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「あの、EARTH・PERIODとかいうゲームをしたいんですけど。」
すると、受付の店員が、またかよ…。みたいな表情を浮かべ、俺と原田を交互に見回す。
「わかりました。……が、EARTH・PERIODをゲームと呼んでる時点で、お客様は勘違いしています。そんな心構えですと、開幕5秒で死にますよ?」
は?5秒?死ぬ?意味わかんねー…。ナメてんのかこの店員?
「死ぬって、ゲームの事?」
原田がマヌケな顔で、店員に質問している。
「いえいえ、現実世界で。」
……気のせいか?ヤバイ気配を感じるのは、俺だけなんだろうか!?
「………なあ、敏夫。ヤバ」
「おもしろそー!!なにそれ?どういう事?やるから早く案内してくれよ!」
……はぁ。まっ、いいか。どうせ一日中ひまだしな。
〜開拓区域・第990ナバール森林〜
「EARTH・PERIOD内で、死んだらどうなるか?」
「ああ、丹蛭陀の野郎が、意味深な感じで呟いていたんだ。あと、俺を襲ったモンスターが、もともと人間だったとか…。」
すると、またまた眉間に皺を寄せるあああ。そんなにいっぱい皺があるのに、これ以上皺を増やしてどうするつもりなんだろうか?文字通り、顔面皺くちゃなあああ。
「成る程。………ヤツめ、廃棄データを再利用して、新たにモンスターを作り上げたな…。」
「再利用?リサイクルか!?」
「EARTH・PERIOD内で死んだプレイヤーデータは、運営側によって破棄されるのじゃ。その破棄されたデータと、モンスターデータを融合させて、新たなモンスターを作ら上げたのだろうな。もともと人間だったと言う意味は、そういう事じゃろう。」
……ふーん、もはや何でもありだな。
「丹蛭陀は、運営側の人間なんだろ?奴は、どの派閥に属しているわけ?」
「全てを無。ようは、世界をデリート派じゃな。」
「あとは…、先見の能力について知りたい。あんたの能力も先見だろ?教えてくれよ。」
「………弱点か。二つあるぞぃ。」
「おお!二つも!?教えてくれじいさん。」
「まず一つ。フィールド全範囲に及ぶ、超火力で逃げ場を無くす。いくら先に攻撃がわかっても、これなら避けられん。」
あっ、だからアダム戦の時、殺戮ビームをあああは避けられなかったのか。成る程ね、納得。
「二つめ。相手の予知より早く行動する。ようは、限界を超えたスピードで動けば、楽勝じゃ。」
……無理じゃね?
「戦闘結果の処理速度が追い付かないくらい速く動けば、まあ問題ないだろう。しかし、これが出来るのは、現在チャンピオン一人だけ。しかも、今は入院中で、ログインできない…。実質、これが出来る人間は今現在ではいない事に…。」
……超火力で、消し去る方向でがんばろう。うん、それなら何とかなりそう♪