表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/7

第6章 ― 存在してはならなかった形態

戦車のサイレンが鳴り響き始めた。


それは単なる警報ではなかった――叫びだった。

鋼の内側に閉じ込められた、引き裂かれた金属の声。砕けた魂のような響き。

引き返す道がもはや存在しないことを告げる、機械の黙示録のラッパ。


濃密な煙が、巨大な砲身から噴き出し始めた。


そして――すべてが動いた。


後部のキャタピラが、きしみを上げながらゆっくりと持ち上がる。戦車の後方構造が内側へと折り畳まれ、変形する棺のようにキャタピラを封じ込める内部の壁を形成した。砲身が滑り、レールが再配置され、隠されていた構造体が目を覚ます――数か月、あるいは数年にも及ぶ強制的な沈黙の果てに。


司令キャビンの中で、パネルの色が変わった。


青。


冷たい。

臨床的。

人工的な静けさ。


兵士たちは、ほとんど反射的とも言える正確さで操作を調整していく。考えすぎることは、ためらいに直結する――身体がそれを理解していた。キラはすべてを、完全な沈黙の中で見守っていた。

その顔に恐怖はない。あるのは、受容だけだった。


戦車の前面が、中央から割れた。


装甲が左右に引き裂かれ、金属を無理やり引き剥がすような、醜悪な音を立てて開く。

その裂け目から、腕が生まれた。

シールドが拡張し、厚みを増し、形状を変えていく。


そして、戦車は――地面に足を下ろした。


次に、もう一方の足も。


二本の腕が地面に触れ、怪物的な重量を支える。装甲化された砲塔が自動的に移動し、純粋な暴力の延長として肩部へと接続された。二門は背部へ。さらに二門は金属の手首へと滑り込む。


頭部が、現れた。


胸部装甲が回転する。

乾いた、錆びついた、痛みを伴うような音――まるで、この形態を取ること自体が機械に苦痛を与えているかのように。呼吸の役割を果たす排気管が、新たに形成された頭部の上へと配置された。


その顔は、人間ではなかった。


獣だった。


鋼と憎悪で再誕した、地獄の悪魔。


空では、異星の艦船が攻撃を止めた。


――彼らでさえ、理解したのだ。


シールドが収縮し、後方へと滑りながら背部構造を包み込む。

戦闘用の装甲殻が形成される――永遠の戦争のために生まれた、地獄の甲羅。

戦うための亀。


機体は、完成した。


すべてのライトが一斉に点灯する。

指が伸び、金属音を立てながら変形し、鋼の爪となった。

その手は巨大だった。

決定的だった。

掴むためではなく、潰すために造られたもの。


全高:180メートル。

全幅:80メートル。


壊れた世界を踏みしめて歩く、鋼の神。


キャビン内部――今や胸部に移動したそこでは――兵士たちが新たなインターフェースを見つめていた。機体の頭部が視界の中心となる。完璧ではない。揺れ、歪みもある。

それでも、十分だった。


数人の兵士が、笑った。


喜びではない……安堵だった。


成功したのだ。


そして、キラが口を開いた。


「反転。敵艦に照準。今すぐだ。」


「了解、司令官。」


機体が動く。


たった一歩。


大地が崩れた。一棟の建物が衝撃で完全に崩壊し、塵と反響音へと還る。生まれたばかりの存在の重みに、大地が呻いた。


キャビンの中で、キラの瞳が光った。


それは希望ではない。


この瞬間から、戦争が最も残酷な段階へと突入した――

その確信の光だった。


――次章へ続く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ