第6章 ― 存在してはならなかった形態
戦車のサイレンが鳴り響き始めた。
それは単なる警報ではなかった――叫びだった。
鋼の内側に閉じ込められた、引き裂かれた金属の声。砕けた魂のような響き。
引き返す道がもはや存在しないことを告げる、機械の黙示録のラッパ。
濃密な煙が、巨大な砲身から噴き出し始めた。
そして――すべてが動いた。
後部のキャタピラが、きしみを上げながらゆっくりと持ち上がる。戦車の後方構造が内側へと折り畳まれ、変形する棺のようにキャタピラを封じ込める内部の壁を形成した。砲身が滑り、レールが再配置され、隠されていた構造体が目を覚ます――数か月、あるいは数年にも及ぶ強制的な沈黙の果てに。
司令キャビンの中で、パネルの色が変わった。
青。
冷たい。
臨床的。
人工的な静けさ。
兵士たちは、ほとんど反射的とも言える正確さで操作を調整していく。考えすぎることは、ためらいに直結する――身体がそれを理解していた。キラはすべてを、完全な沈黙の中で見守っていた。
その顔に恐怖はない。あるのは、受容だけだった。
戦車の前面が、中央から割れた。
装甲が左右に引き裂かれ、金属を無理やり引き剥がすような、醜悪な音を立てて開く。
その裂け目から、腕が生まれた。
シールドが拡張し、厚みを増し、形状を変えていく。
そして、戦車は――地面に足を下ろした。
次に、もう一方の足も。
二本の腕が地面に触れ、怪物的な重量を支える。装甲化された砲塔が自動的に移動し、純粋な暴力の延長として肩部へと接続された。二門は背部へ。さらに二門は金属の手首へと滑り込む。
頭部が、現れた。
胸部装甲が回転する。
乾いた、錆びついた、痛みを伴うような音――まるで、この形態を取ること自体が機械に苦痛を与えているかのように。呼吸の役割を果たす排気管が、新たに形成された頭部の上へと配置された。
その顔は、人間ではなかった。
獣だった。
鋼と憎悪で再誕した、地獄の悪魔。
空では、異星の艦船が攻撃を止めた。
――彼らでさえ、理解したのだ。
シールドが収縮し、後方へと滑りながら背部構造を包み込む。
戦闘用の装甲殻が形成される――永遠の戦争のために生まれた、地獄の甲羅。
戦うための亀。
機体は、完成した。
すべてのライトが一斉に点灯する。
指が伸び、金属音を立てながら変形し、鋼の爪となった。
その手は巨大だった。
決定的だった。
掴むためではなく、潰すために造られたもの。
全高:180メートル。
全幅:80メートル。
壊れた世界を踏みしめて歩く、鋼の神。
キャビン内部――今や胸部に移動したそこでは――兵士たちが新たなインターフェースを見つめていた。機体の頭部が視界の中心となる。完璧ではない。揺れ、歪みもある。
それでも、十分だった。
数人の兵士が、笑った。
喜びではない……安堵だった。
成功したのだ。
そして、キラが口を開いた。
「反転。敵艦に照準。今すぐだ。」
「了解、司令官。」
機体が動く。
たった一歩。
大地が崩れた。一棟の建物が衝撃で完全に崩壊し、塵と反響音へと還る。生まれたばかりの存在の重みに、大地が呻いた。
キャビンの中で、キラの瞳が光った。
それは希望ではない。
この瞬間から、戦争が最も残酷な段階へと突入した――
その確信の光だった。
――次章へ続く。




