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なんだ?奈々がやられた!?嘘だろ!?
………高燃費、テメエどっから沸いて出てきやがった!まさかの展開に、読者もびっくりだよ!……え?びっくりしてない?君達、意外と冷静なのね…って、何言ってんだ俺?
〜そらとぶユパ様〜
地を這うナウシカの攻撃!
ドロップキック!
HIT!!
HP 8000/6500
しまった!ついよそ見をしてしまった…。つーか、何で高燃費が、奈々を?
……あー、そうだった。元々、奈々を倒す為に、LV無差別区域にインしたんだった…。
「うひゃひゃひゃひゃ!ザマーみろウンコ奈々!ギャハハハハハハハハ!!!」
……高燃費少女・ハジイ。彼女は、念願の打倒奈々を果たし、えらく興奮しているようだ。あのテンションのまま現実世界に戻ったら、不審者として警察に捕まる事間違いなし!ヨダレ垂らしてるし、気違いじみてるよ、マジで。
「ふふふ…、三人でかかれば、余裕で倒し者を殺せるでしょう。」
丹蛭陀の野郎が、あざ笑いながら俺を見てくる…。畜生、悔しいケド、丹蛭陀はイケメンだ。どのくらいイケメンかというと、街でナンパしたら、女の子を99%落とせそうなくらいイケメンだ。
え?今の状況で、丹蛭陀の説明はどうでもいい?
「高燃費、貴女はアイテムで私とナウシカのサポートをしなさい。」
ぐぐぐっ、ひょっとして…、高燃費は運営側の人間で、最初から俺をハメるつもりだったのか?
「ほぅ!よく気付きましたね。その通り、高燃費は、私達側の人間ですよ。ついでに、RANK5も呼び出し、まとめて葬り去る計画でしたが、こうも上手くいくとは思いませんでした。」
……さりげなく、ピンチじゃね?高燃費はともかく、丹蛭陀と直秀を同時に相手するとか、キツイにも程がある。しかも、直秀には得体の知れない不死効果に、丹蛭陀は先見…。勝ち目あるのかコレ?
チクショウ、どんだけ俺を追い詰めれば気が済むんだ作者の野郎め!
〜そらとぶユパ様〜
研究員丹蛭陀の攻撃!
先見の斬撃!
地を這うナウシカの攻撃!右ストレート!
HIT!!
HIT!!
HIT!!
HIT!!
HIT!!
HP 8000/6000
…マジでどうしよう?丹蛭陀の禁断奥義が使用されたら、今度こそ勝ち目がないぞ?
奈々が刺されて、ピクリとも動かない。ちょっ、流石に奈々が死ぬのはマズイ!なにより、現実世界では、たまねぎみじん切りのスーパーアイドル、早河奈々だぞ!?ここで見殺しにしたら、ファンの皆様方が、大変悲しむに違いない。マスコミも世間の人間も、色々と騒ぐかも…。……奈々を助けて、ログアウトか?どうするっ!?
「無駄です。貴方の考えは、全てお見通しですから。」
……丹蛭陀。お前、研究員丹蛭陀よりも、預言者丹蛭陀の方が、ピッタリの名前だと思うぞ?
ああああ!
ひっ、一つあったぞ!コイツらに対抗できる、唯一の能力が!丹蛭陀、今見せてやるよ。ニートの偉大な能力を!
「なっ、なに!?あ……や、やめろおおおおお!!」
丹蛭陀が絶叫している。
ワハハハ!お前の能力なんか、これでおしまいだ。あー、丹蛭陀のレアな絶叫シーンを見れただけでも、ヨシとしよう。
〜そらとぶユパ様〜
能力発動!
能力無効化!
先見無効!
……あれ?先見だけ解除?直秀の巨人変化が、解除されないぞ?どうなってるの?
〜地を這うナウシカ〜
能力発動!
能力無効化!
能力無効化を無効化!
くっそ、直秀の巨人変化は解除されなかったか。まあ、今は奈々の方が先だ。なんとしても奈々を助けて、ログアウトしなければ!
「くっそがああああああ!!このクソガキがああああああ!……おっと、ドクターの息子さんに、クソはマズイ。」
アッハハハハハ!丹蛭陀が超取り乱してやがる。なんか、スッキリした。先見の使えない丹蛭陀なんか、並のプレイヤーとなんら変わりはない!
イケる!これはイケるぜ大和!丹蛭陀に勝てるカモ♪
〜谷川大和〜
HP 20/20
丹蛭陀の先見を破った!
テンションアップ!
お気楽な思考回路!
アホ丸出し♪