第2章 ― デストロイヤーの意識
工場の内部では、人工知能の声が感情を伴わずに反響していた――正確で、一定で、ほとんど生きているかのように。
「設置進行中。装甲キャタピラ整列完了。射撃システム接続。」
工業空間は震えていた。機械音だけではない。鋼材、ケーブル、影の間に散らばる人間たちの緊張が、その場を満たしていた。
「エンジンと装甲金属を今すぐ取り付けろ!」
命令が空気を切り裂く。
「了解、サー!」
鎖が軋み、クレーンが凄まじい力で動く。金属同士が噛み合う音は、無理やり骨をはめ込むかのように響いた。鹵獲した異星人の兵器が戦車へと組み込まれていく――敵の技術は、今や支配される存在だった。旋回砲塔がゆっくりと調整され、振動しながら、まるで破壊への飢えを試すかのように動いていた。
「主エンジン、設置完了。」
「点火用チューブ、確認。」
「砲身六門、稼働可能。」
「キャタピラ四基、完成。」
人工知能は祝わない。ただ事実を告げるだけだった。
一人の兵士が上部キャビンへ駆け寄った。表情は強張り、呼吸は浅い。
「将軍……戦車、準備完了です。」
キラはすぐには答えなかった。
「よし。では行こう。」
彼は帽子を整え、顔の一部を影に隠した。これから先にあるものの前で、人間性の痕跡を消そうとするかのように。金属製の階段を下り、戦車中央のキャビンへと向かう。
扉が開いた。
空虚。
冷気。
完全な静寂。
キラは中へ入り、背後でハッチを閉めた。一瞬、自分の呼吸音だけが耳に残る。やがて、ゆっくりと手を上げた。
「接続開始……戦争用プロトタイプ。」
その声は低く、抑制されていた。
「同期開始。フォーメーション:デストロイヤー。」
パネルが一斉に点灯する。データ、グラフ、機体の状態情報。外では八つのサーチライトが起動し――闇を切り裂く赤い眼となった。四基のキャタピラが震え、地面がわずかに揺れる。まるで大地そのものが、目覚めてはならない存在を認識したかのように。
キラは手を下ろした。
機械は、今や彼の声を聞いていた。
彼は主マイクへと近づく。
「兵士たち」
その声は装甲全体に響き渡る。
「戦車へ集結せよ。もう隠れる必要はない。巣穴から出て……絶望と技術が一つになったとき、我々が何者になるのかを異星人に見せてやる。」
階段は完璧な隊形で埋め尽くされた。同期した足音がデストロイヤーの内部を打ち鳴らす。各班が配置につく――エンジン、指揮、バランス、武装、照準、移動。戦争の有機体が完成していく――必要によって結びつけられた、人と機械。
「点火開始。重量解除。」
戦車の下に張られた鎖が緊張する。床が裂け始め、地下基地全体に警報が鳴り響いた。赤いライトが狂ったように点滅する。
重低音の咆哮とともに、天井が割れた。
戦車はゆっくりと地上へと姿を現す。埃と影をまとい、まるで自らの墓から起き上がる金属の死体のように。周囲の森は沈黙した。風さえも、後退したかのようだった。
キャビンの中で、キラは瞬きもせずにすべてを見つめていた。
「さあ……」
彼は呟いた。
「異星人どもを、叩き潰すとしよう。」
こうしてデストロイヤーは、地上へ向けて最初の一歩を踏み出した。
――次章へ続く。




