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「………。」
「直秀なんだろ!?おい、直秀!!」
間違いない。あの長身に、いつも付けている銀色のピアスと指輪。あれは、直秀のトレードマークともいえる物だ。親友の俺が、間違える訳がない!なんで、直秀がEARTH・PERIODの世界に!?しかも、丹蛭陀と繋がりがある!?
「クックック…、地を這うナウシカは強いですよ。何たって、倒し……」
そこまで言って、急に丹蛭陀は口を閉じる。……なんだ?何を言おうとしたんだ?
〜奈々〜
VS
〜研究員丹蛭陀〜
乱入者出現!
〜奈々〜
VS
〜研究員丹蛭陀〜
〜地を這うナウシカ〜
〜地を這うナウシカ〜
能力発動!
開幕即死!からの〜
即死!
HP 0
戦闘不能!
………いきなり直秀が死んだぞ?あいつ、ハズレ職業の廃人を選んだのか…。………ん?ちょっと待てよ、おかしくないか?開幕で死ぬ筈の廃人が、何故戦績上では勝っているんだ?それに、直秀のステータスには、廃人の上位職業らしき職業が記載されている。これは、何か起きる予感がする。
〜研究員丹蛭陀〜
アイテム使用!
RE・ベンジ!
地を這うナウシカ蘇生!
特殊能力発動!
スーパー廃人2
その者赤き衣を纏い、金色の野を駆け抜ける…
覚醒!
不死効果付属!
DAMAGE無効化!
フィールド全域に存在するプレイヤーの能力が使用可能です。
………死なない上に、DAMAGE無効。揚句の果てに、フィールド全域のプレイヤー能力をコピー…。とんでもない能力だ。
〜地を這うナウシカ〜
そらとぶユパ様の能力を使用した!
最終奥義!
ニート・THE・END!!
ナウシカWorld!
でっかいニート変化!
翼を背負いし巨人!
HP −
不死効果の為、HPは表示されません。
「ゴガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
なっ、まさか…あの巨人にも変化できるとは、正直驚きだ。
「驚きですか?まあ、あの巨人に変身できるのは当然なんですよ。」
……は?どういう事だ?どうせ俺の心の中がわかるんだから、読み取れたら直ぐ説明しろよ!
「はいはい、わかりましたよ。あのプレイヤーには、そらとぶユパ様の戦闘データがインストールされている、そらとぶユパ様2号です。さらに、複数のプレイヤーデータをカスタマイズして、独自進化したNEWそらとぶユパ様と考えていただければ……」
何だって!?俺の分身?
「何故、直秀なんだ!」
「いやあ、たまたま面白いプレイヤーネームを見つけたら、なんと倒し者の知り合いでしたか。偶然って、恐いですね♪」
「くっ、直秀……。」
「大丈夫♪あのナウシカは、すでに貴方の事は忘れてます。」
「は?何言って…」
「プレイヤーデータをインストールする際に、思考回路がイッちゃったみたいなんですよ。ショックでね。まあ、無理矢理インストールしたのが原因なんですが、自分の中にもう一人、他の人間が無理矢理入り込んできたら、当然の……」
………ゴッ!!
丹蛭陀の顔面に、おもいっきり拳を入れる。そして、俺の腹は決まった。丹蛭陀は、今ここで殺す!天宮や直秀をめちゃくちゃにした、コイツは絶対に許せない。
「奈々あああああぁぁぁ!!!お前達の派閥に付いてやる!能力を解除しろおおお!あの巨人は……直秀は俺が助ける!」
そうだ、今はなりふりかまっていられない。コイツらの派閥に従って、EARTH・PERIODの全てを手に入れ、俺はEARTH・PERIODのみを破壊する!こんな馬鹿げた物があるから、人間の心は醜く歪む…。
「もともとそういう約束ニャン!」
〜奈々〜
能力解除!
そらとぶユパ様のステータスが正常に戻った。
アイテム使用!
カーイフク薬×10!
〜そらとぶユパ様〜
HP全回復!
HP 60000000/60000000
〜奈々〜
〜そらとぶユパ様〜
VS
〜研究員丹蛭陀〜
〜地を這うナウシカ〜
「奈々は丹蛭陀を!俺は直秀と闘う。」
……直秀、お前を助ける!
「………ほぅ、そうきましたか。まあ、貴方の戦闘データは、地を這うナウシカにインストールした訳ですし、殺しても問題はないかなぁ?」
丹蛭陀は、相手の攻撃と、心が読める、能力特化のプレイヤー…。ならば、何も考えず、無心で戦うんだ!悟りを開け!
「悟り?そんな物、無意味に等しい!」
………やっぱり無理かも。