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第10章 ― 深淵の捕食者

三百隻の艦船が、空から降下した。


その光が、日本の都市を残酷な光線でなぞり、闇を切り裂き、瓦礫、崩れた建物、死んだ道路を照らし出す。

鋼の巨像を探していた。

不可能そのものを探していた。


彼らは知らなかった。


ロボットは、水中にいた。

水深二千メートル。


司令キャビンには、重苦しい沈黙が満ちていた。

キラは声色を変えずに言った。


「すべて切れ。灯りを消せ。奴らは真上にいる。」


誰も疑問を挟まなかった。


一つ、また一つと、デストロイヤーの灯りが消えていく。

脚部。肩部。探照灯。胸部。

巨像は姿を失い、海の完全な闇に呑み込まれた。


暗闇の中で、機体が動く。


手が開き、爪が伸びる。

世界の底で目覚める捕食者。


空では、艦船の一部が探索パターンを変更した。

二十隻が海面の捜索を開始する。


「将軍……」

兵士が囁く。

「我々の真上に艦船が一隻います。」


キラは目を細めた。


「照準。撃て。」


兵士は凍りついた。


「で、ですが将軍……どうやっ——」 「最後まで言うな。」キラが遮る。

「そこは考えてある。」


彼が手を上げると、ホログラムが立ち上がり、デストロイヤーの砲内部構造が投影された。


「高圧下では、発射前に砲身へ海水を流し込む。」

冷淡に説明する。

「内外の圧力を均衡させるためだ。弾体は内部抵抗なく射出される。」


ホログラムは消えた。


キラは鉄の玉座の肘掛けに肘をつき、手に頭を預けた。

薄暗闇の中で、その目は異様なほど生き生きと輝いている。


「すべてが始まる前、俺はこの国の決定権者と話をした。」

「目的に適うなら、全面的な許可を与えられた。」


歪んだ笑みが浮かぶ。


「俺は子供の頃から、こう考える。計算し、分析し、世界を理解するために苦しむ。」

「だからここにいる。だから俺は、最も信頼され……そして最も残酷な将軍だ。」


わずかに首を傾ける。


「さあ、命令通りにやれ。さもなければ、あの灯りより先に誰かが消える。」


恐怖が、電流のようにキャビンを走った。


疲労困憊で、頭蓋に痛みを抱えながらも、兵士たちは動いた。

指がパネルの上を飛ぶ。


外部で、デストロイヤーが巨大な腕をゆっくりと持ち上げる。


海水が砲身へと吸い込まれ、凄まじい力で渦を巻く。

海の圧力に、システムが軋みを上げた。


キラは低く笑った。


「撃て。」


それは魚雷ではなかった。


弾丸だった。


不可能な弾体。

暴力的な空力をまとい、水など存在しないかのように突き破る。

射撃は海面を貫き、一直線に空へと伸びた。


捜索隊形で並んでいた十五隻の艦船が、次々と貫かれる。


爆発が、空を照らした。


残る艦船は即座に海へと向きを変え、破壊の中心へ突進した。

そこに脅威があると信じて。


彼らは知らなかった。


その領域では、

彼らは狩る者ではない。


獲物だった。


深海で、何かが再び動いた。


サメよりも恐ろしい何か。

自然が生んだのではない――

人間の戦略的思考が生み出した存在。


――次章へ続く。

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