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「嫌だ、お母さん!行かないで!」
「お父さんがいるでしょ?これからは、お父さんと二人で暮らすのよ?」
「嫌だ!お母さんも一緒に……」
「………いずれ、必ず会えるわよ。……必然的にね。じゃあね〜♪」
「お母さん!……うわ〜〜〜ん。」
ピンポーン!
はっ!?やべえ。寝てた。
……嫌な夢だな。昔の事を思い出した。
……インターホン?多分、天宮だな。
「…はーい。今行くよっと。」
ゆっくりと玄関のドアを開けると、マイハニーが笑顔でそこに立っていた。う〜ん…、かわいい。
「来たよ♪」
「あー…、とりあえず上がってくれ。」
天宮を家に招き入れる。天宮が家に居るとか、色んな意味で興奮してきた。そもそも、女の子が俺の家に遊びに来るなんて初めてな訳で……。
「谷川君の家、初めて来たけど…、誰もいないの?」
「ん?言ってなかったっけ?俺、一人暮らしだよ。」
「ええ!?高校生で一人暮らし!?スゴーイ!お父さんとお母さんは何をしてるの?」
「両親は俺が五歳の時に離婚して、父さんは俺が六歳の時に、自殺した。」
「……え?なんか、ごめん。聞いちゃいけなかったよね…。」
「ん?いや、別に気にしてないよ。大丈夫。」
両親の事なんか、……どうでもいいんだ。だって、天宮が家にいるんだぜ!?これはもう、テンション上げていかなきゃ♪
「そこのソファーに座ってて。なんか飲み物取ってくるから。」
「あっ、ありがとう。」
さ〜て、何がいいカナ〜?お酒イッちゃう?いや、まだ早いな…。ここでのチョイスはカルピスだ!
「お待たせ〜♪」
カルピスをテーブルの上に置いて、天宮に飲むように奨める。天宮はカルピスを飲みながら、キョロキョロと室内を見回している。ふっふっふっ…、そんなに辺りを見回しても、怪しい物……エロい本や大人の玩具は出てこないぜ?何たって金庫に隠したから、見つかるはずがない!
「……本棚大きいね。あそこに、Hな本とか隠してるの?」
ホラ来た!ふふふ…、あそこには、ジブリ関連秘蔵の書物と、ジブリのDVDしか置いてないぜ。
「隠してねーし。つか、エロ本自体持ってねーよ。」
「へー!じゃあ、あそこの本棚漁っていい?」
「どうぞ〜。」
ふふふ…、好きなだけ漁るがいい!天宮が本棚に向かって進み始めた…。……………四つん這いで!
イイよ!なんか、イイね天宮!そんな事してると、リアル滅亡ニートで、獣に変身して後ろから襲っちゃうぞ♪……ただ、残念なのが制服のスカートの下に、ジャージを着てるから、エロさが半減されちゃうんだよね。
「あ!これは…」
ん?何か見つけたのか?やべえ、隠し忘れか!?
「中学の卒アル!ねえ、見ていい?」
……なーんだ卒アルか。ビビって損した。
「ん?あぁ…、別に見てもいいけど…。つーか、結衣飯まだだろ?作ってる間、見ててくれ…。」
「え?いいの?……谷川君って、意外と家庭的ね。」
「意外とは余計だ。」
天宮が上機嫌で卒アルをめくり始めたので、その間に晩御飯を作ろう!谷川大和の15分クッキング!の時間だよ♪
〜谷川大和の鶏モモ肉焼き〜
……なんだこのコーナー。めちゃくちゃ家庭的なコーナーだな。
まあ、なんでもいいや。
まず、鶏肉を用意する!
焼く!
完成!
……え?レシピ省きすぎ?じゃあ、醤油・調理酒・味醂を適当に混ぜて、タレを作る!そこに大根おろしを入れたり、林檎をすったりしたら、より一層美味しいぞ!鶏肉はある程度火が通ったら、今のタレをぶっかけて絡める!仕上げにブラックペッパーを入れると、味がしまってイイ感じになるな…。これで、ご飯が進む事間違いなし!
……なんだコレ?シリーズ初の試みだな。ここだけの話、作者が初めて作った、思い出の料理らしいぞ。
「おーい、出来たぞ〜。運ぶの手伝ってくれよ。」
「アハハハハハハハハ!ヒー、ヒー…。」
……なんだ?天宮が死ぬ程爆笑している…。一体何を見てるんだ?
「おい、どうしたんだよ?」
「愛すべきジブリ同好会・会長、谷川大和君!アハハハハハハ!このページに、将来の夢は風の谷に行く!って、アハハハハハハ!」
……あー、中学の黒歴史が暴かれてしまった。なんか、恥ずかしい♪
〜谷川大和〜
HP 20/20
将来の夢は風の谷に行く!恥ずかしさアップ!
テンションダウン!