博愛!
能力無効化!
蘇生効果無効!
ペット召喚!
炎神鳥・ふぁーちゃん
私のペット、ふぁーちゃんは、俗に言うフェニックス。不死鳥だ。あんまり究極奥義は好きじゃないけど、勝負を長引かせるとマズイし、一気にケリを着けよう。
融合!
不死女神・AMAMIYA
HP −
一度しか攻撃できません。
次のターンに強制敗北します。
ペットと融合しても、外見にほとんど変わりはない。背中の翼が、天使の羽から燃え盛る業火の翼に変わっただけ。
さて、一度っきりの究極奥義。これでRANK2が死ななければ、私の負け。実に単純明解。え?なんでこの技をアダム戦で使用しなかったか?答えは簡単♪この程度の攻撃で、アダムは一撃で死なないし、倒せないから。
「なっ、な……!」
背中の翼を、目一杯広げて、私の体にぐるぐると巻き付け、炎の翼に包まれる形となる。そのまま、RANK2に向かって突っ込んで行く。例えるなら、炎の弾丸!
……どうでもいいケド、名前に不死が付いてるのに、次のターンになったら死んでしまうという矛盾を抱えた名前は、どうにかならないのかな?まあ、このターンでRANK2を倒すから、なんでもいいんだけど。
不死女神突貫!
命中率100%
アイテム回避不可能!
能力回避不可能!
CRITICALHIT!!
HP 0
WIN!! AMAMIYA!!
RANK2におもいっきり体当たりをぶちかますと、RANK2の身体が炎に包まれ、凄い勢いでぶっ飛んで行く。あらら…、やり過ぎたかな?ピクリとも動かないよぉ…。聞きたい事もあったのに…。
「勝者、チャンピオン・AMAMIYAーーー!!!」
あー…、うるさいなぁ。……なんて事を考えていたら、RANK2がムクリッと立ち上がって、フラフラとこっちに向かって歩いて来る。うん、流石RANK2。この技を喰らって、まともに立ち上がれたプレイヤーは、あなたが初めてだョ。
「ハハッ…、死ぬかと思いましたよ。流石、RANK1位ですね。」
「よく死ななかったね。流石、RANK2位だね♪……ちょっと、いいかな?聞きたい事があるんだけど。」
「うん、いいよ〜。何なりと。」
そこで、私は今のEARTH・PERIODに起きている事を、RANK2から全て聞いた。派閥や裏の開放、エネルギー争奪戦。……正直、くだらないと感じた。これなら、アダムを倒さない方がよかったような…?
「……成る程、納得。運営側の人間が必死になる訳だわ。」
「あと、もう一つ。アダムを倒し勇者・そらとぶユパ様には関わらない方がいいかも…。」
え?ちょっと…。なにそれ?
「何故?」
「狙われてるのさ。全部の派閥と、上位RANKプレイヤーに。裏の開放は、あいつがいないとできないらしいからね。噂じゃ、星海王が現実世界で仕掛けたらしいぜ。」
「なっ、星海王!?」
星海王とは、現実世界ではマフィアの首領。EARTH・PERIODの中ではRANK10位の、極悪非道の最低プレイヤー。EARTH・PERIODで勝てない相手は、マフィアの組織を動かし、現実世界で生殺し。嫌な噂が絶えない、最低最悪のRANK10。それが、星海王。
「……それ、本当?」
「マジだよ。つーか、RANK1位なのに、どこの派閥からも声が掛からなかったのかい?」
「ええ…。」
「通りで、何も知らない訳だ。まあ、とにかく気をつけてね。またね〜。」
そう言って、RANK2はログアウトしていった…。
………エネルギー、か。私の予感が正しければ……
〜極楽カフェ〜
「だ〜か〜ら〜、住む家が吹っ飛ばされたんでしょ?ならいいじゃん!」
「い〜や〜だ〜。だって、俺彼女いるもん。」
おお!?やっと出番だ!やっと出番が回って来たよ〜…。えー、主人公は俺、谷川大和です。主人公は俺、谷川大和です。大事なので二回言いました!
目の前に積まれたお札束。うん、100万くらいは余裕でありそう。
「これ、受け取って♪」
「いやだ。受け取ったら、お前ン家に行く羽目になるだろ。」
そうなの。コイツ、金あげるから私の家に来て下さい!……だって。え?理由?お家が無くなった大和ちゃんを、自分の家で飼いたいんだって。ペットみたいに。冗談じゃねーっつの!
「この前、負けたら派閥に入って私の言う事なんでも聞くって言ったよね?」
「言ってません。しかも、あの後高燃費に刺されたお前を守りながら戦ったんだから、チャラにしてくれねえ?」
「それとこれとは話が別。」
「だいたい、なんでそんなくだらねー事したい訳?」
「アダムを倒した男を、ペットのように飼い馴らすRANK5・奈々!うん、名前にハクがついてカッコイイじゃん。」
……高燃費とは、別の意味で思考回路がぶっ飛んでやがる。なんか、最近こんなんばっかりだな…。