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「ええい、まだ殺せないのか!?ガキ一匹に、どれだけ時間をかけるんだ!」
インストールが完了した為、ヘッドスコープの翻訳機能が働き、外人集団の言葉がわかるようになった。どうやら、外から偉そうに怒鳴りながら命令してる奴が頭だな?
「すっ、すいません!直ちにケリをつけます。おい、一斉に手榴弾を投げ込め。ヘリはガトリング砲を撃ち続けろ!」
……手榴弾?え?ちょっ、家が吹っ飛ぶじゃん!すると、再び嵐のような砲撃が始まり、家の中にいた外人達は退避していく。それと同時に、窓から何かが複数個放り込まれ、目の前に転がって来る。
……スッゲ〜、本物の手榴弾だ。初めて見たぞ!
ドッカーン♪
「ヨシ、片付いたな。」
「おい、だれか証拠を持ってこい!腕でも耳でも構わん。なんなら、生首でもいいぞ!」
「うっ、うわあああああ!?なんで無傷で生きてるんだ!?」
〜そらとぶユパ様〜
HP 60000000/60000000
EARTH・PERIOD内に設定されている攻撃以外は無効となります。
「……家が、粉々じゃねえかあああああ!!!」
瓦礫を払いのけ、近くにいた外人の一人を殴り飛ばす。すると、別の人間が刀を振るい、背後から切りかかってくる。直ぐさま振り向き、自堕落剣を構えて男からの斬撃を受け止める。壮絶な鍔ぜり合いを繰り広げていると、左脇からヌンチャクを構えながら、突っ込んで来る人間が一人。アチョー!アチョー!なんて叫びながら、必死に俺の体を打ち続けるが、全然痛くも痒くもない。
「やかましい!黙って寝てろ!!」
刀を受け止めながら、左足でヌンチャク男を蹴り飛ばす。
ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ………
ガトリング砲が、上空から仲間ごと巻き込みながら、容赦なく弾丸を撃ち込む。体中穴だらけになりながら、鍔ぜり合いをしていた相手は血まみれになり、その場に倒れ込み、ピクリとも動かない。一方、こっちは全くもって平気。余裕のよっちゃんイカ。弾丸は体に当たっているが、痛みを感じないし傷も付かない。すげえ、鋼の肉体を手に入れた気分だ。例えるなら、スーパーボールが地面にぶちあたり、あさっての方向に跳ねていくような…。それと同じ感覚で、弾丸がおもしろいように跳ね返る。近所迷惑だし、ヘリコプターは潰しておこう。
〜そらとぶユパ様〜
能力使用!
ルドゥン竜の翼!
飛翔!
「俺の家と、ナウシカプラモ返せこの野郎!」
〜そらとぶユパ様〜
攻撃!
聖天自堕落巨神剣!
ぶった切る!
ヘリコプターの真下から急接近して、そのまま自堕落剣を突き刺しながら上昇して、真っ二つにヘリコプターを切り裂く!すると、盛大にヘリコプターが爆発して、破片がお向かいさんの斎藤さん家に直撃する。
ああ〜、斎藤さんごめんなさい…。まだ、家のローン残ってたんだよね?
「あのガキ、EARTH・PERIODのDataを逆インストールしやがったな?違法行為を平然とヤッてのけるか…。クックックッ…、流石アダムを倒しただけある。キモが座っていやがるぜ!」
さて、残りも全部片付けよう…。今の騒ぎで、ご近所さんの面々が窓から顔を出してる。あっ、斎藤さんだけア然としてる。無理ないか…、新居に建て替えたばっかりだもんね♪
「おっ、俺の家があ〜!」
……斎藤さん、ほんっとうにごめんなさい。この罪は体で払います!
地面に舞い降りた瞬間、まるで餌に群がる魚のように襲い掛かってくる外人達。さ〜て、お掃除開始!