第1章 ― 鋼の誕生
叫び声が空気を切り裂いていた。
爆発が地面を揺らし、瀕死の心臓の不規則な鼓動のように響いていた。
日本は、戦争のただ中にあった。
人類が自らの運命を支配していると信じていた時代に、空は本来存在してはならないもののために裂けた。異星の艦船が不吉な前兆のように降下し、そして私たち――日本人は――抵抗した。残されたすべてを懸けて、抵抗した。
銃声が街路を交差する。救いを求める声が、破壊の金属音と混ざり合う。
家族は数秒で引き裂かれた。父親は子どもたちの目の前で消え、母親は二度と返事の来ない名前を叫び続けた。
「後退! 急げ、後退だ!」
命令は虚しくこだまし、混沌に飲み込まれていった。
そのとき、絶望の極限で、一つの真実が突きつけられた。
通常の兵器では足りない。人間の戦略だけでは、もはや通用しない。
生き延びたいのなら、私たちは自分たちを超える何かを創らなければならなかった。
恐怖を持たないもの。
慈悲を感じないもの。
対空砲が敵艦を撃ち落とし、空が静かに燃え上がるその間、地表の下には別の世界が存在していた。
地下基地。
冷たく、深く、そして生きている。
キラは司令室の中央に座り、腕を組み、身体は動かさず――だが、精神は戦場にあった。薄暗がりの中で彼の赤い瞳がかすかに輝いている。それは怒りではない……確信の光だった。
彼は深く息を吸った。
「私はこの基地の将軍だ」
低く、揺るぎない声で言った。
「そして、この計画を思いついたのは私だ」
キラは立ち上がった。金属の床に足音を反響させながら腕を広げ、まるで祭壇を示すかのように前へ進む。強化ガラスの窓の前に立ち、その向こうで生まれつつあるものを見据えた。
巨大な戦車。
途方もなく、非人間的な存在。
戦争のために形作られる、鋼の塊。
「我々の地獄の化身だ……」
彼はそう呟いた。
照明が、計画K-59――究極の試作機――の装甲に反射する。それは単なる兵器ではなかった。恐怖への回答であり、最後まで戦うという人類の決意の象徴だった。
「これは戦いに勝つために造られたのではない」
キラは機体から目を離さず、続けた。
「異星人を……完全に殲滅するために造られたのだ」
基地の静寂の中で、何かが目覚め始めたかのようだった。
そして、地獄は金属の姿を取っていった。
――次章へ続く。




